疲れるに関連した俳句の例をまとめました。
疲れるを含む俳句例
八月や海月疲れし船溜り/有働亨
薫風を捌き疲れて夕欅/高澤良一
四葩咲き夕べ疲れし掌/菖蒲あや
疲れしと思ふ心に鰯雲/高濱年尾
額白う女疲れぬ桜餅/島村元句集
尺蠖や測り疲れて一文字/吉田水乱
椎の花疲れて何も考へぬ/行方克巳
なほ壁に外套疲れし姿なす/岸田稚
寺多き町に疲れし旅始め/森田公司
新しき靴は疲れて墓詣/青葉三角草
法師蝉茂り疲れし老柳/百合山羽公
鳥達の踊り疲れて砂の街/対馬康子
流行の靴に疲れぬ秋の風/朝倉和江
いい人に少し疲れて蜆汁/幸村睦子
風車まはり疲れて売れ残る/新明紫明
音楽を疲れて聞くや五月盡/細見綾子
西鶴忌人に疲れて帰り来る/石川桂郎
風となれ遊び疲れた文明は/春海教子
学校医疲れて戻る夕さくら/相馬遷子
夏服を吊れば疲れてゐる形/広川康子
俳句例:21句目～
十一やふつと疲れて岩の上/細川加賀
蝶の昼妻は疲れて眠りをり/長谷川櫂
若葉守虫に疲れて眠りけり/林原耒井
鴎の白少し疲れし晩夏かな/石川文子
人の世に疲れし夜や秋簾/鷲谷七菜子
冬の夜や音の疲れし古時計/土屋保夫
冷房に疲れし肩を叩くなり/星野立子
労られすぎて疲れし敬老日/福山英子
寝疲れる銅長の馬冬十勝/鈴木八駛郎
花よりも水の疲れし水中花/平野/静
華曇熱に疲れて情しづか/殿村莵絲子
花みづき川は疲れて芥溜む/巌谷小波
学び疲れし子に樟脳舟浮かす/樋笠文
花疲れして観音の前にゐる/佐藤尚子
芝居見て疲れて戻る五月闇/田中王城
蛇苺こころ疲れし午後の時/角川春樹
聖果作り疲れて神も仏もなし/楠節子
凍蝶にかゞみ疲れて立上る/星野立子
成人の日の一日を著疲れて/市橋山斗
洗濯屋白に疲れぬ白壁冴え/香西照雄
俳句例:41句目～
人の目に疲れて秋の扇かな/澤村昭代
滝懸かる比喩に疲れた男らに/徳弘純
鏡中の疲れし真顔夜の青田/加藤楸邨
筆竜胆疲れてまろぶ鼻さきに/鈴木元
炎天に影の疲れし風車かな/鈴木一郎
秋風や黙し疲れて空を見る/石原八束
疲れても持する童顔返り花/香西照雄
渋濯屋白に疲れぬ白壁冴え/香西照雄
考へて泣いて疲れて秋の暮/森田愛子
水となり疲れて眠る河骨よ/高澤晶子
干浴衣吹かれ疲れて休みをり/上野泰
疲れし身横たふ薄き坊布団/高木晴子
石菖や疲れし足をさます水/高田蝶衣
骨もまた疲れて眠る龍の玉/川崎展宏
疲れては性なく転び穂草中/石塚友二
再会のあとの秒針疲れてる/中村浩美
箱眼鏡のぞき疲れて山を見る/中村甚一
綱引の綱の疲れて横たはる/柴野みちゑ
花の句に疲れてやがて花疲れ/鈴木鷹夫
葉鶏頭歩き疲れて逝きにけり/好村文子
俳句例:61句目～
蟇竦み疲れて目をつぶる/阿部みどり女
貞叔な妻に疲れて牡丹植う/石田よし宏
疲れた農夫秋の深さの瞳で語る/穴井太
風かはすことに疲れて破れ蓮/有吉桜雲
いつも旅雪に疲れし野兔の耳/対馬康子
きのふけふ何に疲れし竹の秋/近藤一鴻
ねぶた果て疲れし大路現はるる/岸田稚
ばらばらに手足疲れし夏の月/清水白郎
井戸枠に疲れし蜂の三四かな/三好達治
春の野や遊び疲れし影法師/市ヶ谷洋子
月光に疲れし朴の散りにけり/橋本榮治
残り福疲れし声をあげて売る/大戸貞子
水疲れしてはや首夏の美少年/三橋敏雄
湯田中に湯疲れしたり旧端午/伊藤敬子
畑打つていたく疲れし病後哉/正岡子規
疲れしと思ふ昼寐に時過ごし/高濱年尾
立ち変る客に疲れし夕牡丹/中井余花朗
舗装路を歩き疲れし登山者よ/右城暮石
金堂ぬくし神将力み疲れしか/宮坂静生
雨の螢疲れし荷馬引き戻る/石島雉子郎
俳句例:81句目～
雨疲れして島じゅうの額の花/嶋田麻紀
青ふくべ遊び疲れし顔のあり/小菅防風
風に疲れし歩みの桜葉の若く/林原耒井
骨太の螽?など一茶疲れしや/宮坂静生
伸びすぎて胡瓜疲れぬ地に近く/小澤實
くた～に疲れて戻り吸入器/大塚千々二
こころよく歩き疲れて秋夕焼/山田弘子
五月闇疲れては声大きくす/古賀まり子
仏跡を巡り疲れてハンモック/広田祝世
喫泉飲む疲れて黒き鳥となり/西東三鬼
大仰にほめて疲れて菊花展/永野ヤヨイ
家に疲れて家を出て揚雲雀/遠藤若狭男
恋せむには疲れてゐたり夕蜩/草間時彦
春の馬水平線は疲れている/本田ひとみ
月夜疲れて石鹸の泡生む手/林田紀音夫
歩き疲れてはまなすは風の奥/木村敏男
歩き疲れて歩く人見る松落葉/小野周水
水中花水が疲れてゐたりけり/黛まどか
犬疲れて駐車場に立つ精神/山本奈良夫
畑打つていたく疲れし病後哉/正岡子規
