俳句例:201句目～
海鳥と入日に向いて去りゆけり/富澤赤黄男
雨のひま入日の燃えて藪枯るゝ/金尾梅の門
入日雲負ひて攀ぢゆく櫨ちぎり/能勢真砂子
蓮根掘りしあと賑はしき入日かな/岡本高明
麦の入日面向けがたく疲れけり/千代田葛彦
雲海に朱を押し人るる入日かな/八木林之助
鶉の頭まるくてあかくて入日どき/加藤楸邨
雲海に朱を押し入るる入日かな/八木林之介
野の入日燃えて寒林の道をはる/水原秋桜子
年木樵けふの入日を拝がみけり/大場白水郎
顔見世の京に入日のあか～と/久保田万太郎
世の終を入日に見せし枯野かな/東洋城千句
さみだれや入日いり日を見せながら/横井也有
しばらくは入日まばゆき霞かな/久保田万太郎
ふところに入日のひゆる花野かな/金尾梅の門
筍を洗ひ入日に胼の手をかざす/竹中九十九樹
口にふくんで鳴らしてみたき夏入日/栗林千津
日にふくんで鳴らしてみたき夏入日/栗林千津
獅子舞は入日の富士に手をかざす/水原秋桜子
キャンプ張る海の入日をまのあたり/上柿照代
俳句例:221句目～
入日は待つ菜摘少女の籠満つまで/伊丹三樹彦
このをとこ入日にぬれてひとを恋ふ/富澤赤黄男
田蓑とりてふりむく梅雨の入日かな/金尾梅の門
ゆく年の、入日、水仙ばたけかな/久保田万太郎
入日の斑出水たひらのけぶるかな/飛鳥田れい無公
入日、雲に、まぶしけれども冬ざるゝ/久保田万太郎
一日の終り寒ンの入日をたしかめに出る/吉岡禅寺洞
桑の實の赤き入日や半夏生/菅原師竹、安斎櫻カイ子編
花石蕗のなだれ打つ如入日かな/『定本石橋秀野句文集』
西方に峡ひらけて夕あかし吾が恋ふる人の国の入日か/土屋文明
河原をたどればつづく戦後史のわが胃の底を焦がす入日よ/角宮悦子
