酒場を使用した俳句

酒場に関連した俳句の例をまとめました。

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酒場を含む俳句例

駅前の酒場の女水打てる/宮武寒々

凍港に人の匂ひの無い酒場/能城檀

酒祭いま終りて柩車めく酒場/三谷昭

熱燗や反戦を説く地下酒場/尾関乱舌

時化後の酒場昼閉す浜の秋/宮武寒々

酒場には紙の桜の弥生かな/吉屋信子

酒場帰る楽手夏めき辻に群る/宮武寒々

隅田に老い昼の酒場のパセリ皿/古田海

橇行に寝し村酒場のみ灯り/石井とし夫

ねぷた見て津軽民謡酒場かな/高澤良一

櫟酒場月ある夜は月に酔ひ/町田しげき

油屋のいまは酒場やかけす鳴く/辻桃子

片陰や寺と酒場とさし向ひ/稲垣きくの

黒人悲歌地下の酒場へ月の階/宮坂静生

蓼の花漁夫の酒場は風を飼ふ/小池文子

赤々と酒場ぬらるゝ師走かな/前田普羅

銀杏落葉一枚咬みて酒場の扉/土生重次

もの枯れて酒場に地獄耳揃ふ/小檜山繁子

グラスならぶ酒場の窓の桐の花/木下夕爾

コップ酒飲みて獅子舞酒場出る/板垣峰水

俳句例:21句目~

ドーミエの顔ことごとく春酒場/対馬康子

時雨るるや酒場灯影の反きあひ/中村汀女

酒場の灯しみて春泥更けにけり/清原枴童

螻蛄更くる酒場にふふと嗤ひ声/中島斌雄

酒場やがて蝋涙と化し誰か歔欷/楠本憲吉

酒場出て聖夜の橋に妻と逢ふ/岡部六弥太

酒場灰色北欧水夫の髪溶けそう/伊丹公子

灰が降る丘の酒場に身を焼く薪/高柳重信

銀河系のとある酒場のヒヤシンス/橋間石

秋の蜂とまる洞あり地下酒場/小長井和子

暖冬はいつも酒場の名のように/対馬康子

鯖ずしの酒場にとどく野分かな/黒田杏子

酒場の軒へ突込む喜雨の乳母車/河合凱夫

しぐるるや坂に向き合ふ酒場書肆/山田文男

ゆく春の酒場はみどり灯をともす/岸風三楼

酒場の灯めざし夜霧も流れをり/成瀬正とし

酒場の灯ゆびさし笑ひ橇の馭者/成瀬正とし

蔦茂る酒場にルオーのキリストが/川崎展宏

荒磯なる酒場のメニュー雁わたる/宮武寒々

雪降るとラジオが告げている酒場/清水哲男

俳句例:41句目~

どの酒場にゆきても一人小夜時雨/成瀬正とし

酒場の木椅子に鳥めくわれら黄葉期/鈴木河郎

酒場の灯赤青おでん屋では灯は黄/池内友次郎

夜霧に追はれ来て酒場の空椅子をもとめる/喜谷六花

トナカイのソテー白夜の地下酒場/松本澄江「西施桜」

五十歳過ぎて結語をもたざれば夜の酒場に来たりて唄う/石田比呂志

さんざ騒ぎ果てたる後を居残れば油虫だらけの穴ぞこの酒場/島田修三