乳児に関連した俳句の例をまとめました。
乳児を含む俳句例
砂丘冬妻にひとりの乳児匂ふ/原裕
乳児目覚めをり風鈴の音の中/長田等
菜の花や海石一つが乳児の墓/中拓夫
蟋蟀や乳児が寝返り打つて力む/澄雄
雪に雪降り積む白さ乳児眠る/長田等
風薫る四肢の先まで乳児の意志/林翔
春雪や乳児の全身笑ひにて/加藤知世子
泣く乳児や三角に立つ切り西瓜/所山花
雛の前乳児両袖はばたきて/山口超心鬼
乳児泣きつつ金柑握り匂はしむ/加藤楸邨
座り込む莚はみ出て合歓に乳児/沢木欣一
桃に来て昼湯は母と乳児ばかり/小池文子
麦秋や乳児に噛まれし乳の創/橋本多佳子
だく乳児の手をもにぎりて春炬燵/飯田蛇笏
ねんねこに母より大きな乳児の顔/相馬遷子
乳児の瞳に形なすものさくら草/加藤知世子
乳児健診しりのゑくぼや四月馬鹿/細谷喨々
乳児寝たり歩く形に足袋ぬいで/加藤知世子
水槽のうすくらがりに乳児透く/林田紀音夫
背負はれゆく乳児のにほひ蚕掃く/石原舟月
俳句例:21句目～
あたたかく乳児の歯にぞ噛まれゐる/神田綾美
乳児の力ぐいぐい闇に菊の香あり/加藤知世子
雪空垂れて兵士のように乳児立つ/林田紀音夫
風花や乳児が指さすニュースカー/加藤知世子
乳児抱かれプールの中にあくびせる/山口波津女
夫病む部屋の乳児が伸びする雪明り/加藤知世子
小熊座に毛糸づくめの乳児抱き出づ/加藤知世子
牡丹の芽に跼み無性に乳児みまほし/長谷川かな女
星一つづつ凍り乳児がぽつりと「パパ」/八木三日女
木洩日が南風ちりばめて乳児そだつ/赤城さかえ句集
