口紅に関連した俳句の例をまとめました。
口紅を含む俳句例
口紅は赤い銃弾初鏡/前山松花
弁天に口紅供へ御開帳/山崎祐子
口紅の初花ゆかし玉椿/上島鬼貫
出女の口紅をしむ西瓜かな/支考
寒声や口紅黒く頬蒼く/野村喜舟
口紅を指先で溶く初鏡/中村恭子
口紅をもつて点晴初鏡/下村梅子
冬麗口紅のこる微笑佛/古舘曹人
野茨の色の口紅選ぶ朝/対馬康子
春の口紅三越の紙の色/須川洋子
口紅の色深くして秋の昼/奥田/瞳
口紅や四十の顏も松の内/正岡子規
口紅は母に貰ひし撫子や/木野愛子
鳥の嘴南天の実に口紅す/尾崎紅葉
つけて消す口紅山形に三日/渋谷道
顔上げて口紅濃しや潮干狩/岸本尚毅
風光る妻の口紅いつ変へし/高橋六一
口紅のあとをとゞめて秋扇/岡本松濱
口紅の玉虫いろに残暑かな/飯田蛇笏
口紅のやうな病葉拾ひけり/溝渕徳子
俳句例:21句目～
口紅ひく鏡いっぱいの鰯雲/菅原瓔子
口紅や夫あるかぎり初化粧/永岡/華
古妻や口紅刷ける着衣始/高橋淡路女
夏服に変へ口紅の色も変へ/吉田慶子
夜学生口紅颯とひきにけり/岩永佐保
成人の日や口紅の色変へて/吉田洋一
まつり来と口紅つけて花豌豆/樋笠文
秋海棠口紅つけし母知らず/田中英子
紙に透く御口紅や納め雛/岡崎莉花女
蝉しぐれ濃き日淡き日口紅も/渋谷道
青春と口紅でかく狂ひ咲き/和田季洋
口紅さす貴妃の館の片蔭に/品川鈴子
青林檎汝が口紅のいろにじむ/三谷昭
口紅にそんだ声なり茶摘歌/正岡子規
冬のばら口紅さしてやりにけり/龍岡晋
口紅のほどよき十二月八日朝/川崎展宏
ルージュ濃く外套黒く霧はしり/三谷昭
口紅つかう気力体力/寒いわ/池田澄子
口紅の汗かいてゐる晶子の忌/黛まどか
口紅の父のヴァニラの霜の夜/攝津幸彦
俳句例:41句目～
名を呼べば口紅はげて桃の花/横井也有
口紅のいろを次第に昏らく鵙/中村路子
口紅を塗り立ち上がり後の月/中岡毅雄
青木の実濃き口紅を拭ひさり/山口昭男
口紅や熊手のおかめ賢げに/高橋淡路女
梅雨寒し口紅少し濃く引くと/金井綺羅
口紅の無きがの口に林檎噛む/石塚友二
口紅をひきて泳ぎし顔つくる/百合山羽公
口紅をまた塗る狼煙かもしれぬ/太田淑子
ルージユ濃き無月の街の陰陽師/田口風子
口紅の濃きも身すぎのため寒き/川上梨屋
鵙鳴くや口紅ケース実弾めく/村山砂田男
電話番号ルージュで記す朧かな/河府雪於
ラグビーを見て口紅の濃き女/成瀬正とし
口紅を少し濃くせり今朝の冬/大海みつ子
口紅の濃からぬ程に男雛かな/高橋淡路女
口紅をあはくぬりゐてこぼれ萩/加藤光代
口紅の音なく折れて猟期来る/鳥居真里子
口紅の濃くてにくまれ磯かまど/村上杏史
口紅ぬり鮟鱇食べしとは見えず/鈴木貞雄
俳句例:61句目～
口紅をかへて出かけて夢二の忌/福場朋子
雪解富士口紅卯つ木名に愛づる/渡邊水巴
新しきルージユをひきて文化の日/今泉貞鳳
山に雪ルージュきりりと早足に/松倉ゆずる
春窮のルージユ濃くせよ乙女たち/嶋崎専城
窓から蝶口紅つけて名はEMIY/寺山修司
あじさいや雨後は口紅濃かるべし/河村義郎
潮浴びのルージュなき顔かがやかす/上村占
口紅をなほすフリージア翳らせて/行方克巳
ペチュニアに彳ちルージュ濃き女達/西村和子
虎が雨真つ赤なルージユ引いてみる/芦川まり
スト終えし集い今宵は口紅を濃く/赤城さかえ
口紅のいさゝか濃きも涼しけれ/久保田万太郎
口紅のなじみしマスクかくるかな/久保田万太郎
口紅にカカオの匂ひ夏逝かす/金久美智子「爽旦」
エゴンシーレの哀しき赤に似しルージュ/下山田禮子
くちびるに指あて言わぬ言葉かも闇に口紅水仙ひらく/王紅花
空瓶をかたっぱしから積みあげる男をみている口紅ひきながら/沖ななも
