ちぎりに関連した俳句の例をまとめました。
ちぎりを含む俳句例
契おく燕と遊ばん庭の猫/園女
来年の命を契る接木哉/正岡子規
冬深む黙契のごと双拳/村越化石
横光忌黙契いよゝ頑に/石田波郷
契らばや君は赤われ白椿/正岡子規
結婚を菫に契る男女かな/正岡子規
花冷や末を契りの酒の中/清水基吉
七夕に契り置きてし初桜/上島鬼貫
茄子臭き南瓜くさき契哉/正岡子規
裏山の光る雉とぞ契らん/夏石番矢
伏して念ふ雛の如き御契/正岡子規
宇治橋の夜の契や駆出しの峯/調和
観音も仮の契りや一涼み/正岡子規
黄葉を来て黙契の墓二つ/小澤克己
鴛鴦のちぎりや沓の右ひだり/蓼太
黙契の重みに菊に額づくのみ/林翔
五百枝茂る榊の下の御契/正岡子規
かしの月誠がましき契哉/正岡子規
年玉や同穴の契り番ひ鴨/正岡子規
幾久しき秋の契りや堅節/正岡子規
俳句例:21句目～
白の月の光に契りけり/鈴木真砂女
夜は月と契る泰山木の花/阿部正調
犬飛躍空中で少年と契り/和田悟朗
秋近し桔梗を契る別れ哉/正岡子規
残菊にさめじと契る欝金香/高井几董
鯛契る花鳥諷詠待ったなし/兼近久子
心なうちぎりしあとや冬牡丹/千代女
青梅の堅きを契り給ふべく/会津八一
かき氷粗きを契し湖北なる/亀井糸游
鳥雲に契りて今も七つ違ひ/鷹羽狩行
糠味噌に瓜と茄子の契かな/正岡子規
待宵やおろかに契る月の雲/松岡青蘿
稲妻は鶺鴒の尾の契りかな/中村史邦
行く末は誰とか契る紅の花/正岡子規
時は秋月にや老を契られし/正岡子規
きぬぎぬや来年契る雛の顔/正岡子規
波こえぬ契ありてやみさごの巣/曽良
秋草の繚乱神が契りをり/加藤知世子
抱籠の一夜はかなき契り哉/正岡子規
草灰を撒くきさらぎの契文/宮坂静生
俳句例:41句目～
契りきしゆゑ火影ひく雪女/石原八束
比翼連理棚の雛と契るべし/正岡子規
風は木に浅く契りぬ西行忌/三田きえ子
夏の夜のちぎりおそろし橋の霜/千代尼
蜩や師弟は二世を契らねど/殿村菟絲子
短夜の戯畫の狐とちぎりけり/後藤綾子
死んできて山の芒と契る日よ/桑原三郎
薬玉やちぎりめでたき古雛/高橋淡路女
近松忌契結んでしまひけり/成瀬櫻桃子
身にしむやゑぐいちぎりの如来肌/郁乎
飯匙草に飯匙も歯を折る契哉/尾崎紅葉
聖堂の秋陽に契り吾子繭色/平井さち子
黙契といふ枷のあり返り花/片山由美子
黙契のごとし額に蜘蛛の糸/正木ゆう子
黙契の三弟子木の葉髪古りつ/清水基吉
黙契の初雪と見て飛騨に住む/小鳥幸男
黙契やてのひらに水あふれしむ/穴井太
共に冬越す黙契の蜂も死す/殿村莵絲子
函を出てより添ふ雛の御契り/杉田久女
壻となり嫁となる春の契り哉/正岡子規
俳句例:61句目～
夕顔に手鍋さけんと契るへし/正岡子規
大濤のとどろと星の契りかな/飯田蛇笏
星合の契りもいまは昔ごと/能村登四郎
帝展に蓮歩をうつす契りかな/飯田蛇笏
言の葉も契りたる夜は紅葉す/中里麦外
神島を黙契の蟹はい出づる/宇多喜代子
秋むかし菊水せむと契りしか/山口素堂
種播くや黙契土に殖やしつつ/千賀静子
朝な朝な朝がほながき契り哉/正岡子規
木々は息深めて星の契かな/鷲谷七菜子
二世かけて結ぶちぎりや雪の笹/夏目漱石
露ふたつ契りしのちも顫へをり/眞鍋呉夫
草に木にちぎりを結ぶ針まつり/田中裕明
蝉殻を溜めて姉弟のちぎりとす/原コウ子
雪月花つひに三世のちぎりかな/与謝蕪村
世の中を如何に契りし一つ葉ぞ/正岡子規
藁しべで契るあはれの目刺かな/丸谷才一
いなづまや僧と契りし遊女の碑/後藤綾子
寒き夜を猶むつまじく契るべし/正岡子規
思ひきり土掘りおこし牛蒡蒔く/宮野契城
俳句例:81句目～
如月や契るごとくに伐折羅見に/大石悦子
堅く々々契りこめたる雑寝かな/野村喜舟
黙契のごと秋澄める石と居り/鷲谷七菜子
契り得るや雷走る間の彼の顔に/杉山岳陽
わが書庫の紙と契りし月日あり/星野半酔
藍を着し子とゐる星の契りかな/秋山幹生
黙契や鬼百合の脈ゆっくり打つ/大西泰世
雨つぶのうすき契りや沙羅の花/田住満夫
朝がほに野辺のちぎりや稲光/サガ農-為有
くすりゆび滅ぶは雪の日の契り/増田まさみ
たちいそぐ薫香に星の契かな/長谷川かな女
なりはひの紙と契りてはかなさよ/富田木歩
やはらかき日との黙契クロッカス/角田敬恵
冬かもめ黙契は身をほとばしる/宇多喜代子
帯固くしめて雪見る契りしあと/田川飛旅子
道祖神炎えまるまる契る団子虫/平井さち子
露の世の永久の契りといふをいま/山田弘子
契りおかで待つや夜長の空たのめ/正岡子規
水打つや契りとは祖と契ること/長谷川秋子
エホバとの契り密々ざくろの実/平井さち子
