黄色に関連した俳句の例をまとめました。
黄色を含む俳句例
元日や上々吉の浅黄色/一茶
鶏頭の黄色は淋し常楽寺/漱石
結初の萌黄色なる飾紐/宮武章之
妻祷る真黄色なる夕焼に/草田男
睡蓮の黄色ばかりや雪舟庭/林徹
懐石の萌黄色なる嫁菜和/高垣菊枝
色ならば次男は黄色星祭/黒沢孝子
新田郡冬の野菜は萌黄色/角川照子
日の出前磯草夏も萌黄色/香西照雄
春を鳴く黄鶺鴒の声黄色/勝村茂美
何候ぞ草に黄色の花の春/服部嵐雪
染寺の黄色の牡丹崩れそむ/東妙子
島行きの黄色の切符夏鴎/石川文子
雛の家厠黄色き夕日さす/茨木和生
白もよし黄色もよし菊膾/山口青邨
萩の蝶黄色ばかりや山の風/星野椿
炭竃のいたく黄色き煙吐く/鈴木花蓑
白梅の黄色に咲くや年の内/正岡子規
白菜を真二つ芯の黄色かも/嶋田得山
百姓が走る寒さの歯黄色く/中山純子
俳句例:21句目～
凍蝶は黄色を鉢の上に置き/高屋洋子
砂日傘黄色の女よこたはる/中島斌男
秋の宮松葉牡丹は黄色のみ/高木晴子
秋晴や黄色き花の糸瓜垣/松本たかし
立春や黄色く光る五円玉/加藤あい沙
筍が伸びる雪解富士黄いろ/萩原麦草
まくは瓜寄せし一山黄色かな/加来都
草の葉の黄色勝なる土用哉/正岡子規
赤になる過程の黄色烏瓜/岩川みえ女
連翹の黄色一心不乱なり/谷口千枝子
醤油甕干して黄色人種たり/攝津幸彦
骨肉の昏さ菜の花まっ黄色/大西泰世
川筋に黄色が飛びて迎春花/中西舗土
水芸は声の黄色の哀しかり/今井竜蝦
河骨の明暗しりぞけし黄いろ/渋谷道
沼を吹く風を黄色に泡立草/和知喜八
万作の花の貧しき黄色かな/倉田紘文
三月場所所司衣裳の萌黄色/杉浦典子
物おもふ暮や黄色なぬり団扇/椎本才麿
大霜や富士は黄色に日の当り/鈴木花蓑
俳句例:41句目～
河骨の昨日の黄色はや水漬き/谷口和子
駅に借るかうもり黄色花の雨/亀井糸游
夫一人死にき花火の淡黄色/殿村莵絲子
山茱萸の貴い黄いろ海があり/駒志津子
父と子の清水黄色き瓜食ひて/細見綾子
山吹は黄色の絵具盛り上ぐる/安成三郎
黄色出し切つて紅花紅出すと/矢島渚男
白菜の夜干しの芯の浅黄色/土田日露史
月のぼりおしろい花の黄色かな/辻桃子
新涼や円く黄色の梟の眼/阿部みどり女
日の色は黄色に青や茎立てる/高浜虚子
川曲がり黄色ただよう楠若葉/和知喜八
紅花の紅くなりつゝある黄色/鈴木康永
流す涙黄色と思ひ月見草/阿部みどり女
椋鳥の黄色の足が芝歩く/坊城としあつ
黄色の芽出し原爆地捨て玉葱/黒田謙司
秋晴や今日会ふ蝶のみな黄色/西上禎子
人はみな桜桃の種うす黄いろ/山西雅子
父母ありし昔真桑や灯も黄いろ/森澄雄
秋の蝶黄色が白にさめけらし/高濱虚子
俳句例:61句目～
冬暖のおりゆく気球黄色なり/横山白虹
双蝶の黄色に立てば思考も黄/岩田洋子
向日葵に黄色き元気貰ひけり/出内一申
唐黍を吊り家ぐるみ黄色なり/金子皆子
夏菊の雨の明るき黄色かな/大山清治郎
菜の花の黄色に覚めて寝台車/高橋笛美
心中す黄色のジウス飲み余し/右城暮石
蟷螂もおなじ黄色や女郎花/阿波野青畝
あぢさゐの花の花粉に黄色なし/森川暁水
いちめんの黄色は背高泡立草/今井杏太郎
たかべ好き黄色のライン自己主張/峠素子
しだれ柳枯れてゆくとき萌黄色/辻恵美子
パンジーの黄色が怒る雨の午後/笠間圭子
狂言の足袋黄色なる虚子忌かな/岸本尚毅
出てをりし月の黄色き枯木かな/岸風三楼
連翹のどこかなげやりなる黄色/櫂未知子
鳩がとぶ二日の空の浅黄色/阿部みどり女
山茶花の蕋ばかりなる黄色かな/島田青峰
黄色とは野にありてこそ女郎花/池田一歩
金縷梅の黄色は中華菓子のいろ/高澤良一
俳句例:81句目～
雲黄色く十六夜の月出でんとす/寺田寅彦
街不意に林間のごと黄色くなり/北原志満子
てふてふは黄色が好きと身篭りし/海野迪子
通園の黄色のブーツでんでんむし/高澤良一
まつ先に黄色の薔薇が咲き揃ひ/加藤あけみ
まんさくが赤く黄色く咲きにけり/林紀之助
遠き帆を黄色と思ふあたたかし/今井杏太郎
夏足袋の黄色くなりしほこりかな/高濱虚子
秋の蝶の黄は狂ほしきまで黄いろ/草川道子
絵手紙からはみ出す花菜真つ黄色/三浦叙之
菜の花がしあはせさうに黄色して/細見綾子
石鹸玉わたしに足りないのは黄色/鎌倉佐弓
なきがらの蜂に黄色の縞黒の縞/橋本多佳子
あたたかや砂に黄色き防風の芽/松本たかし
蕪村忌や絖より黄色浮き立つる/河野多希女
虎河豚のはだらの黄色夢に来し/軽部烏頭子
黄色ミモザ手動筆記の猫は逃げた/木村聡雄
えにしだの黄色は雨もさまし得ず/高浜虚子
マッチの火燃えて黄色やセルの胸/大峯あきら
マンハッタン林檎買ふ吾が黄色き手/藤田直子
