距離を使用した俳句

距離に関連した俳句の例をまとめました。

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距離を含む俳句例

ある距離に富士と仁王と冬鴎/原裕

深呼吸して観潮の距離はかる/原裕

姑との距離まだ少し毛糸玉/伊藤琴

心経を一誦の距離春の塔/中戸川朝人

恋猫の一心あの距離をとびし/角光雄

天馬像基点の距離や冬泉/中戸川朝人

芹摘める二人話の届く距離/高澤良一

湖二つ郭公谺し合ふ距離に/川村紫陽

美しき距離白鷺が蝶に見ゆ/山口誓子

冬銀河歳月をもて測る距離/辻美奈子

竹藪へ透明な距離梅咲けり/川村紫陽

髪洗ふ少女や射程距離内に/宮武寒々

郭公に距離を置きたる夕心/後藤一秋

少し距離置き旅の友旅の冬/稲畑汀子

二陣又同じ眼の距離雁渡る/高橋蛍籠

遠桜いのちの距離とおぼえけり/林翔

蜀葵見ゆる距離にて地獄見ゆ/森澄雄

虎鶫こころ凝らして距離測る/松本進

慕情いま鉄砲百合の射程距離/内田美紗

見下して涼しき距離に門谷村/鈴木鷹夫

俳句例:21句目~

野毛坂に団栗落ちて転ぶ距離/高澤良一

残る鴨浮いて互いに遠き距離/宇咲冬男

男女なく距離は同じや弓始/大森扶起子

猫の子や親を距離て眠り居る/村上鬼城

母と子の距離を守れる潮干狩/舘岡沙緻

受験子を見守る距離を心得て/山田弘子

梅雨晴や距離を延して万歩計/江頭景香

猟犬の耳立て直す距離に立つ/山口俊平

夕月に千鳥とわかるまでの距離/梶尾黙

星流る美しき距離父母と子の/折笠美秋

夫見ゆる距離たもち摘む夏蕨/塩野光子

夕景の森あり寒き距離と思ふ/藤田湘子

子との距離いつも心に磯遊び/福永耕二

泰山木匂ふ距離より仰ぎけり/朝倉和江

目礼の涼しき距離の飛騨民家/都筑智子

目礼の距離はかりをり貝割菜/鈴木鷹夫

秋茄子や程良き距離に新世帯/戸村和子

縮まらぬ距離に妻いる大花野/池上拓哉

芒挿す光年といふ美しき距離/奥坂まや

草矢射る汝との距離を誤りて/岩切雅人

俳句例:41句目~

蝗捕声とどく距離保ちつつ/吉野トシ子

河骨の距離までにゐる思ひやり/小菅久芳

をなご来て草矢の射程距離内に/内山静尚

夏帽子ちらばりて声とどく距離/津野洋子

射程距離にて冬鵙の尾を振れる/岸風三樓

夏の蝶ゆっくり安楽死までの距離/金子潤

渓の底まで南無といふ春の距離/鈴木鷹夫

坂をゆく人に距離置き聖夜なり/菖蒲あや

桐の花程よき距離に立ちてみる/高澤良一

噴水と距離おき鶏頭枯れはじむ/谷川彰啓

畑打の夫婦の距離の気にかかる/谷川和子

汐干狩家族は距離を置きて和す/龍野/龍

妻が手を拱いてをる蚊との距離/島田牙城

見覚えの日傘の距離に近づけり/石川風女

触れ合はぬ距離を保ちて冬鴉/下斗米大作

迫り来る一白鳥とわれの距離/青柳志解樹

冬の月母と子の距離凍てついて/河野静雲

三尺は師と弟子の距離おぼろ月/長谷川双

枯蔓のつかみそこねし物の距離/木下夕爾

隣家とはほどよき距離に蕗の薹/渥美久子

俳句例:61句目~

雪虫のつきくる距離も暗くなる/西村公鳳

風に乗り思はぬ距離へ巣立鳥/梅村すみを

一樹づつ西日が犯す死への距離/岩田昌寿

鴨翔つを素手で計りて射程距離/右城暮石

をみなへし距離よろしきに三姉妹/山下和子

地図で計るあなたとの距離春の虹/片山嘉子

美しく見ゆ距離雑木紅葉かな/宮城きよなみ

夕端居ほどよき距離とおもひけり/小川江実

子との距離夫との距離にすだく虫/山田弘子

寄つて来て鶉とわかるほどの距離/佐藤淑子

萩の雨ほどよき距離に子が住まふ/植木紫郎

島への距離百合赤きまで船近づく/右城暮石

日傘もつ姉妹ほどよき距離たもつ/岩月星火

早苗投げ媼は距離をあやまたず/米澤吾亦紅

袋角撫でるに距離をつめにけり/竹中碧水史

梅雨の傘一歩の距離のどこまでも/田中英子

二人静せつない距離となりにけり/原ちあき

海との距離義足は冬も光るかな/磯貝碧蹄館

距離と時間バスのみが知り麦矮し/栗生純夫

無方無時無距離砂漠の夜が明けて/津田清子

俳句例:81句目~

遅れたる距離遅れたる流燈ゆく/橋本多佳子

父と子の縮まらぬ距離涅槃西風/河野多希女

白息のとどかぬ距離でありにけり/谷口摩耶

かたちなきものとの距離と柱かな/前田秀子

こほろぎやあの橋までの闇の距離/鈴木鷹夫

石焼いも買ひたしわが家までの距離/及川貞

露の世を夫との距離ののびちぢみ/中尾杏子

ぬくめ酒吐息のかかる距離にゐて/葉狩淳子

端居してをりて夫婦の距離にゐる/兜木総一

はなびらの妻までの距離はかりをり/石寒太

麦湯の薬罐残業四人に距離等し/中戸川朝人

胡瓜揉みスープの冷めぬ距離に住む/相馬沙緻

春待つや地図に遥かな子との距離/古座岩康子

追うてゐる兎との距離ちぢまらず/戸沢寒子房

妻の足袋すでに汚れぬ死までの距離/小林康治

夫婦の距離埋まるかやけに噛む沢庵/鷹島牧二

石投げて蛇との距離をひろげけり/田原千恵子

落葉ふり人との距離は眼にみえず/稲垣きくの

野火までの距離や穢のごと家名負ふ/川口重美

釜山までわづか破魔矢の距離なりし/横尾桂子