俳句例:101句目～
妻の煮るものあふれたがるよ雪催/吉田明
火渡りを待つはつきりと雪催ひ/竹中弘明
天蚕織りの彩の沈める雪催ひ/柴田白葉女
本だなの抜きあと深く雪催い/川崎ふゆき
雛の面に血のいろかよふ雪催/ほんだゆき
魚の死は瞳をみはるなり雪催/鳥居おさむ
雪催ひまこと狢の鳴く夜にて/馬場移公子
雪催ひ村のよろづ屋混みあひて/小沢梅鶯
鳥も木もうたがひぶかく雪催/千代田葛彦
雪催ふ琴になる木となれぬ木と/神尾久美子
泥鰌すてゝ闘ふ五位鷺や雪催ひ/佐野青陽人
夢に見るふるさといつも雪催ふ/冨田みのる
もてなしの焚火かこむや雪催ひ/大場白水郎
膝つ子の人形屑にぬくもる雪催ひ/富田木歩
しやちほこの目の支へあふ雪催/大木あまり
雪催ひ秋刀魚買はんと引つかへす/榎本冬一郎
雪催ひ菓子食ふならば灯に染めて/中村草田男
甍いろをひそめてひさし雪催ほす/川島彷徨子
