車窓を使用した俳句

車窓に関連した俳句の例をまとめました。

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車窓を含む俳句例

車窓より好緑蔭を発見す/瓜人

春霞僧と車窓を同じうす/岸原清行

車窓より瀬戸の島山春隣/星野立子

暫は車窓に添いぬ後の月/丸田美年

東京に近づく車窓春の雪/松尾緑富

幣立てる日田の大簗車窓より/爽雨

水槽めく並行車窓萬愚節/奈良文夫

手袋の手を置く車窓山深み/上村占

三月の鉄塔一つ車窓をすぎ/皆吉司

車窓流る羊群の白霧の白/村松紅花

渋滞の解けし車窓や初鴉/田口教子

車窓より拳現われ旱魃田/金子兜太

秋の夜の車窓といへば日本海/林桂

黄菊先づ車窓馳すなり町近し/汀女

車窓の墓碑寒石群と一瞥す/吉野義子

外套を車窓に吊つて日本海/藺草慶子

ねむたさの車窓の白き旱なり/有働亨

磯の鵜を車窓にかぞへ初詣/中山純子

わが車窓板張りに寒凪の海/林原耒井

車窓をいま冬海空より多く占む/篠原

俳句例:21句目~

車窓曇らせし別れの息白し/山田弘子

山藤と思ふ車窓の吉野まで/坊城中子

霜の村車窓に顔の真中灯る/寺田京子

水見舞車窓に座礁船を嵌め/安江緑翠

先師訪ふ車窓に凛と初筑波/引地冬樹

海猫大きく近づく車窓明易し/中拓夫

指栞車窓に桃の咲くを見て/高澤良一

渋滞の車窓より買ふ夏蜜柑/飯田弘子

冬帽で車窓に沈みゐるは夫/細見綾子

紀勢線夏の怒濤を車窓にす/脇田絹子

明易し車窓に知らぬ海展け/大津希水

見たき山見せず車窓の大西日/瀧春一

卯の花の白か車窓にきらめきし/篠原

車窓うつ雨の青さや罌粟畑/桂樟蹊子

東京へ東京へ車窓雪嶺しづむ/桜井博道

林檎置く車窓雪野は果もなく/永井龍男

移りゆく車窓の田植さま~に/高濱年尾

梅雨の車窓雨粒さそひあひ筋ひく/篠原

梅雨近し車窓はなべて景重く/坊城中子

花尽きずなほ北上の車窓暮れ/福田蓼汀

俳句例:41句目~

氷紋の遂に解けざる車窓かな/川上巨人

車窓伊吹氷菓のごとく遠ざかる/渋谷道

車窓新緑故山に向ふうづくまり/森澄雄

凡な顔車窓秋雨の屋根が飛び/大井雅人

車窓よりラジオ流して瓜摘花/高澤良一

訪ひがたき生家を車窓秋の暮/後藤房枝

初旅や赤ベコ首を振る車窓/町田しげき

車窓涼し驚異の潤目欠伸の穴/香西照雄

卓上のすみれ車窓に去年の雪/永井龍男

雪嶺のかげ射す車窓人睡たり/相馬遷子

雪晴や旅の車窓に富士まとも/河野信子

妻の辺に久しや車窓花菜過ぐ/香西照雄

美婦に慌て車窓菜の花横轉す/藤後左右

車窓より母校が見えて藤の花/田上良子

車窓うつ九月の雨は密となる/宮武寒々

帰りには初雪の富士車窓にす/森口住子

念ひ寒し逆行の汽車車窓過ぎ/中島斌男

秋霖の車窓を拭ひぬぐひても/坊城中子

車窓に反る手の美しや雪の山/川崎展宏

旅終る車窓に遠き花火見て/片山由美子

俳句例:61句目~

昼寝覚む車窓を野山逆行して/右城暮石

うそ寒の車窓にありし海のいろ/小菅防風

車窓より西瓜手送り旅たのし/市川公吐子

ゆく春の車窓の顔の二つづつ/赤松ケイ子

車窓をゆつくり碓氷峠の蕗の薹/宮津昭彦

車窓擦過の坂の一つの焚火怒る/金子兜太

下り簗つぎつぎ車窓又トンネル/高濱年尾

代田水木曾の車窓に澄みつづく/皆吉爽雨

元日の富士を連れ出す車窓かな/加茂達彌

紅葉狩先ずは車窓のいろは坂/藤崎ミヨ子

車窓に筆売り来たるなり髭に霜/登玉哲生

初雪の富士を車窓に眺めつゝ/川田/蛎雪

喪の妻や車窓の雷火浴びとほし/細川加賀

基地沿ひの車窓や枯芝明りのみ/奈良文夫

車窓渓をはなれて明し桐の咲き/原田種茅

山昏れて車窓菜殻火迫り来し/松本みつを

車窓眼下に七夕竹の揺るゝ見し/島田青峰

工科生車窓に思索せる梅雨入り/宮武寒々

数え日の眠気もたらす車窓の日/高澤良一

野火走る車窓となりて寧らげり/茂里正治

俳句例:81句目~

茶を飲んで車窓は田植老旅人/百合山羽公

葉のみどりかたちうしなひ車窓過ぐ/篠原

西へゆく白鷺なれや車窓ぞひ/中村草田男

車窓走すこの世の色の桃花村/八木林之介

眠る子の風船車窓出て吹かれ/佐久間東城

枯れてゆくものの光を車窓にす/山田弘子

車窓に見る麦踏のうごき一足を/宮津昭彦

青蜜柑車窓暮るるにまかせたり/行方克巳

水禍の地過ぎて車窓に海現はる/右城暮石

櫨ちぎり車窓に近き鳥栖も過ぎ/江口竹亭

初富士が車窓にありて誰も言はず/今瀬剛一

富士見えてくるまで花を見て車窓/稲畑汀子

枯れ車窓女人が占めて華やげり/冨田みのる

西日の車窓それから幾頁を読みし/津田清子

課長の顔で車窓の闇に浮く寒さ/根岸たけを

赫き阿蘇の裾の車窓に氷菓とかす/小林康治

車窓仮睡アイスクリーム売よぎる/高濱年尾

秋の夜の車窓つめたき指のあと/鷲谷七菜子

車窓より見ゆる師走の墓地明るし/内藤吐天

さよならと梅雨の車窓に指で書く/長谷川素逝