車窓を使用した俳句

俳句例:101句目~

刈田の夕映え車窓に躍り眠くなる/田川飛旅子

車窓を過ぎし雪庇が暗く口あく村/赤城さかえ

車窓の虹見知らぬ少女に示しけり/岩淵喜代子

車窓いまのうぜんに燃ゆ野川も過ぎ/大野林火

霧の車窓を広島走せ過ぐ女声を挙げ/金子兜太

スイッチバック車窓の百舌を残像に/平井さち子

冬の車窓の闇より濃くは生きられぬ/高野ムツオ

撃ちし子ら唄ふ子にもどる雪の車窓/平井さち子

車窓に迫り来深雪兎の走りし跡/赤城さかえ句集

雷雲車窓の吾を明るくしこの午後果つ/金子兜太

青田車窓によどみなく沿ひ主婦の旅/平井さち子

スチーム熱し眼だけ拭へる車窓のくもり/原田種茅

車窓吹雪長躯折りてねむりいとしむか/平井さち子

車窓の二人を角巻の眼がひた窃む/赤城さかえ句集

風邪の身はこぶ車窓や野分あふれおり/赤城さかえ

流転はじまる車窓のコスモスとは別に/高野ムツオ

車窓屋根、噴煙、梅雨の落チ日を、誰れ吾も笑顔/風間直得