俳句例:101句目～
寝茣蓙して蹠よごれてゐしを恥づ/林田紀音夫
茣蓙を著てすつくと立てり御来迎/田中蛇々子
下萌えに二人の茣蓙をひろく敷く/山口みちこ
相見てののちの絵茣蓙の古りにけり/後藤夜半
絵茣蓙敷きあり見るにつけ思ふなり/高木晴子
よこたへて老の身かろき寝茣蓙かな/野間紅蓼
まんさくや茣蓙いちまいに子が乗りて/田畑京子
ちゝろ鳴きそめし寝茣蓙も別れかな/金尾梅の門
寝茣蓙よりはがし起きたる背中にて/徳永山冬子
図書に手のとどくところに寝茣蓙敷く/国弘賢治
霧雨や着茣蓙の袖を重ねゆく/本田一杉「霧海」
火山灰の風牛の日除けの茣蓙焔立つ/殿村莵絲子
横坐りして女らの絵茣蓙かな/青野卯「渋柿句集」
青田風暁の寝茣蓙の端冷えし/高田蝶衣「青垣山」
かさなりて寝茣蓙の厚きところかな/小原啄葉「遙遙」
みちのくの太き畦ゆく著茣蓙かな/内藤圀彦「著茣蓙」
胡床居の童女の茣蓙にゆすらうめ/秋元不死男「万座」
