河童に関連した俳句の例をまとめました。
河童を含む俳句例
河童の恋する宿や夏の月/蕪村
河童の戀する宿や夏の月/蕪村
葭切や河童二人の盥舟/野村喜舟
河童に梅天の亡龍之介/飯田蛇笏
新堀の河童の床の骨哉/内田百間
河童子落月つるす夜の秋/飯田蛇笏
酒ありて河童の話出る良夜/杉本寛
かつぽ酒河童に捧げ川祭/竹下一記
歳々や河童忌戻る夜の道/内田百間
河童渕覗けば早し冬の水/関根絢子
白鳥に河童の村を訊ねけり/大串章
河童忌の白き腕に葡萄糖/攝津幸彦
河童忌や学生寮の壁新聞/荒井書子
河童忌の燈心蜻蛉鼻の先/飯田龍太
河童忌や天王寺裏深みどろ/杉本寛
浮草に河童恐るゝ泳ぎ哉/正岡子規
河童忌や鉄砲水の行き処/安達逸子
隻腕の河童にあひぬ冬の月/北園克衛
河童忌の庭石暗き雨夜かな/内田百間
河童碑を囲む沼辺の冬木立/高橋由子
俳句例:21句目～
極楽の文学と別河童の忌/阿波野青畝
河童忌や文庫本の背星一つ/山川和代
河童忌や安定剤の青い箱/三品百合子
亀鳴くや源兵衛堀の河童ども/龍岡晋
河童達川より上り花見せり/三島晩蝉
凶作の白穂を流す河童淵/小川斉東語
沼人に河童月夜といふ寒さ/白岩三郎
夏料理壁に芋銭の河童掛け/川村紫陽
夏暖簾河童三匹ひらひらす/福田蓼汀
河童忌の山川己が色を濃く/山本洋子
雨気はしる花河骨の河太郎/石原八束
河童忌の魑魅魍魎を藪の中/水口楠子
榛の咲く潟六ヶ村河童の碑/菅沼義忠
秋うらら河童と馬コの物語/高澤良一
溝萩のうしろにゐたり河太郎/齋藤玄
秋水の薄手に満ちて河童譚/伊丹公子
秋立つと河童の墓を尋ねけり/原田喬
河童忌や一生徒のみ肯はず/兼安昭子
病葉の流るる速さ河童淵/深海利代子
月の雨河童に酒を買はせけり/龍岡晋
俳句例:41句目～
川狩や河童の宿も踏み尽す/松瀬青々
臍かくす河童太郎や荻の花/鬼頭進峰
河童の子河童の親の忌日かな/上村占
河童の手がけてたてり大籃/飯田蛇笏
はせ川の河童屏風の雨月かな/龍岡晋
河童忌の洋酒に氷落しけり/秋光泉児
カッパ淵遅日の祠一つ置き/高澤良一
河童忌や湖南の扇思ひ出づ/滝井孝作
河童忌や水の乱せし己が影/石川桂郎
河童忌や暮色の田端三丁目/石原素子
河童の木乃伊もとめん今日の海/丸石
河童忌や夏仔の雀庭に遊べる/内田百間
おんそはか河童明神夕河鹿/八木林之介
河童忌や我がもの顔の反抗期/地福育子
河童忌や方形に組むことば切/加藤耕子
河童忌や書籍に透きし遊び紙/澤本隆子
河童忌や棟に鳴き入る夜の蝉/内田百間
下闇や河童と会ひし人の貌/深見けん二
河童忌や比呂志也寸志も既に亡し/林徹
不覚なる酔や団扇に河童の絵/鈴木鷹夫
俳句例:61句目～
人日や河童の皿に灯がともり/小林一子
河童忌や水の涸れたる植木鉢/羽吹利夫
夏料理河童が食べて帰りたる/高見尚之
夏逝くと楽焼に描く青河童/斎藤千代子
夜咄の河童に家族なかりけり/岡崎桂子
河童忌や鴉の二羽のゐる線路/宮田和子
河童忌を現金掛け値なしの空/櫂未知子
百八燈果てたる闇に河太郎/肥田埜勝美
カッパ淵杉菜の青を流しけり/高澤良一
永日の河童に逢ひにカッパ淵/高澤良一
暖炉燃え河童天国満たしをり/皆川白陀
梅雨湿り芋銭の河童百図かな/高澤良一
永日の河童に逢ひにカッパ淵/高澤良一
河童が渕河童も秋思に耽る頃/高澤良一
河童なくと人のいふ夜の霰かな/中勘助
河童の供養句つゞる立夏かな/飯田蛇笏
河童の川蚊細き脛の子と渉る/萩原麦草
河童の恋路に月の薔薇ちれる/飯田蛇笏
河童の画一枚掛けて昼寝せり/村越化石
河童寺自然薯黄葉地を這へり/田淵定人
俳句例:81句目～
河童屁の水泡浮ぶや夏柳/安斎桜カイ子
河童沼すとんと昏れて遠野寒/曽根とき
河童碑につづく背戸径竹落葉/印南美都
河童祭山月これを照らしけり/飯田蛇笏
涼しさは河童が淵の水のこゑ/鈴木鷹夫
濠の月青バスに乗る河童かな/飯田蛇笏
田舎では河童が出ます水遊び/岡田久慧
芋銭河童に踵のありて彼岸西風/神蔵器
菱の実も河童の皿も乾くかな/中原道夫
蒲の穂に河童出て寝る月夜かな/上村占
蓴生ふ月にうるみて河童の碑/岡崎真也
青胡桃水盛り上がる河童淵/山野辺恭子
馬に乗つて河童遊ぶや夏の川/村上鬼城
河童忌の水打つて胸鎮めけり/小林康治
図書館の片隅を占め河童の忌/丸山景子
河童忌あまたの食器石に干す/飯田蛇笏
河童忌に田端の酒をすゝりけり/上村占
河童忌に食ひ残したる骨かな/内田百間
河童忌の何落つとなき水に穴/中村明子
河童忌の声の切なき明烏/林徹「荒城」
