家居に関連した俳句の例をまとめました。
家居を含む俳句例
冬木立家居ゆかしき麓かな/蕪村
飯笊を吊して風の通ふ家居/岡野進
金玉篠つく雨もよき家居/大津希水
冬枯の中に家居や村一つ/子規句集
薺はやす浅草川の家居哉/角田竹冷
萩植ゑて深く住へる家居かな/篠原
晝顔の風に砂噛む家居かな/富田木歩
杉木立中に紅葉の家居あり/正岡子規
寒がりは内弁慶に似て家居/高澤良一
よき旅を語り雛に家居せる/稲畑汀子
朝霧に海山こつむ家居かな/広瀬惟然
藍縮家居落ち着くこころあり/森澄雄
崖割つて一碧楼忌家居せむ/藤田/尚
傘はいる若葉の底の家居哉/正岡子規
冬木立家居ゆゝしき梺かな/蕪村遺稿
懐しき暑さに家居秋彼岸/高田風人子
稲妻や家居置きたる山の原/野村喜舟
獅子舞や岡辺の家居木にこもり/柳芽
家居して婦唱夫隨の三ヶ日/加藤春彦
炭割って一碧楼忌家居せむ/藤田/尚
俳句例:21句目～
檜葉垣の家居を愛し西行忌/遠藤梧逸
白桔梗家居を深くしてゐたり/石崎径子
雲ふかく瀞の家居や今朝の冬/飯田蛇笏
鴨浮寐家居愉しみゐるごとく/藤崎久を
一人の家居ぼんやり皐月どき/高澤良一
今落葉だらけの家居楽しまむ/稲畑汀子
喧雀に日永の家居疲れたり/金尾梅の門
春浅き戸塚は富める家居かな/島田青峰
蟹漁期榾火絶やさず家居婆/鈴木真砂女
朝ぎりの海山こつむ家居かな/広瀬惟然
梅雨家居飲食の手間かけ申す/高澤良一
珈琲よき家居を恋へりスキー行/森田峠
梅雨家居あれもこれもと妻頼み/高澤良一
旅疲れともなく家居きうりもみ/稲畑汀子
家居より外出尚よし春の雨/阿部みどり女
家居ひと日黴に仕ふる如くなり/塚本久子
寒凪の微塵もたゝぬ家居かな/金尾梅の門
大風の家居うつろに冴ゆるかな/富田木歩
簀戸の間に不況の家居藍を着て/長岡直子
夏至の日の家居いづくに立つも風/岡本眸
俳句例:41句目～
蝿生る家居ばかりになまる身に/高澤良一
家居籠りに秋社の雨と思ひけり/奈良耒牛
よしきりや波除ありて田の家居/木津柳芽
栴檀の花咲きそめし家居かな/副島いみ子
青田ありて又家居あり町はづれ/正岡子規
餅花のずずと垂れたる家居かな/嶋田麻紀
香焚きて明けの彼岸を家居する/大野水会
たまさかの家居炭など挽きもして/横田直子
家居がちに帰雁の頃となりゐたり/村越化石
白ぎくや三旬の家居をしからず/日夏耿之介
家居高う大聲に住む爐塞ぎて/安斎櫻カイ子
主婦らしうたまの家居や梅を干す/松尾静子
ゆかりある冬木また仰ぐ家居かな/富田木歩
桃活けて住みかはるべき家居かな/西村和子
もの音をたてずの家居柿の花/いのうえかつこ
夏菊に露をうつたる家居かな/鬼貫「鬼貫句選」
ひるすぎてなほさやけさの家居かな/五十崎古郷句集
