湯浴みに関連した俳句の例をまとめました。
湯浴みを含む俳句例
蝙蝠に空明りさす湯浴かな/富田木歩
日向ぼこ湯浴のごとく人加ヘ/岡本眸
湯浴み馬夏毛の肌の滑らかに/瀧春一
声高き童女の湯浴みどりさす/金子潮
湯浴み後の女乾かぬ蛍の夜/鈴木鷹夫
湯浴みして血の蘇る大旦/伊丹三樹彦
一切がもみづる中や岩湯浴ぶ/高澤良一
物思ふよすがの湯浴み夜の秋/手塚美佐
八朔やわが真乙女の湯浴ごゑ/藤田湘子
鹿撃の雪焼さらし湯浴みをり/沼澤石次
函嶺の湯あみを冬の雷のもと/皆吉爽雨
湯浴みする病躯一片春あらし/伊東宏晃
早梅し眠りて赤子昼湯浴ぶ/秋元不死男
春暁を来て荒湯浴ぶ在所者/下村ひろし
湯浴みして蜩の声遠ざけり/佐々木悦子
唐黍に背中うたるる湯あみ哉/正岡子規
湯浴みして柚味噌の匂ふ旅の宿/野田武
湯浴み後の眼鏡がくもる桜草/鈴木鷹夫
湯浴みする猿どちと逢ふ雪解谷/太田嗟
妻湯浴む闇の刈田のあをあをと/中拓夫
俳句例:21句目～
湯浴する嬰児のこぶし室の花/渡辺白峰
流氷期湯浴児くるむ白タオル/大平照子
復活祭妻が湯浴みの音も更く/村沢夏風
湯浴みして顔あたらしき春夕べ/森澄雄
除夜の妻白鳥のごと湯浴みをり/森澄雄
初湯浴ぶ熱きは痒きことと知る/高澤良一
初湯浴ぶ爪清らかに透けてをり/北林令子
初花や拳をかたく湯浴みの嬰/佐々木雅翔
夏痩せて拝み太郎の湯浴みなり/高澤良一
妻いつも湯浴しんがり蟲時雨/高田風人子
妻癒えて湯浴みしてをり月涼し/藤原宇城
娵星に見られながらの湯あみ哉/正岡子規
母子の湯浴み春の銀河に音ひびく/大串章
沈丁の闇へ湯浴みの音洩るる/横山美代子
初湯浴ぶ天の岩湯のここちかな/長谷川櫂
湯浴みして望の月まつ赤子かな/長谷川櫂
湯浴み後の下駄冷たしや夕河鹿/手島靖一
湯浴み後の眼鏡をかけず春の月/池田秀水
湯浴み来し身を花冷えの窓に倚す/上村占
花に会ひいのちの厚む湯浴せり/村越化石
俳句例:41句目～
蟋蟀やかつて湯浴みは暗かりし/小西和子
退院の夫の湯浴める柚子湯かな/角/裕子
降誕祭少女の湯浴ひそと長し/石田あき子
初湯浴ぶからすの行水始めなり/高澤良一
露けしや馬の湯浴みに刻かけて/西村和子
大でまりの含む神の燈旅の湯浴/加藤知世子
夕焼の女松湯浴みのごとくあり/工藤ミネ子
合歓咲くや湯浴の赤子掌をひらき/羽部洞然
耳打ちをしては寄りくる湯浴柚子/堀口星眠
草津うそ寒とんだ熱さの掛湯浴ぶ/高澤良一
萩暮れぬ湯浴み疲れにい溶けゐぬ/石塚友二
にぎやかに湯浴む白鳥睡るときを/野澤節子
輪くぐりの用意に急ぐ湯浴みかな/内田百間
追焚きのぬるき湯浴みや霜のこゑ/太田蓁樹
天上の湯浴みをここに柚子湯かな/渡辺恭子
湯殿嶺の湯浴みの神を詣でけり/阿部月山子
湯浴みたる身のしづけさに今年竹/野澤節子
雪解富士夜も影なすに湯浴みをり/野澤節子
湯浴みつゝ黄塵なほもにほふなり/相馬遷子
灯を花と散らして除夜を湯浴むなり/岡本眸
俳句例:61句目～
楽しげの柚子と湯浴みを共にせり/相生垣瓜人
柚子どもと衝突しつつ湯浴みせり/相生垣瓜人
湯浴後のおくれ毛の濡れ餅を切る/猪俣千代子
出湯浴み刻夜々おくらせて月待つも/吉野義子
今正にもみづる加仁湯の掛け湯浴ぶ/高澤良一
昼の湯浴みの皆子志満子に芒の朱/北原志満子
蝶の國に往かむと湯浴みする母や/河原枇杷男
根雪やさしひざまづきては湯浴みなす/寺田京子
我年に母吾を産みぬ初湯浴み/『定本石橋秀野句文集』
