季語/墓参(はかまいり/ぼさん)を使った俳句

「墓参」を使用した俳句についてまとめてみました。

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季語「墓参」について

【表記】墓参

【読み方】はかまいり/ぼさん

【ローマ字読み】hakamairi

子季語・関連季語・傍題・類語など

・墓詣(はかもうで:hakamode)

・展墓(てんぼ:tembo)

・掃苔(そうたい:sotai)

・墓掃除(はかそうじ:hakasoji)

・墓洗う(はかあらう:hakaarau)

季節による分類

・「は」で始まる秋の季語

・「秋の行事」を表す季語

・「初秋」に分類される季語

月ごとの分類

8月の季語

墓参を含む俳句例

鼻紙に山蟻払ふ墓参哉/泉鏡花

鬼貫の墓へ参らん志/高濱年尾

島人や重箱さげて墓参り/篠原

故郷や蕪引く頃墓参/子規句集

墓詣樒商ふ小寺かな/伊東牛歩

長子我長子伴ひ墓詣/福田蓼汀

一斉に大掃苔の寂光土/川端茅舎

先立ちし妻を叱るや墓参/森澄雄

掃苔の三人の子の皆女/高野素十

花の雨三十万の墓洗ふ/影島智子

墓参蛇見て女心かな/石島雉子郎

額づけば我が影も亦墓参/湯川雅

荒塩と酒もて洗ふ父の墓/下田稔

墓洗ふ向う滴る唐沢山/高澤良一

三浦には九十三騎や墓参り/乙州

家はみな杖に白髪の墓参り/芭蕉

家族従者十人許り墓参/子規句集

島人ら夜を楽しむ墓参り/森田峠

溝川に花篩ひけり墓詣/芝不器男

黄帷子夕日の中や墓詣/滝井孝作

俳句例:21句目~

掃苔や十三代は盲なる/安積素顔

誰来しか雪の足跡墓詣/木村光子

花筒に水満つる音墓参/県越二郎

鶯のちかづく母の墓洗ふ/松村蒼石

墓参り父の寄進の石階を/亀井糸游

美しき会釈雨上りの展墓/辻田克巳

高澤家長男にして墓洗ふ/高澤良一

新しき靴は疲れて墓詣/青葉三角草

墓洗ふ生涯母の声知らず/野瀬久嘉

馬遠し藻で陰洗う幼な妻/金子兜太

颱風の打つ面伏せて墓洗ふ/及川貞

一身を遊ばせながら墓参り/斎藤玄

大旱の掃苔水を惜むなく/亀井糸游

墓参我拝むゆゑ子も拝む/和田敏子

追憶の一齣苦し墓洗ふ/服部喜久子

墓洗ふ島の乏しき水使ひ/前田白露

先哲の墓に詣るや夏帽子/前田普羅

墓参先人に慚づる事多し/桜井芳水

仕合せはこの世の話墓参/星野立子

秋風裡墓洗ふごと牛磨く/宮坂静生

俳句例:41句目~

墓洗ふ女はなやぐ西日中/杉山岳陽

美しき人の来てゐる展墓かな/篠原

墓参道草食うて帰りけり/寺田寅彦

墓の雪払ひて彼岸詣かな/鈴木康永

花とつて臘白の頬や墓詣/飯田蛇笏

瓜畑を展墓の人や湖は秋/飯田蛇笏

思はざる雪の三日の墓詣/伊達大門

墓洗ふ露の鶏頭応へをり/小林康治

墓にかけ余りし水で顔洗う/上月章

小説の末の末なる墓参り/京極杞陽

島人の手に~鎌や墓参/井上兎径子

掃苔の埃あげたる箒かな/西島麦南

どこの蚊が最も痛き墓詣/高浜虚子

その道の人か利休の墓洗ふ/森田峠

幼弟妹行方不明の墓参り/京極杞陽

詣でたる新墓の前雪光る/飯田蛇笏

身延線掃苔の火が山に見ゆ/上村占

父の貌知らず掃苔四十年/森田薊村

思出の土橋今なく墓参道/松尾緑富

生身より熱き肌の墓洗ふ/鷹羽狩行

俳句例:61句目~

旅鞄駅に預けて墓参かな/阿部一甫

月さして帰るもありぬ墓参/乙/二

弟はジヤバより皈り墓詣/萩原麦草

女ばかり参る墓あり秋彼岸/坂井建

椋鳥を仰ぎ墓参の二家族/藤田湘子

椎の露の朝の気清し墓参/西山泊雲

水溜めて虚子てふ文字墓参/小澤實

掃苔や遠き先祖は別の寺/高木峡川

掃苔や近道をして母来る/野村泊月

掃苔や近道とりて母来る/野村泊月

浦安や子供が洗ふ夜の墓/細川加賀

父母ら行方不明の墓参り/京極杞陽

香煙の蚊をも払ひぬ墓詣/皆吉爽雨

掃苔や相かへり見て兄弟/高濱年尾

蟹穴を佛の通る詣り墓/八牧美喜子

畦豆の花咲く時の墓参り/細見綾子

掃苔や明治移民の無縁墓/貝原秋峯

法名の無き青邨の墓洗ふ/小島左京

空ふかく草の青汁墓参父子/上村占

立志伝なき一族の墓参り/吉田健一

俳句例:81句目~

青空に消ゆる頭痛や墓参/野村喜舟

掃苔やお天道さまと山嫗/宮坂静生

墓洗ふ肩に囁く彼岸西風/巌谷小波

薩もなき径一すじに墓参/岡本松浜

掃苔の桶も帚も沙羅の雨/木田一杉

衣鉢継ぐ心ひそかに墓参/添田紫水

見し人も孫子になりて墓参り/去来

人々の昼餉どきなり墓詣/波多野爽波

墓参りひと雨過ぎし草匂ふ/山田弘子

墓参り指さき熱き石の文字/大谷美入

元禄の人の墓にも詣りけり/松藤夏山

冬海の荒れをうしろに墓詣/河野南畦

墓洗ふ夫と通ひし道を来て/石川栄枝

松の塵をりをり落つれ墓詣/芝不器男

芽山椒の舌刺す一茶の墓詣/野澤節子

夾竹桃花無き墓を洗ふなり/石田波郷

身に匂ふ古葉朽葉や墓参り/増田龍雨

墓参途中線路を渡りけり/佐々木六戈

遠雷や墓参のための海渡る/対馬康子

掃苔の並べ貸すなる痩帚/後藤比奈夫