一指に関連した俳句の例をまとめました。
一指を含む俳句例
初凪に岬燈台白一指/誓子
船遊一指で測る透明度/的場秀恭
一指づつ拭ふ白桃食べし指/長田等
一指弾松の花粉を満月へ/西東三鬼
鷺草に一指の影のゆれやすし/原裕
春の日やみ仏の足一指反る/沢木欣一
末子の一指繃帯緩く昼寝せる/北野民夫
漉紙の悪しきは一指以て消す/山口誓子
熱砂さめ寮の全灯一指で点く/友岡子郷
雪の日の浴身一指一趾愛し/橋本多佳子
一指もて鳴らすピアノや十七夜/丹羽啓子
一指一指悴かみ十指らちもなし/岡田日郎
一指二指数へて五指の露けしや/新明紫明
乾の手の一指を立てて甘茶仏/野見山朱鳥
如意輪の一指の天を鳥帰る/野見山ひふみ
弾初のグノー一指をためらはず/永井尤人
汝が潔き一指に一顆のパール燦/楠本憲吉
白菜の山一指もて糶られけり/池田風比古
みほとけの一指を借りて蜘蛛の糸/木内彰志
一指失せしはいつの月明月光仏/加倉井秋を
俳句例:21句目～
女生徒を叱る一指も触れずして/和田銀襖子
山の雪一指を埋めてあたたかし/長谷川秋子
獄塀や秋天一指の手がかりなく/平井さち子
粉噴く青柿俗の一指も触れ得ぬ人/香西照雄
虫昏れる一指はいつもこめかみに/河合凱夫
蝶の晝阿修羅の一指も匂ふらむ/河原枇杷男
