雨季に関連した俳句の例をまとめました。
雨季を含む俳句例
雨季来る南の寺に水けむり/中田美子
一燈に豚と寝につく雨季の宿/佐藤念腹
破れ傘詠みて即ち雨季を詠む/後藤夜半
身近かなる男の匂ひ雨季きたる/桂信子
長い雨季青年だれも孤島もつ/酒井弘司
雨季さなか四万六千日帰依す/石山佇牛
雨季の遺跡に太平洋が浮かぶ/藍原弘和
雨季来りなむ斧一振りの再会/加藤郁乎
バ口ン西の飛越の写真雨季に入る/今井聖
肩紐をほどけば白い雨季が来る/大西泰世
鍬の柄に尺蠖が立ち雨季に入る/木村仔羊
雨季泥濘砲車の車輪肩で繰る/長谷川素逝
テーブルの上の荒野へ百語の雨季/寺山修司
戦場は沼のごとくに雨季に入る/長谷川素逝
疫病は雨季の汚物とともに来ぬ/長谷川素逝
罪深き肉あぶるなりいまは雨季/岸本マチ子
雨季に入る海女に飼はれて鴉の子/中島斌雄
雨季のあと家畜をたふす酷熱来/長谷川素逝
雨季も乾きくり出すFAX緊急事/伊丹公子
雨季長し乾かぬものの中の赤子/八幡城太郎
俳句例:21句目～
コップにパセリ身辺雨季に入りにけり/岡本眸
禍つ雨季来ぬ間に蟇よ食ひ太れ/竹中九十九樹
脚気患者雨季のいくさを敢てゆく/長谷川素逝
雨季にして菊の遮光布をあげおろす/木村蕪城
雨季をはる垂木に鎌をさせしまま/加倉井秋を
雨季泥濘埋もる敵屍を車輪にかけ/長谷川素逝
雨季泥濘戦禍に追はれゆくものに/長谷川素逝
孤児院のどこぞで鳩なく日本の雨季/平井さち子
たばこ欲りあまきもの欲り雨季ながし/長谷川素逝
雨季の皿はガラスがいいわ切れそうでも/伊丹公子
