傀儡子に関連した俳句の例をまとめました。
傀儡子を含む俳句例
立春や傀儡人形愁嘆場/辻桃子
傀儡師串本節の町をゆく/森田峠
節に成る古き訛や傀儡師/炭太祇
傀儡師阿波の鳴門を小歌かな/其角
初泣は木偶の巡礼歌の段/尾形柿園
白露や傀儡女の名は初声と/辻桃子
櫛匣を膝に傀儡の髪手入/伊藤紀秋
女多き聚楽御所や傀儡師/中川四明
勝鬨橋開いて船の傀儡師/鈴木有紗
傀儡師波の淡路の訛かな/永田青嵐
傀儡師ぽつくり寺の多き村/杉本寛
傀儡師仏出さうか鬼出そか/平川翠扇
木偶の抜く段平涼し文弥節/高澤良一
木偶にいま魂入りて初芝居/品川鈴子
木の葉髪生涯木偶の足使ふ/稲荷島人
この村の旧家に泊る傀儡師/井上綾子
鶏頭を抜けば傀儡の重さあり/大串章
絢爛と傀儡の凍てる楽屋裏/石原八束
鳥追を追ふ子戻りぬ傀儡師/安井小洒
雨がふる浄瑠璃坂の傀儡師/夏目漱石
俳句例:21句目～
傀儡師日暮れて帰る羅生門/藤野古白
手鏡に歩き出したる傀儡師/宮崎重作
御忌詣傀儡の笛に耳ふさぎ/星野石雀
名所の松めで居れば傀儡師/石井露月
傀儡師片手使ひの十二分/村中/美代
初刷に出たりな古き傀儡師/尾崎紅葉
傀儡の歎き伏したる畳かな/橋本鶏二
傀儡の頭がくりと一休み/阿波野青畝
市の塵傀儡の髪にかゝりけり/西島麦南
紐重く肩にかけたり傀儡師/室積波那女
良夜とて傀儡師の妻呵と笑ふ/小原洋一
人形まだ生きて動かず傀儡師/高浜虚子
傀儡のこときれたるは糸放す/長谷川双
傀儡の厨子王安寿ものがたり/後藤夜半
傀儡の宙を駆けゆく恋路かな/橋本鶏二
妻隠にあづまをくだる傀儡師/西島麦南
傀儡をつかへる影も夕かげり/後藤夜半
傀儡姫凍てて吊らるる楽屋裏/石原八束
さすらひの老が夫婦や傀儡師/吉田冬葉
傀儡師に冬の芒の打ちなびき/石田由美枝
俳句例:41句目～
あやまりて鬼を出しけり傀儡師/福田井村
傀儡の首の折れたる後向き/三浦/まさゑ
傀儡師鬼も出さずに去ににけり/村上鬼城
傀儡の日出度日出度と舌を出す/橋本鶏二
傀儡の上げたる鈴の鳴りにけり/中森皎月
傀儡のくづれて眠る大暑かな/佐藤美恵子
阿波路晴れ傀儡一笛添へにけり/宇野犂子
たてかけし傀儡の姫も影をもつ/丹羽登代
しもた屋をすぐに出て来し傀儡師/森田峠
傀儡にも母ありて年惜しみけり/有馬朗人
傀儡にも座設けしたり近松忌/水原秋桜子
亀鳴くや阿波に巳之助傀儡小屋/古舘曹人
母と見し傀儡の欷歔の声いまも/橋本鶏二
傀儡われ箱に納まるごとく臥す/渡辺鳴水
かつ～と眉毛怒れる傀儡かな/徳永山冬子
世の中は箱に入れたり傀儡師/芥川龍之介
海苔掻女夜は文弥の木偶使ふ/数馬あさじ
白山の雪が舞ひくる木偶廻し/古賀まり子
顔見世や口上木偶の咳ばらひ/水原秋櫻子
はじめより愁ひ顔なる傀儡かな/井沢正江
俳句例:61句目～
緑陰のそれは傀儡を入れし箱/正木ゆう子
いのち得て恋に死にゆく傀儡かな/眞鍋呉夫
傀儡に掻い口説かれて見てゐたり/後藤夜半
傀儡師来ねば死んだと思ひけり/夏井いつき
傀儡師の小指の無きを見てしまふ/齋藤朗笛
玉の緒のがくりと絶ゆる傀儡かな/西島麦南
まばたきて人を戀せる傀儡かな/加藤三七子
子供等に腰やゝかゞめ木偶廻し/高橋淡路女
これの世に影たまはれる傀儡かな/眞鍋呉夫
木偶始かんざし抜けるまで泣けり/山口誓子
遠くなるものに古佐渡の木偶廻し/北島翠山
あふむきて傀儡笑へば傀儡師も/成瀬正とし
泣きしづむうなじつめたき傀儡かな/西島麦南
みちのくの傀儡師といひ飛弾に逢ふ/桑田青虎
きさらぎの使はぬ部屋に傀儡かな/大木あまり
かつたりと泣く目を閉ぢし傀儡かな/名見崎新
たましひの抜けたる木偶となりにけり/角川春樹
老らくのつたなき傀儡ものがたり/五十崎古郷句集
