草臥（くたび）れるに関連した俳句の例をまとめました。
草臥（くたび）れるを含む俳句例
草臥て宿かる比や藤の花/芭蕉
麦秋の草臥声や念仏講/高井几董
さびはてゝ鮎草臥つ水の淀/如行
寝言いかに花待山の気草臥/宗也
冬籠日のくたびれる明り窓/杉風
耕した夕くたびれや簟/正岡子規
草臥てよし足引の山桜/正岡子規
行水や寺を預る気草臥/籾山柑子
草臥て平たくなりぬ茶摘歌/蓼太
草臥て烏行くなり雪ぐもり/路通
草臥て行手を望む柳哉/正岡子規
麦秋のくたびれ声や念仏講/几董
草臥や我足遲き渡り鳥/正岡子規
寝言いかに花待山の気草臥/宗也
草臥れた足でわたるや花の川/士喬
寝心も花くたびれの夜頃かな/蓼太
春の夜の旅草臥や道中画/正岡子規
草臥れて土にとまるや秋の蝶/蓼太
草臥れて宿借るころや藤の花/芭蕉
望月や盆くたびれで人は寝る/路通
俳句例:21句目～
草臥る青麦道や病ミ上り/正岡子規
あさがほや草臥直る夜は持ず/千代尼
けふに成て草臥おかし菊作り/千代尼
くたびれた音や山田の落水/正岡子規
あさがほや草臥直る夜は持ず/千代尼
くたびれし僧の鼾や蟲の聲/正岡子規
草臥はせぬか彼岸の鉦叩き/正岡子規
けふに成て草臥おかし菊作り/千代尼
くたびれて宿かるころや藤の花/芭蕉
沙濱に足くたびれる月見哉/正岡子規
緑蔭に読みくたびれし指栞/辻田克巳
草臥や西施のひそむ桜茶屋/尾崎紅葉
草臥れし行手に遠し雲の峰/石井露月
釣堀の水くたびれて人多し/岩下吟千
風吹きくたびれて居る青草/尾崎放哉
くたびれて柳も眠る日和哉/正岡子規
さりなから花の堤も草臥るゝ/尾崎紅葉
湯あみせし旅草臥や蚊帳の中/正岡子規
秋の日や草臥れ足の一葉ふむ/飯田蛇笏
草臥て寐し間に春は暮にけり/高井几董
俳句例:41句目～
草臥の根ぬけや沖の昼すずみ/内藤丈草
草臥はどふも涼しい月よなふ/広瀬惟然
五月雨やくたびれ顔の鹿の妻/正岡子規
草臥れて三井に帰るかほととぎす/千那
天命を待ちくたびれて枯紫苑/塚本邦雄
長閑さに気の草臥る眼鏡かな/井上井月
春の野や旅人何にくたびれる/正岡子規
くたびれて坐す江東の氷菓賣/黒田杏子
くたびれて唾の甘さよ姫女苑/小川軽舟
残暑の候男素直にくたびれる/牧岡亘子
行く秋や草臥れのつく鹿の恋/水田正秀
草臥れて地にとりつくや木瓜の花/残香
蜻蛉の飛びくたびれて釣の糸/羅蘇山人
くたびれて歸る野道や螽踏む/正岡子規
鳳凰もくたびれてをる干蒲団/櫂未知子
草臥れて芝に眠たしかんこどり/水田正秀
草臥れてねにかへる花のあるじかな/蕪村
くたびれて素足の指の遠きかな/森賀まり
くたびれて野分のあとの草木哉/正岡子規
くたびれもせぬか番雁首立てゝ/正岡子規
俳句例:61句目～
永き日やくたびれもせぬ波の音/正岡子規
くたびれて外套凡医われに似る/新明紫明
父の靴くたびれており燕の子/三浦ミヨ子
粟の穗のくたびれもせぬ野分哉/正岡子規
くたびれを養ひかぬる署さかな/正岡子規
まつすぐに道くたびれる芒かな/野村喜舟
落蝉とくたびれし時間転がれり/柴田奈美
藁塚の二つくたびれ合うてゐる/藤田湘子
バスを待ちくたびれてをり花通草/飴山實
行く春や足くたびれし奈良廻り/正岡子規
くたびれし足なげ出して船料理/星野立子
蟾蜍老いぬ肩肘張つて草臥れて/田仲了司
薔薇を見る眼の草臥や病ミ上り/正岡子規
麦刈にくたびれてゐて月が出し/細見綾子
草臥れて瓦礫に座せばベニヒカゲ/高澤良一
治聾酒の酔にいささかくたびれし/八田木枯
初ざくら自愛ほとほとくたびれる/池田澄子
神輿舁く掛声くたびれてはならず/高澤良一
夕月やしっかりするとくたびれる/池田澄子
草臥れて背にね入る子や放生会/久保ゐの吉
俳句例:81句目～
くたびれや心太くふて茶屋に寝る/正岡子規
松島に目のくたびれしすゝみかな/正岡子規
くたびれしものに二日の身を通す/小原禎子
幽霊草くたびれ易きこころの灯/佐怒賀正美
蛇を去る旅のくたびれ手にもある/森川暁水
くたびれし静かな面テ夏の山/阿部みどり女
七十年雪嶺あふぎてくたびれたり/齊藤美規
谷向う百合見えてくたびれにけり/佐野良太
草臥の出るやさくらのちる日より/井上井月
柿を喰ふくたびれ顔の一人かな/石島雉子郎
不二こえたくたびれ顔や隅田の雁/正岡子規
草臥れて宿かるころや頃や藤の花/松尾芭蕉
腰浮かし試筆くたびれ易きかな/阿波野青畝
売子老人くたびれたらむ愛の羽根/百合山羽公
馬酔木咲く野にくたびれて煙草かな/幸田露伴
もやしの手で露を食べてくたびれて/八木三日女
くたびれて来てたゝみたる春日傘/久保田万太郎
枝おろしてうらゝかに心くたびれぬ/冬の土宮林菫哉
薔薇の果はみのりてをれど聖ヨハネの祝日ちかく草臥れてをり/斎藤正二
