他人を使用した俳句

他人に関連した俳句の例をまとめました。

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他人を含む俳句例

身内より他人の優し滑り/本橋美和

他人の山己が山々杉の花/大野由宇

形代を赤の他人と重ね置く/檜紀代

娘とは嫁して他人よ更衣/星野立子

己が顔ふと他人めく初鏡/西尾照子

お講凪他人の墓に腰おろし/山本馬句

天寿とは他人の言や梅寒し/岸風三樓

水洟や禁煙断酒他人ごとに/石塚友二

末枯や心事他人に言ふを得ず/風三楼

他人の如く運動会の妻踊る/富田直治

春の夢他人が始終側にゐて/赤尾恵以

鈴虫や他人のため置く酒一壷/岡本眸

鉦叩他人の運命定めをれば/川村紫陽

霾や他人ばかりの街の中/筒井みえ子

草虱つけて他人の死は易き/行方克巳

縄綯ひの足他人めく俄か雪/大熊輝一

風邪患者金を拂へば即他人/相馬遷子

獄の面会双蝶別れて他人顔/香西照雄

遠雷や不意に他人の死が恋し/大西泰世

連翹やこけし飾らむ他人の家/小林康治

俳句例:21句目~

単帯鳴かせ他人でなくなりぬ/加藤郁乎

子の電話他人めく日や冬北斗/加藤節子

屠蘇散や夫は他人なので好き/池田澄子

触れあつて他人でゐたい鯉幟/醍醐味風

蟻上る階段上は他人の室/長谷川かな女

蝙蝠傘干さずに返し他人の妻/塚本邦雄

大綿や専務室はや他人の住/田川飛旅子

寒の菊乾きて咲けり妻も他人/草間時彦

想像で外す他人のサングラス/長山あや

悪食と他人はいうなり翡翠愛し/森栄子

他人の家を通り抜けして秋の耕/中拓夫

冬帽や他人のごとき夫の眉/佐藤まさ子

湯ざめして鏡に他人めき映る/大熊輝一

着始めは他人のやうに甚平着/高澤良一

避暑名残他人の空似通りけり/行方克己

他人の句に舌巻くなかれ毒菌/橋本夢道

歳晩の疲れをほぐす他人の手/高澤晶子

除夜の妻他人のごとく振舞へり/石寒太

木の芽時昔は他人いまは妻/佐々木昇一

河豚食べて他人ばかりの終電車/牧辰夫

俳句例:41句目~

他人の子をいだけば重し鰯雲/磯貝碧蹄館

他人の子を妻抱いてゐる昼寝覚/大島雄作

他人の死へ衣縫う春の根株見え/寺田京子

他人の母の八重歯や木槿も若々し/草田男

他人の留守われの不在や昼蝙蝠/齋藤愼爾

他人の血貰ひて吾が目赤き梅雨/大高弘達

他人の靴切に磨けり一茶の忌/佐野まもる

冬木の芽他人の話聞くばかり/山王堂正峰

卯の花や妻を最後の他人とす/田川飛旅子

声出さば他人の声なり雪の原/小泉八重子

夏の雲他人のたんすを運んでる/小倉喜郎

夏灯し他人のこどもつやつやす/瀬間陽子

夜雨聴きて他人に雲雀の咄する/下村槐太

子育ての娘は他人めく水中花/北見さとる

身の内を他人の血巡る寒さかな/玉田年春

寒林の明るさそれは他人の食卓/木村和彦

桃咲くやすぐに忘れる他人の死/寺田京子

渋柿やあかの他人であるからは/夏目漱石

牡丹見る他人の背中の大いなる/行方克巳

田植上りの泥足は他人のものか/松村蒼石

俳句例:61句目~

福笹に他人の笹を触れさせず/竹中碧水史

胡瓜食む水の他人となりながら/攝津幸彦

胼の手にさやる他人の白無垢ぞ/久米正雄

草のように若く隠れる二階の他人/上月章

華やかに灯し他人の春着縫ふ/三田美智子

血止草他人ばかりと連れだって/中根唯生

西日の木他人が死期をさきに知る/鈴木明

さくら散る他人に家中磨かれて/寺田京子

すぐ他人なり炎天に別れしひと/三好潤子

ひらひらと波と他人と動けば歌/阿部完市

閑古鳥故郷に満てる他人の顔/山田みづえ

榾明りみな他人といふ寧らぎも/北川英子

階段の他人が武器の音たてる/林田紀音夫

他人から見れば他人の厚着かな/池田澄子

他人ごとを空に放つて枇杷の花/天野素子

ベラの海大きな他人と並ぶかな/宇多喜代子

一瞬におくれて駅は他人のもの/笛木あき子

他人と並び揺れ地下鉄も川わたる/伊丹公子

コスモスを咲かせ他人に譲る土地/原田花穂

別るれば二世も他人や青葉木菟/鈴木真砂女

俳句例:81句目~

浴衣きせ夫を他人のごとく見る/副島いみ子

隣りへくる明るい他人水輪呼び/林田紀音夫

留守居妻他人の咳に夜をたのむ/竹下しづの女

ポケットがすきで他人の手もしまう/鈴木照子

他人の家の枯菊焚いてみたきかな/上野さち子

窓に他人の屋根また迫る朝の紅茶/林田紀音夫

サングラス掛けて他人になりきれず/除田兎城

他人の家に円座も古りてしまひけり/小林康治

他人の子に触れひといろの春土なり/寺田京子

他人の体温伝えくるバス冥府行き/上野ちづこ

他人に見られるなわが誕生日の虹よ/津田清子

むらさきの他人ふたりがみてとおる/阿部完市

黒い富士と他人と少し地震もあり/八木原祐計

触れて遠い他人視野には傷み満ち/林田紀音夫

つちふるやおのれのほかはみな他人/田中裕明

きのふ他人今日は小春の夫と妻/長谷川かな女

他人に帰せし薄き血縁着ぶくれ街/平井さち子

死に水を他人に飲まれてしまいけり/山崎十生

他人にやる子を眺めをり走り梅雨/猿橋統流子

他人の机に他人の手紙もくれん咲く/寺田京子