四肢を使用した俳句

四肢に関連した俳句の例をまとめました。

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四肢を含む俳句例

まだ水の四肢に重たく海開/豊田淳応

鉄塔の四肢ふんばつて青田中/久田岩

冬の鳶見つつひそまり犬の四肢/原裕

風薫る四肢の先まで乳児の意志/林翔

四肢五体ありて虚心の大旦/香川国夫

脳軟化して暖かき四肢五体/北野民夫

大撓ふ竿灯支ふ四肢しかと/北村香朗

水馬絹より細き四肢持てる/保坂リエ

競漕やはがねの四肢が屈伸す/伊東肇

春眠や金の柩に四肢氷らせ/三橋鷹女

不惜身命天へ高々四肢冴ゆる/渡辺恭子

郡上踊一巡の四肢やはらかし/池田秀水

身をよぢり浮び四肢のべ山椒/福田蓼汀

嬰の四肢の弾みて勁し天瓜粉/伊東宏晃

伸ばしたる四肢の彼方や風光る/小林響

薫風を深く胎児が四肢のばす/吉原文音

初不動滝へ下れば四肢緊まる/田中水桜

子の作る四肢定まらず茄子の馬/林民子

落蝉の四肢まだ動く動かせよ/三輪閑蛙

台風や四肢いきいきと雨合羽/草間時彦

俳句例:21句目~

花茣蓙に四肢泳がせて遠き海/岡本富子

啓蟄の四肢わすれきし蛙の子/松村蒼石

腮鼠の四肢やわらかし渇水期/寺井谷子

海灼くる四肢もて余す少年に/清水衣子

永き日や放牛四肢を集めもし/香西照雄

寛げと豹の毛皮の四肢を張る/山口誓子

鶏頭に四肢ふんでみてよろめきぬ/橋石

四肢張つて風にあそべる水馬/河野南畦

鵙の贄四肢を広げて宙に居り/田中黎子

竿灯や四肢逞しき若者ら/佐々木ちてき

馬立ちて枯野の人を四肢の内/原子公平

四肢揃へ老馬首垂れ落花浴び/福田蓼汀

病褥に四肢を横たへ離職せり/日野草城

四肢透けて長男次男泳ぎ伴れ/山本歩禅

梅雨夕焼少年の四肢細く白く/福田蓼汀

小満や草の匂ひに四肢伸ばし/矢野絹子

ものごとに四肢聡くなる白絣/根岸善雄

竜淵に潜む秘湯に四肢伸ばし/高澤良一

埋葬や恋猫の四肢やわらかく/岡村知昭

颱風や四肢いきいきと雨合羽/草間時彦

俳句例:41句目~

春寒や墨を練る四肢汚れづめ/伊東宏晃

ががんぼの左右相称四肢と二肢/川崎展宏

仔馬らの四肢太くなり赤のまま/椙山昭三

初富士に牝馬は四肢を揃へけり/倉田素香

四肢ゆらと亀が浮きくる春落葉/松本幹雄

四肢よりも胴の動きて蜥蜴去る/中村襄介

四肢を投げ首投げ仔馬草に臥し/依田秋葭

四肢折つて人を眼で追ふ袋角/岩坂満寿枝

四肢欠けし神将露の世におはす/宮坂静生

四肢通すときに水着の開花せり/櫂未知子

四肢醒めて春雷鮮たなる夜へ/河野多希女

夏蜜柑よく吸ひし子の四肢匂ふ/渡邊水巴

急く仔犬四肢もにぎやか七五三/香西照雄

愛されぬ四肢はぶらぶら年の暮/櫂未知子

掘り出して蓮根の四肢散乱す/能村登四郎

春昼の盥に満ちて嬰児の四肢/山崎ひさを

春暁の水飲んで四肢覚ましけり/山谷綾子

昼の湯に四肢伸ばすこと彼岸前/下村槐太

月見草牛は四肢より暮れそめて/藤田湘子

朝霧や牛馬は四肢の上に醒む/中村草田男

俳句例:61句目~

泳ぐ子の四肢ひらひらと甘えけり/小島健

湯ぼてりの四肢より眠る冬の宿/尾花/園

炎昼や猫も自愛の四肢伸ばす/北原志満子

牛のゐる四肢の下ぬれ土用凪/能村登四郎

秋の夜の延べて四肢ある熊の皮/廣瀬直人

秋澄むや縞馬の縞四肢に分かれ/野口桐花

耕牛の四肢のうちなる没日かな/那須乙郎

菖蒲湯に四肢をいたはる呟きよ/河野南畦

踏切に向ひ四肢張る茄子の馬/原田走日朗

霹靂と墨書して四肢おとろふる/塚本邦雄

麦熟れて子よ少年の四肢もてる/大石悦子

白桃を啜ふや海女の四肢ゆるび/高橋伸張子

耕牛の四肢おのづから水まつはる/右城暮石

道産馬の四肢張つて佇つ涅槃西風/上原律子

四肢投げて微動だもなき日焼かな/山県幸枝

天の川ねむりの四肢の獅子となり/加藤郁乎

豊年や走れば負ひ子四肢をどる/橋本多佳子

臥生活の四肢たひらかに年暮るる/日野草城

少女の四肢ほそくかしこく冷房に/藤木清子

寒明くとみがく床板四肢ついて/平井さち子

俳句例:81句目~

穂芒に馬の四肢立ちけがれなし/赤松ケイ子

初日四肢になんと坑夫の若いこと/河村正昭

若き四肢ふんだんに使ひヨット出す/桂信子

若葉して山の四肢みな盛りあがる/高井北杜

遠泳に耐へたる四肢を眺めけり/五十嵐播水

復活祭四肢しなやかに立つ栗毛/片山由美子

晝の虫リリと啼き澄み四肢あつく/藤木清子

鳴く亀も鳴かぬも必死四肢を掻く/田中水桜

神は愛でわたしは四肢ずたずたに馬/江里昭彦

土降れり河口に四肢を挿してあれば/夏石番矢

四肢震ふまでに昼寝を欲りつつも/波多野爽波

四肢投げて足裏で涼むめをと獅子/平井さち子

噴水の辺や真乙女の四肢かがやく/つじ加代子

八角街や地を這ひすすむ汗の四肢/つじ加代子

負け凧を手操るわが子よ四肢張つて/大石悦子

子の四肢のゆたか大暑のカレー食ふ/河野南畦

樹にのぼる少年の四肢夕焼くる/阿部みどり女

猫の子の四肢ばらばらの眠りかな/片山由美子

ベンチより四肢はみだして昼寝人/菊地美恵子

獅子舞の獅子は四肢から酔ひはじむ/山田空石