俳句例:101句目～
縄飛びを跳んで二つの山笑ふ/佐川広治
山笑ふ土偶のやうに妊婦われ/仙田洋子
かるがると死後の約束山笑ふ/竹之内清江
みちのくの山笑ひをり昼の酒/青柳志解樹
マラソンの一団くづれ山笑ふ/渡邊千枝子
人乗せて馬の機嫌や山笑ふ/長谷川かな女
山笑う消しゴムでその山を消す/清水冬視
朝日にも夕日にも山笑ひけり/岩淵喜代子
山笑ふ傷いつぱいのランドセル/多田淑子
山笑ふ灰となられてしまひけり/仙田洋子
山笑ふ木には戻れぬこけしかな/小林松風
山笑ふ画室に白湯をいただきて/黒田杏子
山笑ふ聴けばきこゆる雨の音/千代田葛彦
山笑ふうしろに富士の聳えつつ/島谷征良
山見えぬ部屋に通され山笑ふ/田川飛旅子
仔を連れし馬に羊に山笑める/吉良比呂武
山笑ひ大きな月をあげにけり/内藤双柿庵
長き汽車ひと呑みにして山笑ふ/小野喬樹
昼すぎて山の笑ふは憂かりけり/栗林千津
山笑ふ村のどこかで子が生れ/尾形不二子
俳句例:121句目～
山笑ふおほらかに乳あふれしめ/辻美奈子
おほびらのまぐはひ岐神山わらふ/上村占
青啄木鳥のこゑ透り山笑ひけり/堀口星眠
ワープロは新仮名づかひ山笑ふ/佐藤星雲子
山笑ふ初めて穿きしスニーカー/八幡より子
山笑ふ中に富士見て下りけり/長谷川零餘子
山笑ひ海ほほえんでゐる日かな/嶋田摩耶子
目の入りしこけしに山の笑ひけり/橋本榮治
山笑ふどこに置いてもきしむ椅子/鈴木さち子
騾に騎して行くやチヤハルの山笑ふ/遠藤梧逸
