十字/十字架を使用した俳句

十字/十字架に関連した俳句の例をまとめました。

スポンサーリンク

十字/十字架を含む俳句例

聖十字白ぬく柩麦嵐/村越化石

夕鶴の全長全幅黒十字/吉野義子

十字架の聖堂の島酔芙蓉/岡秀雄

十字架の湾頭に舞ふ春の塵/原裕

天風に十字小さき冬燕/羽部洞然

花筏十字に卍そして渦/大関靖博

満作の鉤十字靡かせて/高澤良一

十字架にまず風光る港町/源鬼彦

天の原南十字の傾ける/山本歩禅

蔵街の風は十字に松の花/植田桂子

芽柳や配流の道の畦十字/河合凱夫

一機いま南十字の一つ消す/森田峠

花の上北十字星十字切る/山口誓子

十字架は雲より上に聖五月/岬雪夫

聖十字あとかたもなし額炎暑/原裕

ザボン売十字虜囚の影を曳き/原裕

純愛や十字十字の冬木立/対馬康子

灰十字額に受けて二月尽/笠原達山

木犀の銀の十字や誕生日/巌谷小波

新干瓢畑十字に歩きけり/古舘曹人

俳句例:21句目~

揚雲雀拓地新道十字なす/成田千空

雪線の十字架かなし秋の雲/有働亨

十字紋なり天草の雛道具/品川鈴子

鵙の贄罪贖ふに似て十字/下村梅子

飛の波寄すを待つ十字墓/下木和子

玄関に架けし十字架や冬館/辻桃子

十字架高し唐黍にほふ一村に/林翔

青田風十字架高き保育園/馬場城山

十薬の白汝が胎内の十字架/石寒太

露の畦みどり十字に村境/大熊輝一

雪仔細犬猫とても十字切る/斎藤玄

金田の十字の畦の初明り/木村蕪城

十字架に旭の光る茂り哉/寺田寅彦

岩つばめ高澄み示す黒十字/栗生純夫

島々の夜々の涼しく十字星/城谷文城

年守る錨の十字深く入れ/金箱戈止夫

土用浪胸の十字架炎々と/加藤知世子

まず外す胸の十字架蟇の夜/久保純夫

春の虹断崖に立つ聖十字/柴田白葉女

晴雪の山こそめぐれ聖十字/相馬遷子

俳句例:41句目~

枯芝の道は十字にある広場/対馬康子

正装のリボンは十字鳥帰る/対馬康子

仏壇の十字架崩し紋の黴/小原菁々子

毒だみの十字が子持観音に/松瀬青々

冬夕焼もう十字架を負ふ齢/小林康治

水薙鳥細身十字に波の皺/松崎鉄之介

十字架にわが骨格を想う冬/杉本雷造

十字架に向つて歩く烏瓜/大木あまり

十字架に春の烏や屋根の上/正岡子規

港湾の道の十字に海紅豆/冨田みのる

独立の旗持つ鉄の掌の十字/対馬康子

白鳥の青空目がけ翔つ十字/高澤良一

秋天に鐘打ち終へて十字切る/堤政子

巣箱にも白き十字架牧師館/我妻草豊

秋風に扉をひらきては十字切る/林翔

空深む絣十字に椋鳥撒いて/野沢節子

十字架の形丸形に菊そなへ/高木晴子

料峭や十字架の碑に深き罅/本間愛子

十字架の影も十字架冬の鵙/今瀬剛一

聖路加の十字の空や桐の花/我部敬子

俳句例:61句目~

葬列に黒揚羽来て十字切る/岩田洋子

露涼し寝墓に彫りし聖十字/景山筍吉

十字架の涼しく放つ光かな/正岡子規

頑なまでどくだみの白十字/石川文子

風花や縄を十字に石ひとつ/布留川貫

黄落期未踏の径が十字なす/伊藤敬子

病葉や十字架胸に清教徒/楠目橙黄子

肌惜しむ金の十字架夏柳/柴田白葉女

蔦枯れて十字架の十現れる/森田智子

十字架もぬぎて行水つかひけり/篠原

十字架や煖爐の上の水仙花/寺田寅彦

黒十字背に長城のてんと虫/加藤耕子

麦蒔くや十字架下げし島女/松藤夏山

リオの空仰ぎ涼しき十字星/高木晴子

初晴の田道の十字十字かな/藤田木綿

十字に裂く少年の咽昼の星/江里昭彦

十字星外寝の人を守りけり/永田青嵐

十字街曠野の星をかかげたる/三谷昭

十字鋲一文字鋲年つまる/中戸川朝人

十薬の天に向ひて十字切る/高澤良一

俳句例:81句目~

十薬の白き十字を以て誓ふ/福田蓼汀

十薬の花の十字や流人墓/村上喜代子

地の限り十薬十字切り進む/宮脇白夜

夏蝶のしばし息つぐ聖十字/加藤耕子

十字架の影いたりけり草の花/永島靖子

薄き日へ樹氷のかかぐ白十字/羽部洞然

島風や十字架の空くらめては/朝倉和江

幽学忌畦十字架に走りけり/西原金二郎

鶏頭も我が十字架も持て余す/川原幸子

聖夜ひとり覚む子に星は十字なせ/林翔

ホスピス論議十字架は炎天に/藤沢黒牛

不覚にも落す十字架や牛蒡引/朝倉和江

来る春の高みに十字架貯水塔/成田千空

胸の汗十字にかかる負ぶひ紐/高橋澄子

さびしさよ鵜の羽広ぐ黒十字/茂木和子

桜咲くまでの十字架植物らよ/三橋鷹女

羽摶いて鴨十字架となる夕暮/井上淑子

十字架のイエス一人や秋の堂/相馬遷子

十字架の倒れたる地に薊咲く/仙田洋子

十字架の墓に薄もなかりけり/正岡子規