豹に関連した俳句の例をまとめました。
豹を含む俳句例
緑陰に風反転し豹の息/桂信子
立ちあがり累れば秋風に豹/竹中宏
豹に佇つ女の白き夏手套/富安風生
信長忌黒豹といふ牡丹かな/岩田諒
柔かく女豹がふみて岩灼くる/風生
豹涼し肩が歩めば背がつづき/林徹
白毫か黒豹の眼か春の闇/福田甲子雄
凝然と豹の眼に枯れし蔓/富沢赤黄男
秋暑し豹の斑の日に粘り/富澤赤黄男
春雪や豹衣の女くらがりに/横山白虹
豹の檻一滴の水天になし/富澤赤黄男
葉桜の下で私は豹となる/井上けい子
豹の檻一滴の水天になし/富澤赤黄男
逃水に黒豹の見え隠れせり/石倉夏生
豹の挙措無頼と見れば椎匂ふ/矢島房利
ポスターの中の黒豹寝冷えせり/皆吉司
動かねば冬日に溶ける黒豹か/斎藤梅子
寛げと豹の毛皮の四肢を張る/山口誓子
斧あげて蟷螂の子に虎豹の気/浜中柑児
豹が好きな子霧中の白い船具/金子兜太
俳句例:21句目～
月の檻豹の聴覚ひりひりと/永田耕一郎
豹柄のマフラーを巻き豹の前/田中/恵
豹食べてみたいと春の母が言ふ/皆吉司
豹柄を着て紛れむか春の闇/長谷川ヱミ
豹紋のうねる暑さに睡る豹/平井さち子
豹紋のうらうら春の蝶となる/矢島渚男
遠足の子に黒豹のこゑ立てず/吉田汀史
檻さむく豹の斑ひとつ落ちてあり/渋谷道
毛皮被て女豹のごとく潜みけり/田中菅子
豹柄を着ておとなしく吉野にいる/澁谷道
さくら散り檻の豹よりかるい吐息/桂信子
赤子涼しきあくびを豹の皮の上/野澤節子
へう柄の豹を見てゐる寒さかな/内田美紗
屋根の上の赤い機関/豹が見た/星永文夫
黒豹の尾のゆきもどる夕ざくら/横山房子
黒豹の牝にうす日してやむ雪か/飯田蛇笏
豹つかひ夜は蚊を打ちて夫に寄る/橋詰沙尋
豹の冬帽子ひとりにしてほしき/赤松ケイ子
らいてふ忌女豹ゆつくり起上がる/小林絹子
豹紋の忘れコートがカフエテラス/増田治子
俳句例:41句目～
毛皮着て女豹のごとく擦り抜ける/渋谷光枝
豹の背のごときバナナの熟れ具合/三浦/恭
日に憤怒る黒豹くろき爪を研ぎ/富澤赤黄男
黒豹はつめたい闇となつてゐる/富澤赤黄男
豹の斑の春うつくしき寒さかな/久保田万太郎
秋かぜを蹤けゆかばわれ豹とならむ/河原枇杷男
スケートの刃を研ぐ豹の眼をひそませ/中島かずみ
森くらくからまる綱を逃れのがれひとつまぼろしの吾の黒豹/近藤芳美
