水槽に関連した俳句の例をまとめました。
水槽を含む俳句例
水槽のを照明熱帯夜/長田等
水槽にの目があり霧の街/中拓夫
水槽の窓を訪ふ鯤生身魂/竹中宏
水槽の鮃の上眼十二月/今井誠人
水槽にノート押しつけ夏休/林薫
水槽を鮫の彎曲春の昼/茂恵一郎
水槽に鯛の目玉の原爆忌/森田智子
水槽の太らぬや去年今年/中島ふき
水槽の隅に見得切る望潮/須崎京子
水槽に水溢れしめ漁穴子/高澤良一
水槽のかつお回遊晩夏光/野川直子
水槽めく並行車窓萬愚節/奈良文夫
濃度増す鹹水槽に蜂溺れ/津田清子
片影に地震の水槽城下町/西本一都
水槽のにハンカチ振る少女/脇本星浪
水槽に正月顔のマンボウも/高澤良一
啓蟄や水槽の藻が泡を生み/池田啓三
水槽に泡の生まれる沖縄忌/川節和哉
水槽の金の肥満を謗りたる/中宮章子
水槽に貝の活けある春祭/廣江八重櫻
俳句例:21句目～
旧年といふ水槽のごときもの/矢島恵
水槽にのはりつく厄日かな/佐藤博美
水槽の鮎のいづれも掛り傷/茨木和生
水槽の鮎追星の濃くつけり/茨木和生
水槽の鮫が見ており冬帽子/久保砂潮
春寒く水槽の稚かたまれり/石川文子
水槽の蓋跳ねとばす梅雨鯰/永井やゑ
水槽を平目の走る良夜かな/黒田杏子
水槽に動く砂粒日脚伸ぶ/ふけとしこ
身細りてゐし水槽の通し鮎/茨木和生
防空水槽街路樹これに映る/石塚友二
鮑はりつく水槽の寒さかな/杉田たか
水槽の烏賊の透明冬はじめ/有山八洲彦
水槽の隅に大ハタでろりんと/高澤良一
マンボウに水槽狭き日永かな/渡辺玄舟
喪の家の水槽に桃ひとつ浮く/辻田克巳
水槽に寒天浮いて夕さりぬ/芥川龍之介
水槽にはりつく海胆や春闌くる/辻桃子
水槽のをとらへて西日折れ/長谷川秋子
水槽に梅さし日脚のびにけり/岸風三楼
俳句例:41句目～
水槽に貝貼り付きて寒に入る/田口一穂
水槽のえび宙を掻く虹生れむ/吉田紫乃
水槽のをこぜが恋ふる土用波/和田祥子
水槽のホタテでんぐり返る夏/高澤良一
水槽の底なる鰈さくら冷え/小川きよ子
鰭酒やひかれる河豚を水槽に/森山夕樹
水槽の河豚が供養を見てをりぬ/住田祐嗣
水槽のえいは沈みて動かざる/大野雑草子
水槽に寄れば寄り来る目高の目/内田定子
水槽にどぜうばかりや冬ごもり/蓮見勝朗
帰るラガーえい水槽のなかに死ぬ/赤尾兜子
水槽の烏賊のスイッチバックかな/斎藤一也
水槽のうすくらがりに乳児透く/林田紀音夫
水槽のえいを仰ぎて飽くことなし/大屋達治
水槽に落ちし百足虫の立ち泳ぐ/植松千英子
水槽のマリモと年を惜しみけり/庄司四四男
水槽にかさなるいもり暮れかぬる/宮坂静生
水槽にゐる干物屋の栄螺かな/佐々木真砂夫
水槽の無音をえいの横断す/奥坂まや「縄文」
