看板に関連した俳句の例をまとめました。
看板を含む俳句例
牛肉の看板赤き柳哉/寺田寅彦
朝寒や看板残る氷店/正岡子規
木枯や千金丹の看板に/田中冬二
南薫と看板黒し柿若葉/長谷川櫂
燕や酢の看板を抜けて行く/也有
素麺の看板ちかし削りかけ/素丸
仁丹の看板健在植田中/高澤良一
看板は鰯のように酔う娘/仁平勝
瓢箪の看板は何梅の花/正岡子規
商ひの看板古りて年の市/曽田ハツ
城壁に看板立てて苗木市/平澤弘美
看板に山鳥つるや焼鳥屋/中山稲青
すげなきは酢の看板と冬の月/支考
妻という一枚看板冬木立/石川桂子
京振りの掛看板に飾かな/大谷句仏
仁丹の看板のこる野の錦/高澤良一
看板は住職の筆走りそば/藤本青舟
占ひの看板へくそ葛かな/吉村玲子
右書きの看板はずす花曇/伊勢芳子
名画座の看板古き朧月/市ヶ谷祥子
俳句例:21句目~
看板の傾きてゐる雀の子/佐々木六戈
ぎつしりと金看板や寒の雨/川端茅舎
看板の未来図褪せぬ草いきれ/榮猿丸
看板の糖尿病に雁木かな/佐々木六戈
看板の裏に親子が入りきり/坂間恒子
蒙古医の看板かかげ花野中/田村了咲
袖看板の夏日くらくら電脳街/鈴木烱
乙鳥は金看板をよごすかな/野村喜舟
夜の雷看板多き街にはげし/成田千空
料理屋の看板吹くや春の風/正岡子規
春風や紅看板の吹きながし/井上井月
枯野中コイン洗車の大看板/金子佳子
浮寝鳥看板こけし茶店かな/清原枴童
熊笹に立てる看板たにし飯/京極杞陽
看板に町の未来図合歓の花/松田雄姿
看板のぽつりと示す登山口/山内/梓
めしといふ看板ありて道頓忌/草間時彦
看板の何も出て居ず種物屋/加倉井秋を
看板の背骨西日に灼かれゐぬ/羽部洞然
夕立に看板の美女抱き入るる/右城暮石
俳句例:41句目~
ろうそくの絵看板より雪卸す/岩崎照子
矢鱈赤き看板灼けて物価高/猿橋統流子
秩父颪看板に鳴る足袋屋かな/吉田冬葉
絵看板潮噴く鯨が泳いじょる/高澤良一
草枯れて看板の脚しかと立つ/伍賀稚子
海贏打つや虎蔵来るの絵看板/福島壺春
軍配の看板大きくちやんこ鍋/倉田静子
避暑客に掲ぐ看板「神戸牛」/高澤良一
お辞儀する工事の看板街薄暑/田村百合江
建売りの看板目立つ冬はじめ/天野美代子
看板の大羽子板の歌右衛門/中村吉右衛門
夏草や看板の字は逆から書く/田川飛旅子
看板や芝居の前の春の雪/獨吟/岡本綺堂
火事注意の看板かかげ山眠る/金元喜代子
この暑さ町に看板ごてごてある/鈴木しづ子
上絵師の看板色なき風に長し/長谷川かな女
乳房と拳銃ばかりの看板東京涸れ/楠本憲吉
雨あびて看板の雪ちとばかり/飛鳥田れい無公
看板の団子淋しき柳哉/一茶/享和三年癸亥
右読みの「めしや」の看板さくら二分/井上論天
俳句例:61句目~
冬枯に看板餅の日割哉/一茶/文化二年乙丑
しぐれる漁港「めし」の看板立てっぱなし/穴井太
ぬり立の看板餅や東風が吹/一茶/文化十二年乙亥