直立に関連した俳句の例をまとめました。
直立を含む俳句例
扇風機直立馬関領事館/辻桃子
炎天を行く直立の弓袋/綾部仁喜
直立の天皇一家松に雪/鈴木節子
凶作の真昼直立つ煙見ゆ/徳弘純
秋冷の黒牛に幹直立す/飯田龍太
旧軍港直立の父傾ぐ母/齋藤愼爾
干蕨応挙の鯉の直立し/吉本伊智朗
きりぎりす足元の草直立し/桂信子
新米の俵締むれば直立す/宇治春壺
露の中空瓶一つ直立す/石川美代子
雪渓が直立峰の高ければ/山口誓子
赤松の影の直立夏座敷/根本登志子
高濤に鯨の尾鰭直立す/山崎ひさを
倒立へうつる直立海開き/小宅容義
八十八夜直立の葦ばかり/廣瀬直人
直立のあやしくなりぬ花氷/轍郁摩
的を射て直立まもる弓始/能村研三
甘からむ直立猿人の慟哭は/須藤徹
異論ありと尺蠖の直立す/滝川了吉
甘茶仏直立不動濡れ給ひ/杉山定子
俳句例:21句目～
山に冬来れり葱は直立す/村越化石
稲架となる棒一本の直立す/鈴木鷹夫
露滂沱すべて直立するものに/原田喬
馬刀貝の直立に鳥渡るなり/山尾玉藻
仮縫のピンの直立雲の峰/岡部名保子
夕立や死は直立のまま歩く/中里麦外
奪衣婆へ千の直立曼珠沙華/山本秋穂
日當りて玉巻く芭蕉直立す/高濱年尾
星空となる菊人形直立し/波多野爽波
杉はみな直立著莪はみな傾斜/蔦三郎
滝落とすなり直立の玄武岩/相磯/守
九官鳥を真似る直立終戦日/嶋野國夫
瓶に直立菜の花影す夜の妻/中山純子
直立が農夫のいこひ桃の花/平畑静塔
直立の三つ星寒夜始まれり/相馬遷子
直立の島の菜殼火天への階/伊藤敬子
直立の止め葉揃ひし青稲田/西川雅文
研ぎゆく謝肉祭の直立猿人/加藤郁乎
いなびかり夜に入る幹の直立し/桂信子
こはもての直立不動葱坊主/出浦嘉代子
俳句例:41句目～
直立にともる灯霧を濃ゆくする/穴井太
直立に近き梯子や柚子を摘む/大橋敦子
直立の兎の耳や風光る/ともたけりつ子
原爆の地に直立のアマリリス/横山白虹
優曇華の直立母子信じ合ふ/北見さとる
直立の月下の菊を見て老いぬ/寺井谷子
直立の案山子O型かも知れぬ/野木桃花
大陸ニ大音響ガ直立シテヰル/夏石番矢
父子獅子直立をもて舞ひ終はる/河野真
瓜売が青にまみれて直立す/九鬼あきゑ
青野よりヒト直立して来たる/前田秀子
直立で老歌手唄ふ子供の日/今村きよし
直立の向日葵を夜の厠より/片山由美子
直立のスキーに手掛け立ち憩ふ/山口誓子
尼さまにポンポンダリア直立す/岩永佐保
実を飛ばしきるまで蓮の直立す/伊藤政美
サーフィンに直立白馬躍る時も/富安風生
こやつ孫ちんぼこ直立して春ぞ/鈴木鷹夫
大玻璃の杉の直立あたたかし/阿部みどり女
泣けるだけ泣いてひまわり直立す/鎌倉佐弓
俳句例:61句目～
直立の行者さながらシャワー浴ぶ/福山英子
ドアボーイはターバン直立旅人木/伊丹公子
直立せよ一行の詩陽炎に揺れつつまさに大地さわげる/佐佐木幸綱
あぢさゐにさびしき紺をそそぎゐる直立の雨/そのかぐはしさ/大辻隆弘
