薄野/芒野に関連した俳句の例をまとめました。
薄野/芒野を含む俳句例
芒野の鳶より低し賤ケ岳/秋櫻子
夕焼や芒野を渡る大鴉/内田百間
芒野や本街道は松並木/島田青峰
序の舞の笛喨々と芒野に/香月梅邨
芒野や一番星が帽子掛/磯貝碧蹄館
芒野に芒戦いて月の出る/寺田寅彦
芒野に呵々大笑すさみしきか/鷹女
芒野を最上階と思うかな/守谷茂泰
生涯は短し芒野はきらと/岩岡中正
芒野に人現はれし淋しさよ/島田青峰
ちゝはゝのごと芒野の懐に/長山あや
芒野に定員一人の密室あり/工藤克巳
芒野に富士も全し今日の月/酒井絹代
芒野を行きて友情生れさう/後藤立夫
芒野を行き一生を見渡せり/脇本星浪
話し弾んで芒野に深入りぬ/勝田享子
天に入る芒野の波奔放に/古賀まり子
遠く来し錯覚芒野の風に/志子田花舟
芒野に遊べば一夜で銀の髪/本郷和子
芒野の金色を来て喪章剥ぐ/橋本榮治
俳句例:21句目～
瓶の芒野にあるごとく夕日せり/林火
芒野や浅間の煙吹き下ろす/高野素十
芒野や淋しき方に三日の月/高浜虚子
芒野や駕に乗りたる荷宰領/渡辺香墨
芒野にかくれし昔探しをり/木村十三
芒野や空に近づくほど歩く/渡辺千鶴子
芒野に心も身をも委ねたし/小川濤美子
芒野に風つのりつつ浅間澄む/小林碧郎
芒野のぬば玉の闇揺れてゐし/長山あや
芒野に遊びて母の忌なりけり/山田弘子
丹念に芒野を分け捜索す/松岡ひでたか
芒野やモデルハウスに猫の声/守屋明俊
芒野の眠れる闇に目覚めゐる/長山あや
芒野を刈って四方より風渡る/大草/薫
芒野の空気まとめて持ち帰る/長浜/勤
芒野でわずかな時間を過しけり/漠夢道
芒野の光の中へ溺れにゆく/住谷不未夫
薄野を行脚僧一人しぐれたる/寺田寅彦
芒野の宙や今日のみ女富士/長谷川秋子
次の温泉へなほ芒野のみち続く/高濱年尾
俳句例:41句目～
死ぬるなら芒野を行く馬上にて/鈴木鷹夫
瓶の芒野に在るごとく夕日せり/大野林火
芒野に手慣れのペンを失ひし/上野さち子
芒野に手足気化させ透いている/斎藤一湖
芒野を吹かれ疲れてふつと消ゆ/今瀬剛一
芒野に空描き足せば荒びけり/小泉八重子
芒野に母在りし日の風と居る/平岡喜美子
芒野のところどころにこぼれ炭/鈴木月彦
芒野のどんでん返しありしかな/齋藤愼爾
芒野を吹かれぼそりの父がくる/今瀬剛一
「花は変」芒野つらぬく電話線/赤尾兜子
芒野を過ぎきて別ればなしする/宮坂静生
どこまでも芒野どこまでも常陸/今瀬剛一
ふり向けば又芒野に呼ばれさう/稲畑汀子
一樹とてなき芒野でありにけり/大久保橙青
バス降りてみな芒野に沈みけり/村松知津子
芒野や風がおしくらまんぢゆして/島田武重
花薄野にある風情見よといふ今日/尾崎紅葉
芒野に道はあれども果てしなく/池内たけし
母来つつあらむ芒野かがやける/岩田はる恵
俳句例:61句目～
芒野はしろがねに日は富士に落つ/高木蒼梧
芒野に踏みこみ風に踏みこみぬ/佐土井智津子
芒野に来て日射し欲し風が欲し/佐土井智津子
芒野にいちばん似合つている手ぶら/宮野由紀
