晴天に関連した俳句の例をまとめました。
晴天を含む俳句例
晴天と一つ色也日傘/一茶
晴天の真昼にひとり出る哉/一茶
晴天や白き五弁の梨の花/原石鼎
晴天はいま風葬の山桜/小檜山繁子
晴天にいたいたしきは袋角/北光星
晴天の何か優れる凍深空/飯田蛇笏
晴天より欅若葉の緑の聲/相馬遷子
晴天に広葉をあほつ芭蕉かな/久女
晴天に暮てまもなし朧月/五車反古
晴天の山ひとつ負ひ薺粥/広瀬直人
夏雲をきざす晴天海黝む/飯田蛇笏
晴天や一遠に梅仰ぎゐて/河野南畦
掛稲の夜の晴天を月わたる/中拓夫
晴天の真昼にひとり出る哉/小林一茶
晴天の筵機は藁噛みしまま/今瀬剛一
晴天の翳を擦りゆく蛇綺麗/成田千空
晴天の牛蒡の長さ抜き揃へ/今瀬剛一
登山者のわが庭通る晴天也/久米正雄
一月末日大晴天を祀るなり/阿部完市
柘榴裂け吾は晴天童子なり/古舘曹人
俳句例:21句目～
仏滅の晴天を呼ぶむつ五郎/永島転石
病葉が晴天高きより落ち来/藤沢周平
鵙鳴けば晴天応へ居る如し/高浜年尾
百日紅晴天続きに干反る皮/高澤良一
讃岐富士聳え晴天高うする/柴田奈美
通草もぐふと晴天のでき心/今瀬剛一
青鵐鳴く晴天にして樹の雫/堀口星眠
晴天に神話ぐらつく金屏風/田中幸子
晴天に身の軽くなり草の絮/清水径子
晴天に鳶の輪寒し梅の花/大谷碧雲居
晴天の樹の雫おつ青蜥蜴/福田甲子雄
晴天の水に突出し紅葉かな/原田種茅
晴天に雪散る日なり鷽替る/前川素泉
むらさきの僧晴天の栗の花/小檜山繁子
帰り花この晴天の果ては雨/波多野爽波
晴天と書きしばかりや初日記/中村苑子
晴天にあやかり点青犬ふぐり/香西照雄
晴天や恋をはりたる猫とゐる/柿本多映
晴天の鮟鱇といふわだかまり/今瀬剛一
晴天の水輸人ごゑ夏やなぎ/宇佐美魚目
俳句例:41句目～
晴天へ虫とばしをり大夏木/宇佐美魚目
晴天の昏るるべく燃ゆ葉鶏頭/廣瀬直人
駒鳥の告げし晴天夜につづき/野沢節子
カーンと晴天白鳥の来しと言ふ/今瀬剛一
ラムネで乾杯して涙ぐむ大晴天/原子公平
山梔子の火が晴天をまねきけり/平井照敏
晴天にからからとひく鳴子かな/村上鬼城
晴天に苞押しひらく木の芽かな/杉田久女
晴天の芭蕉裂けたりはたゝ神/大須賀乙字
晴天三日節句を待たず桃ひらく/高澤良一
晴天の霧いつ閉ぢし蕗を刈る/金尾梅の門
菊咲くや晴天の風こまやかに/佐野青陽人
晴天やコスモスの影撒きちらし/鈴木花蓑
青鷺がここにもオホーツク晴天/高澤良一
晴天を喪くすベトナム兵として/対馬康子
とびついてくる晴天のゐのこづち/牛田淑子
土蔵ひらけば晴天のほととぎす/福田甲子雄
晴天にたゞよふ蔓の枯れにけり/松本たかし
毛虫出づ蕗を食べたき晴天を/長谷川かな女
滝を着込む熊あり倭国は晴天なり/夏石番矢
俳句例:61句目～
晴天は鵙がもたらすものなりや/山口波津女
今日も晴天セーターにつよく首突込む/中野茂
晴天枕に彼も宇宙飛行士のほほえみ/金子兜太
本日は晴天なり走行距離をのばす精子/夏石番矢
ノアはまだ目ざめぬ朝を鴿がとぶ大洪水の前の晴天/岡井隆
