大山に関連した俳句の例をまとめました。
大山を含む俳句例
大山の男坂なる尉鶲/松尾隆信
大山へ一拍二拍鍬始/金川晁山
大山の水が命の冷奴/高澤良一
雨雲の大山道の葵かな/綾部仁喜
昔麻布大山道の桔梗かな/野村喜舟
大山の南に不二や渡り鳥/滝井孝作
大山の浮びし梨の花月夜/山本杜城
芯太き大山独楽を買初に/北澤瑞史
大山詣水に研がれし冷奴/田中俊尾
伽羅蕗が好きで大山詣かな/轡田進
大山の全き日なり雁帰る/田村木国
竹箒大山麓をはくわれら/阿部完市
猪鍋の大山詣くづれかな/石田勝彦
大山に雲集へるは神集ふ/宮下翠舟
大山のその天上へ半夏生/黒田杏子
大山の水をあまねく早苗月/飴山實
大山の全容近し初御空/阿波野青畝
対州は大山国やほとゝぎす/河野静雲
新涼や子とつれあそぶ大山蟻/原石鼎
春の野を持上げて伯耆大山を/森澄雄
俳句例:21句目～
水神に大山百合の白さかな/前田正治
人参を抜き大山を仰ぎけり/庄司圭吾
伯耆大山椀の蜆の小さかり/櫻庭敏子
初旅の大山を負ふ駅つづく/皆吉爽雨
節分の微も茫もなき大山塊/猿田咲子
結界の轟然と鳴りて大山崩/横山白虹
翳す手が霧を誘ふ大山能/雨宮きぬよ
送行の大山門を返り見ず/小中優実代
雪を着て伯耆大山頑張りぬ/藤後左右
大山の北壁けづれ巌冷ゆる/高木晴子
雪晴の大山そそり三瓶坐す/竹下陶子
大山の天狗が撒きし花粉症/野上貞勝
大山の暁月夜ほととぎす/鈴鹿野風呂
大山の裾寒林となるはいつ/高木晴子
大山や枯は怠惰の色ならず/藤田湘子
大山の闇より音となる時雨/山田弘子
大山の雪も間なけむ晩稲刈/石塚友二
大山の青を巻きたる落し文/百瀬美津
大山はナポレオン帽春の雲/川端茅舎
大山は霧の中なり能舞台/芳賀かをる
俳句例:41句目～
大山女背の斑光らす雪解水/火村卓造
大山山麓すかんぽ噛めば谺/金子兜太
えびづるや大山寺道石を敷き/梶井枯骨
うすぐもり大山淡き田植かな/滝井孝作
どむみりと大山入れて植田水/高澤良一
大山に脚をかけたる竈馬かな/大屋達治
大山の伏流といふ種井かな/波出石品女
大山の各坊味噌を搗きにけり/山本青蔭
大山の沢の奈落の山葵かな/吉次みつを
大山の雲を下りて鮎を見る/野田別天楼
大山の竿雪細る花こぶし/美柑みつはる
大山の月さしてきし梨番屋/由木みのる
猪鍋や大山の闇待つたなし/大木あまり
大山独楽いそいそと夫購ひぬ/渡辺恭子
大山能狂ひしおもて月仰ぐ/鍵和田釉子
大山の夏山として今日よりは/原三猿子
大山の根雪もとれぬ羽子日和/皆吉爽雨
大山の吹き飛ばし居る冬の雲/引田逸牛
急ぎ来る大山蟻や昼餉の座/安部ひろし
露乾く草に晴れ見ゆ大山かな/尾崎迷堂
俳句例:61句目～
大山に日のあるうちは畑打て/大峯あきら
大山に釣瓶落としの雲ふたすぢ/米谷静二
田を植うるみな大山の裾に乗り/皆吉爽雨
大山の山毛欅の雪間の大いなる/吉岡新風
笹叢を大山百合のぬきんずる/鈴鹿野風呂
大山の火燵をぬけて下りけり/阿波野青畝
大山を知りつくす夫茸狩りに/米川みどり
はたはた神夜半の大山現れたまふ/阿波野青畝
刃の如く輝き始む大山の襞に残れる雪の幾条/川辺古市
