季語/屠蘇(とそ)を使った俳句

俳句例:101句目~

屠蘇の酔ひ醒ます土竜の土を踏み/奥谷亞津子

巫女舞を見せられ屠蘇に酔ひにけり/小路紫峡

屠蘇を注ぐ巫女のかすかな片ゑくぼ/関口祥子

屠蘇の座や画像の父の笑まひまし/小原菁々子

屠蘇の座のその子この子に日がさし来/知世子

割烹着まるめて屠蘇を受けにけり/白岩てい子

屠蘇に対して米価を説かず其れも春/尾崎紅葉

やすらかな天上に屠蘇酌み給へ/阿部みどり女

屠蘇つげよ菊の御紋のうかむまで/本田あふひ

ほのかなるもの身をめぐる屠蘇の酔/那須乙郎

ひとりくむ屠蘇のかなしや酔ひ心地/菖蒲あや

老いの母やとうとうたらり屠蘇の酔/草間時彦

屠蘇飲みて稍ふくよかになりけらし/相生垣瓜人

我が病知らず来つれぬ屠蘇の客/吉武月二郎句集

屠蘇酌んで素直にいのち惜しみけり/多田納君城

白朮酒といひて屠蘇とはいはざりし/後藤比奈夫

屠蘇祝ぎもなかば雪掻き立ちにけり/坂本山秀朗

祖母も母も並びて小さし屠蘇をうく/古賀まり子

たくましき子の手となりぬ屠蘇をつぐ/八木けい子

いにしへのてぶりの屠蘇をくみにけり/鈴木しづ子

俳句例:121句目~

酔ふほどは飲まぬつもりの屠蘇に酔ふ/下村ひろし

年年を来て屠蘇のさかずきの松竹梅の梅/荻原井泉水