「秋祭」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「秋祭」について
【表記】秋祭
【読み方】あきまつり
【ローマ字読み】akimatsuri
子季語・関連季語・傍題・類語など
・里祭(さとまつり:satomatsuri)
・村祭(むらまつり:muramatsuri)
・在祭(ざいまつり:zaimatsuri)
・浦祭(うらまつり:uramatsuri)
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季節による分類
・「あ」で始まる秋の季語
・「秋の行事」を表す季語
・「三秋」に分類される季語
月ごとの分類
秋祭を含む俳句例
秋祭紫の幕箔屋町/細見綾子
侍が煙草銜へて秋祭/大倉祥男
油火を点す畦道秋祭/茨木和生
山々に深空賜はる秋祭/桂信子
秋まつり大きな山の影の中/黛執
秋祭川には川の蝶遊ぶ/細見綾子
秋祭八岐の大蛇退治けり/安住敦
老人に石のつらなる秋祭/桂信子
飾り鞍仔馬に届く秋祭/櫻内玲子
老人と子供と多し秋祭/高濱虚子
秋祭人語四方の峠より/前田普羅
秋祭とて沼渡舟旦より/福田蓼汀
群山の幸を余さず秋祭/藤田湘子
砂畠きれいに打つて秋祭/原田喬
女一人まじる楽隊秋祭/高野素十
満潮の向ふの町の秋祭/中村汀女
楢林丘をわたれる秋祭/遠藤梧逸
橋脚となる島終の秋祭/片桐孝明
秋祭笛一管に星欠くも/古舘曹人
秋祭社の床に舟を入れ/谷口智行
俳句例:21句目~
秋祭昔めく色並べ売る/山田弘子
振袖で蜂を払へり秋祭/茨木和生
漂へる蝶々黄なり秋祭/前田普羅
流鏑馬の馬場が整ひ秋祭/栗原満
をんな見て佇つ少年や秋祭/原裕
秋まつり明るく暗く桶の/寺山修司
うぶすなは提灯だけの秋祭/飴山實
秋祭くちびる厚き鯉の長/川村悠太
字違へ小字をたがへ秋祭/藤井貞子
宇曽利嶺に鴉集まる秋祭/岡村/實
秋祭すみし塵掃く峠茶屋/渡辺一魯
秋祭すみ麹室開け放つ/佐々木経子
秋祭すめば女は紙漉きに/藤後左右
秋祭り山車の松前鉄之助/高澤良一
たこ焼屋主人の啖呵秋祭/有我/卓
小鳴門の十軒ばかり秋祭/西本一都
ともしびを囲ふ白紙秋祭/山本洋子
秋祭日輪ゆらぐ大太鼓/柴田白葉女
秋祭果て木曽馬の足に灸/垂見菊江
秋祭金髪の子を捧げ行く/藤田湘子
俳句例:41句目~
秋祭雨にはじまり雨に終ふ/杉本寛
山越えて招き招かれ秋祭/福田蓼汀
秋祭鬼面をかぶり心も鬼/山口誓子
山霧は晴をいざなふ秋祭/茨木和生
笛吹いて山の風よぶ秋祭/豊長和風
岳五つ据ゑて鎮守の秋祭/藤澤果抱
笛方に徹する家系秋祭/内田二三子
群巒にひとり神なる秋祭/前田普羅
提灯を木深くさげぬ秋祭/富田木歩
聳えたつ山の巌に秋祭/百合山羽公
藪の神秋祭とて灯りけり/清原枴童
弟も老いて無事なり秋祭/古橋呼狂
急行の停らぬ駅や秋祭/赤星水竹居
三山の三山が見え秋祭り/福井隆子
行列の二つになりし秋祭/高木晴子
農夫酔ひ呟きあるく秋祭/伊東宏晃
拾ひたる貝の紅もつ白秋忌/上村占
野崎神楽六角牛神楽秋祭/高澤良一
門川の皿にせせらぎ秋祭/福田蓼汀
雪洞を残し山車去る秋祭/松永亀重
俳句例:61句目~
免れし雨口々に秋まつり/平子公一
日傘より男現はれ秋祭/神尾久美子
木の上の少年の声秋祭/九鬼あきゑ
午後早く銭湯が開く秋祭/菖蒲あや
古町にある目立屋も秋祭/西本一都
村に入る道は一本秋祭/田中由喜子
松に懸け打つ双盤や秋祭/河野静雲
棒に集る雲の綿菓子秋祭/西東三鬼
浦安のもどりの道の秋祭/星野立子
境内のもう片付きし秋祭/内田美紗
湖べりの村つぎ~に秋祭/浜中柑児
奥能登は七浦かけて秋祭/升谷一灯
犇めくものは真黒に秋祭/折井紀衣
町中に提灯を吊り白秋祭/井山幸子
白秋祭島も露めく風の色/河野南畦
大漁旗たてて福良の秋祭/鳥毛正明
大空の雲はちぎれて秋祭/前田普羅
石あれば石に坐りて秋祭/落合好雄
太鼓より神輿小さし秋祭/遠藤はつ
石見のや人丸山の秋祭/鈴鹿野風呂
俳句例:81句目~
外海を帆が行く浦の秋祭/寺島ただし
山童にかがやくお櫃秋まつり/下田稔
秋祭子らの綿菓子風に痩せ/藤陵紫泡
からくりの布袋舌出す秋まつり/原裕
村會に秋の祭の日のべかな/正岡子規
綿飴を買いそびれ居り秋祭/山口禮子
焼津より鮪売来る秋まつり/橋本榮治
神主も出店をのぞく秋祭/滝川いわ子
空き家に戻らず秋祭の夜も/茨木和生
どの家も馬ゐてたのし秋祭/田村了咲
島の名を氏とし住めり秋祭/村上杏史
稚妻みごもるころに秋祭/百合山羽公
崖の上の人の往来や秋祭/大場白水郎
秋祭大きく鮨を握りけり/鈴木真砂女
まざまざと水禍の町の秋祭/木下夕爾
みちのくや駅に始まる秋祭/小川軽舟
秋祭鯛一尾さげての泊り客/田中冬二
石段のはじめは地べた秋祭/三橋敏雄
もの食ふは氷川神社の秋祭/岸本尚毅
袖口の浅黄襦袢や秋祭/阿部みどり女