季語/鱧(はも)を使った俳句

「鱧」を使用した俳句についてまとめてみました。

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季語「鱧」について

【表記】鱧

【読み方】はも

【ローマ字読み】hamo

子季語・関連季語・傍題・類語など

・生鱧(いきはも:ikihamo)

・祭鱧(まつりはも:matsurihamo)

・水鱧(みずはも:mizuhamo)

・小鱧(こはも:kohamo)

・干鱧(ひはも:hihamo)

・五寸切(ごんぎり:gongiri)

季節による分類

・「は」で始まる夏の季語

・「夏の動物」を表す季語

・「三夏」に分類される季語

月ごとの分類

5月の季語

6月の季語

7月の季語

鱧を含む俳句例

小骨切る父の上手や鱧料理/洞

船板の鱧大口を曝しけり/一行

祭鱧祇園小路も奥の奥/小澤實

本能寺会館のこの祭鱧/黒田杏子

洛中の一隅を得て祭鱧/林田江美

飯鮓の鱧なつかしき都かな/其角

大阪の人とし老ゆる鱧の皮/木国

竹の宿昼水鱧をきざみけり/青々

鱧食うべ杉箸の香の宵祭/岩井英雅

鱧皮や夕餉半ばに雷迫り/村上光子

鱧幟濡手となれば母若し/香西照雄

一日を下京にゐる鱧料理/橋本榮治

鱧の骨上手に切れて祭膳/後藤夜半

水鱧や父との酒の舟畳/藤田あけ烏

余り多く酒たしなまず鱧茶漬/月斗

渦潮の下品に見ゆ鱧料理/上野章子

鱧食べて我も浪速の祭人/矢津/羨

青竹の林を抜けて祭鱧/大木あまり

大阪の祭つぎつぎ鱧の味/青木月斗

雨ぐせの愛染祭鱧買ひに/茂里正治

俳句例:21句目~

肌脱ぎて鱧食ふ父をななめにす/俊三

関東の男も多弁鱧ましろ/宇多喜代子

食欲のやゝ戻りたる鱧料理/千原叡子

骨切りの鱧に庖丁息あはす/宮島晴子

トロ箱につの字に並び祭鱧/村松/堅

鱧さげてゆく別荘の主かな/岡田耿陽

二階よりこゑの掛かれる祭鱧/石嶌岳

鱧の骨切る竹林は呆けたり/阿保恭子

京都駅下車迷はずに鱧の皮/川崎展宏

鱧を焼く匂ひも錦小路かな/木内怜子

鱧湯びき洛北の尼さそひ出す/赤松子

鱧鮓を膝に金比羅囃子かな/壺井久子

大粒の雨が来さうよ鱧の皮/草間時彦

大阪の雨ざうざうと鱧の皮/茨木和生

大阪を離るる気なし鱧料理/下村非文

水鱧の出る頃の良き夕歩き/田中英子

海の音海へかえりぬ鱧の皮/松原雅子

病食に鱧つき天神祭なり/米澤吾亦紅

祭鱧を待つや窓外灯り初め/直/俊子

箸先の鱧の牡丹を崩すかな/草間時彦

俳句例:41句目~

いちにちを下京にゐる鱧茶漬/橋本榮治

鱧の酢に文句をつけて堺の出/伊藤白潮

鱧の酢や満座の酔に酔はずをり/登四郎

鱧やけていつまで夫の独り酒/村上光子

世辞うまく買はされ戻る祭鱧/羽田岳水

鉤うつて生けるを示す鱧三尺/青木月斗

八十の母の鱧裂くたしかなり/吉屋真砂

朋友よ来よ祭鱧など喰はむか/藤平寂信

古里のテレビに乗りし鱧の味/岩田麗日

活絞めの鱧の頭の落ちさうに/浅井陽子

鱧きうに浪花八百八橋かな/百合山羽公

川越えてきて水鱧の箸を割く/津根元潮

灯台が灯り鱧よく釣れはじむ/伊藤元一

鱧のあと雨傘借りて戻りけり/渡辺鶴来

鱧食うて伊予万歳を楽しめり/星野高士

妻留守の裁ち鋏鱧の皮を切る/岡本圭岳

鱧の皮焼きて娘もはや浪花人/古賀睦子

骨切りの年季の入りし鱧料理/倉田白沙

鱧の皮長々たりて尾ありけり/森川暁水

こころざし低きにありて鱧の皮/橋本榮治

俳句例:61句目~

なりふりの大事な日なり祭鱧/宇多喜代子

京にありて祭鱧食ぶひたすらに/金子兜太

老い進む湯攻めの鱧の縮む間も/後藤綾子

鱧くれて手紙を書いて呉れといふ/きゆう

鱧の皮きつてもきれぬ浪速つ子/小松弘枝

鱧の皮ちりちり生くること難し/田辺レイ

鱧焼けていつまで夫のひとり酒/村上光子

湯通しのすなはち鱧の旬なりし/稲畑汀子

鱧食べて太閤贔屓でありにけり/山崎房子

鱧食べて後の祇園の涼み琵琶/伊藤いと子

土瓶蒸し京ならではの鱧すだち/高木晴子

鱧の皮買ひに出でたるまでのこと/飯島晴子

鱧の鰭や満座の酔に酔はずをり/能村登四郎

水鱧やこの件如何ともなし難し/宇多喜代子

鱧食ふやまたもかるがるしき恋を/仙田洋子

鱧の鮓や満座の酔に酔はずをり/能村登四郎

鱧鮨をひらくやはしる山椒の香/水原秋櫻子

ぱつたりと風とまり鱧のざくざく/宇多喜代子

友の死に堪へゆく鱧を食べにけり/山田みづえ

鱧を切る包丁梅雨を研ぎすまし/長谷川かな女

俳句例:81句目~

鱧食べて悲しむことのまだありぬ/大木あまり