山の端に関連した俳句の例をまとめました。
山の端を含む俳句例
山端や一もと櫻おそ櫻/泉鏡花
山の端や海を離るゝ月も今/蕪村
山の端の吃音鴬懸命に/石塚友二
山端や桜の上の雪の峯/野村泊月
山の端に残る暑さや大文字/宋屋
山の端や廿六夜の月仏/野村喜舟
山の端の薄紅二十六夜待/広瀬直人
寒立や日輪山の端に赤し/三尾知水
山の端や二十六夜の月仏/野村喜舟
山の端の雲浮彫りに稲光/岩原玖々
山端は寒し素逝を顧みし/高浜虚子
山の端に大粒の星稲の花/石田郷子
雪山の端が輝き奴凧/阿部みどり女
郭公や野へ岬なす山の端/三橋敏雄
花栗や少し明るむ山の端/小倉寿子
山の端の月や鵜舟の片明り/井上井月
武蔵野の月の山端や時鳥/大淀三千風
名月や僅かの闇を山の端に/上島鬼貫
山の端の雲入れ替り鳥帰る/浦山輝代
山の端にかかる昼月猫目草/野口光江
俳句例:21句目～
山の端や春遠からぬ細い月/尾崎迷堂
年々やあの山の端の初紅葉/村野蓼水
山の端に乙鳥をかへす入日かな/其角
待宵や山の端暮れて星一つ/高浜虚子
山の端に宝珠のまるき彼岸かな/青畝
雨雲の山の端に巻く青林檎/古舘曹人
素通りの山の端より芒抜く/対馬康子
花換祭山の端に日の射して/石村与志
山の端に椋鳥のあらしや二日月/兀子
酌つよし山の端にげて下戸の月/西望
山の端に残照とどめ十三夜/岡田日郎
鍵盤に山の端が映え卒業歌/今瀬剛一
山の端に遊び雲あり雛飾る/三井寛子
山の端の日の嬉しさや木綿とり/浪化
山の端の星の大粒狩の宿/戸口千枝子
山の端の雪あはれなり大文字/服部嵐雪
雲ぎれの山の端うすく寒えくらし/養浩
山の端を離れ満月すぐ凍る/吉野トシ子
山の端にころがる冬日忌を修す/岸田稚
春霞いつからお前は山の端/大野三恵子
俳句例:41句目～
山の端や入日をつゝむ渡り鳥/浦四三子
山の端に庵せりけり薄紅葉/松本たかし
山の端に春月ひらく車井戸/柴田白葉女
山の端に朝日きらりと山葵沢/鈴木鷹夫
早春の凍て雲にして山の端に/高濱年尾
雪解不二林道山の端をゆけば/大島民郎
きくとなく山端の風の春の蝉/飯田蛇笏
山の端に雪とどこほる実千両/澤村昭代
山の端にちがふ闇ある牡丹雪/平木智恵子
山の端に冬三日月の金沈む/阿部みどり女
山の端にのこりしひかり瓜の馬/藺草慶子
山の端の逃げて春月ただよへる/川崎展宏
桐咲いて山の端を日の退りゆく/永方裕子
永き日の山の端にある笑ひかな/柿本多映
灯涼しく粋に山の端にはまだ日/京極杞陽
約すごと山の端に現れ初つばめ/村越化石
山の端のうす明りして菜種梅雨/山根貞子
山の端をつたひて花を送りけり/綾部仁喜
酔ふ人に山の端逃ぐる餘寒かな/田中裕明
きりぎりすわが庭の端は山の端/村越化石
俳句例:61句目～
山の端といふ短日のあるところ/稲畑汀子
山の端に見えざる海の夕焼雲/水原秋櫻子
山の端を揺れ出でし月澄みにけり/野村喜舟
山の端のありしあたりも春の闇/八木林之介
山の端に火星河原にきりぎりす/滝野美恵子
余花といふ消えゆくものを山の端に/大串章
山の端のいちにち逃げるリラの花/齋藤愼爾
山の端のかしこの花も見て行かん/野村泊月
山の端を没日が焦がす牡丹の芽/布施キヨ子
山の端に火種のごとき寒没り日/久保田愛子
杜氏帰る山端に桑のかがやく日/福田甲子雄
山の端の月より来たる兜虫/小野寺左右志良
山の端の雲の端のつくつく法師/佐土井智津子
