人名を使用した俳句

人名に関連した俳句の例をまとめました。

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人名を含む俳句例

空腹や人の名忘れ青蛙/井上末夫

亡き人の名が表札に柿若葉/岩田由美

人の名の小橋が市境油照り/北野民夫

嚏して想ふ人の名遠きかな/石塚友二

その人の名の研究所涼しけれ/田中裕明

亡き人の名をなんとなく筆始/池田澄子

人の名の梅ほのかなり夕月夜/尾崎紅葉

其人の名もありさうな花野哉/正岡子規

暖かやこの人の名を忘れゐる/永井龍男

来ぬ人の名もしたためむ祝箸/永方裕子

花鳥のいつしか人の名を襲ふ/攝津幸彦

藤波の香に亡き人の名をなぞる/石井保

蛇穴を出て斯く人の名の重さ/田中裕明

人の名の親しき湖のしぐれかな/草間時彦

人の名は忘れ易くて蚯蚓鳴く/小池喜代子

人の名を思ひ出せずに酉の市/辺見じゅん

横浜に来てさみしさよ人の名は/桑原三郎

雨乞をせし人の名を書き列ね/後藤比奈夫

なつかしき人の名をきく火桶かな/籾山梓月

人の名のうねりやまざる夏旬日/津沢マサ子

俳句例:21句目~

人の名を聞いて忘れて水澄めり/坂東ユキ子

冬ごもり小鳥に人の名をつけて/片山由美子

夜の木枯壁に人の名書きつらね/加藤知世子

花にさへぬす人の名のものものし/正岡子規

鬼灯市に遭ひし人の名うかび来ず/石田波郷

エッフェルといふは人の名鳥渡る/今井杏太郎

粗く春の人の名問へばぽん太とぞ/芥川龍之介

あきかぜに人の名交じりはじめけり/津沢マサ子

石塔つめたく手をかけて人の名をよみ/栗林一石路

恐山血の池地獄の白砂に吾を裏切りし人の名を書く/石野公子

詳報のない号外で殺ばつな軍の上層部にころされたその人の名のみ/橋本夢道