色づくに関連した俳句の例をまとめました。
色づくを含む俳句例
色づきて柿現るゝ夕日かな/篠原
内祝鶏頭の茎色づきて/高澤良一
山々は鮎を落して色づきぬ/森澄雄
鬼灯の色づきゐたる子安神/森澄雄
薑に梅酢色づく一夜かな/松瀬青々
もろ～の木の実色づけ秋の雨/四友
一段と榎の実色づく曇り空/森野稔
久方の空の耳朶色づきぬ/攝津幸彦
霊棚の稲も大豆も色づきて/高野素十
山椿その葉隠りに色づく実/石塚友二
和歌浦の風に色づく海桐の実/原茂美
色づいて水の明るき珊瑚草/的場松葉
夕映えや柞色づく茂吉館/中川冬紫子
上の山林檎色づく乳首ほど/沢木欣一
妻の忌や色づきそめし唐辛子/森澄雄
永観堂早紅葉雨に色づけり/高澤良一
少しづゝ山は色づく榎の実/高澤良一
冷え込んで一夜色づく蜜柑山/中拓夫
刀豆の銹色づけるおもしろし/平川堯
皆尻を曲げて色づけ唐辛子/楠目橙黄子
俳句例:21句目～
秋雨や色づきたけて野路の草/西山泊雲
稲架解きて太虚の色づく隠れ里/石寒太
ぐみ色づく湖水も空も藍深め/大熊輝一
たましいの少し色づき蓮の花/久保純夫
色づきて豊年らしくなりて来し/友水清
色づける枇杷も一休禅寺かな/福山良子
花の芽のひと夜色づく西行忌/引地冬樹
石器の出る畑に苺の色づけり/瀧井孝作
丘の麦色づく神父その児抱き/友岡子郷
何處となく色づいて来ぬ瘤欅/高澤良一
葉の裏にぐみ色づきて遠き海/舘岡沙緻
蛇いちご魂二三箇色づきぬ/河原枇杷男
勤行や郁子棚に郁子色づける/里見/梢
雑木色づきて悲傷の山ならず/山口誓子
鬼灯の泥をかむりて色づけり/斉藤葉子
啄木の墓に色づく桑いちご/神田美穂子
啄木の墓に野ぶだう色づきぬ/井村和子
鬼灯やいくつ色づく蝉のから/室生犀星
枝々の茂みに柚子の色づける/鈴木豊子
鬼灯市稀に色づきゐるがあり/松藤夏山
俳句例:41句目～
柚の実の色づき初めぬ鰯焼く/田中冬二
棗の実雨に色づく綾子の忌/栗田せつ子
茶臼岳熔岩に浅茅の色づけり/三好かほる
お隣りへ曲がりて絲瓜色づきぬ/内田百間
がまづみの色づく頃の山の湯に/高澤良一
葛の葉の色づくころを熊野にゐ/角川春樹
枸杞の実の色づき野川水やせぬ/宮下翠舟
ゆるゆると近江の柿の色づきぬ/葉狩淳子
冬凪の檸檬色づくほのかなり/水原秋櫻子
葉と色を分つほど郁子色づきて/坂口麻呂
吊り味噌の色づきつばめ軒汚す/宮坂静生
花影の色づくまでのあそびかな/豊田都峰
数珠玉や月夜つづきて色づける/新田祐久
狂者らが囃して茱萸の色づきぬ/中川宋淵
病むことも伴侶か野山色づきて/赤尾兜子
山牛蒡の実の色づける子規の墓/井原ミチ
子を欲しとおもふ色づく鬼灯よ/中村祭生
風鈴も錆びたり柿も色づけり/相生垣瓜人
橙の色づき初めて数へらる/中屋敷久米吉
鬼灯の色づきそめぬほゝゑまし/松藤夏山
俳句例:61句目～
山よりも野の色づきて大和かな/鷹羽狩行
名門校からたちの実を色づかす/中戸川朝人
声かかるほどにかりんの色づきし/依田明倫
野は風のまほろば稲の色づくも/北原志満子
柑樹色づく貧しき父母の許に帰る/橋本夢道
愚に近き日日やバナナは色づきて/金子兜太
色づきし柿や大人の手をのべて/百合山羽公
式部の実色づく五十路はた深み/諸角せつ子
野葡萄の実のふぞろひに色づけり/倉田静子
筑波嶺の風に色づく柚子をもぐ/木村/さだ
山椒の実色づき初めて友の逝く/中屋敷久米吉
風あつてこそのポプラの色づけり/中戸川朝人
養生してひととせ経つか枇杷色づく/高澤良一
割れそめし色づきそめしまゆみかな/川原程子
蕃茄やゝ色づき初めしいびつかな/楠目橙黄子
あぢさゐや月に色づき日に褪せて/成瀬桜桃子
トマト色づく善意のむくいありしごと/大熊輝一
ほゝづきの色づきそめぬほゝえまし/夏山句集/松藤夏山
つたかづら色づき垂れて動かざる夕べはひとりわが骨を噛む/槙弥生子
