明日に関連した俳句の例をまとめました。
明日を含む俳句例
明日嫁ぐ鏡大きく雁渡し/石寒太
踊子よあすは畠の草ぬかん/去来
八朔や扨明日よりは二日月/蕪村
牛蛙明日退院の太寝息/上月大輔
明日もまた人間嫌ひ螢籠/石寒太
万灯籠明日を春の底冷す/森澄雄
万灯籠明日を春の風冷す/森澄雄
明日使ふ榊を水に祭笛/尾関華陽
蚓なく明日は日和ぞ蓼の花/嵐竹
明日は又明日の日程夕蛙/高野素十
かんこ鳥あすは檜木の枝に啼/二柳
朝顔のあすは見ゆれど人の上/一鼠
織子帰る明日の踊の笠さげて/銘仙
朝顔にまた明日迄の命哉/正岡子規
狸汁あすゆく山を月照らし/下田稔
明日よりは病忘れて菊枕/高浜虚子
あすひらく泰山木が族境/宮坂静生
黒板に明日の予定虹二重/藺草慶子
天平の田植を今に明日村/塚田蓮生
春寒し明日献体の柩窓/文挾夫佐恵
俳句例:21句目～
山畑や明日を信じて鍬始/中川康子
明日分の薬はありて雪催/佐野笑子
週刊新潮明日発売寒夕焼/田中哲也
待宵の月見て明日の下話/鈴木花蓑
心音も至極尋常明日は秋/高澤良一
蚯蚓なく明日は日和ぞ蓼の花/風斤
明日閉ぢる水音高き崩れ簗/芝由紀
秋の夜や明日来る人の心待/数藤五城
出代を明日といふなる雨籠/芝不器男
明日はまた明日の日程夕蛙/高野素十
春雨や苔寺あすに洛の宿/松根東洋城
明日はまだ日記真白貝割菜/井浪立葉
行燈の丁字よあすは初松魚/正岡子規
短夜や明日は故郷に薫る風/寺田寅彦
白魚汁明日の船出の泊りかな/上村占
あふむいて眺る翌日の落葉かな/也有
眼帯の奥にあすあり初桜/小澤かず子
水草の紅葉明日より人妻に/望月一美
明日田鶴のあすも春なし袖の月/篭口
明日は嫁ぐ娘とゐるや蛍の夜/田口巴
俳句例:41句目～
水仙や明日の晩といふ期待/藤田湘子
桐の花葵祭はあすとかや/河東碧梧桐
明日は日曜ぽけっとに花の種/穴井太
熊ん蜂狂い藤房明日は果つ/西東三鬼
十夜鉦明日の納豆もたたきけり/言水
深夜映画観て明日から夏休/手塚慶子
吹き狂いあす七夕の竹になる/渋谷道
今日降ば惜し明日なら初時雨/菊舎尼
十日月沙羅の蕾は明日開く/正田稲洋
底紅やあすは忘るる怒りとも/関清子
朝顔の明日期す蕾五つほど/高澤良一
明日葉に子守唄めく冬の潮/高澤良一
啓蟄の明日を塞ぐものはなし/秋尾敏
あす勢ふ形に干され祭足袋/秋葉雅治
明日は満月といふ越後湯沢/川崎展宏
流失の雲と同速夜行明日ヘ/阿部完市
明日より昔思ほゆ夜寒かな/吉本和子
芝焼きの明日を占ふ昼の月/山田耕子
昨日大事明日大切に薺粥/大沢ひろし
春燈や衣桁に明日の晴の帯/富安風生
俳句例:61句目～
大寒の明日へきちんと枕置く/岡本眸
髪刈つて明日は男の節句かな/関成美
明日葉を嬉しがらせる所降/高澤良一
春灯や征途を明日に腕角力/椎橋清翠
妻が髪結うて明日の小正月/近藤良郷
緑濃き明日あり今を眠るべく/岡本眸
春宵の今は今又明日は明日/星野立子
青杉の驟雨に跳ねてゆく明日/穴井太
青嵐明日を怖がる人といて/二村典子
寒苦鳥明日餅つかふとぞ鳴けり/其角
春の雨降る平凡という明日/対馬康子
夕燕我には翌のあてはなき/小林一茶
明日植う一番藍の束ねられ/尾上萩男
露結ぶ明日焚かるべき塵の上/岡本眸
星合を明日に貧しき沼の星/堀口星眠
引鴨の明日の行方に波やさし/ひふみ
往生の明日をおもへば明易き/松本丈
明日田鶴のあすも春なし袖の月/篭口
明日の山月に峙つ狩の宿/米沢吾亦紅
絵の具箱明日は林間学校へ/西村和子
俳句例:81句目～
河骨の明日咲く蕾かも知れぬ/樋笠文
星の林明日見るまでの桜哉/井原西鶴
扇風機明日出走の馬にかな/石田克子
明日会ふ人の電話や春の月/小川軽舟
打興じ田楽食ふや明日別る/大野林火
明日葉の道を巡りて島弘法/高澤良一
針供養明日に淡島様ともる/館岡沙緻
金鳳華明日ゆく山は雲の中/飯田龍太
教卓のガーベラ明日へ焔なす/近藤実
日暦に明日あるなり浮人形/木内彰志
霜柱立つ音明日のため眠る/西東三鬼
早春や誰にか明日の新しき/斎藤空華
解禁を明日蟹漁の海荒るる/久保英二
蛍籠明日を近づけ遠ざけて/鷹羽狩行
蛍火や胸に計らふ明日の結/影島智子
明日あるを信じて憩ふ菊枕/八木綾子
明日ある今日と思えり走馬灯/麻生明
明日は逢ふ子の兵営の冬灯/松尾静子
端居して明日逢ふ人を思ひをり/立子
明日雨といふ夕映の遍路みち/岡本眸
