生命を使用した俳句

生命に関連した俳句の例をまとめました。

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生命を含む俳句例

掌の上の生命美はし桜草/阿部完市

生命の美学跳ねたり錦鯉/佐俣虹樹

桑の芽や生命の聞ゆ聴診器/森啓子

大儀なる生命蝗ら霜を経て/津田清子

霜柱掌に摘み百の生命見し/飯田賢一

颱風に折れたる杉の生命の香/飯田猛雄

餘の生命はらわたで啼く油蝉/田口一穂

泉掬う生命とくとく脈打ちて/大塚梅子

灯が入り生命もどりし走馬燈/菖蒲あや

ゆく水に生命うつして花菖蒲/茂木房子

生命綿ぐんぐん伸ばし鶴帰る/酒井鷺風

一瞬の生命いとほし桜咲く/碓氷すすみ

万といふ生命静かに繭こもる/三觜玲子

保育器の生命しづかに花の夜/末永柳郊

雨上がり生命の限り蝉鳴けり/長田一男

苗床の土にも生命ある如し/千本木溟子

天使は生命しづかに花圃の隅/井上美子

安らかに生命を繋ぎ葛湯吹く/雨宮抱星

蛇の殻生命なきもの怖らず/青木かくじ

風冴ゆる遠き燈と生命鮮明に/佐野美智

俳句例:21句目~

生命ありき日本と同じ夏草に/香西照雄

ががんぼに生命軽しと思ふ夜/吉村ひさ志

さくら草生命より重き正義とは/工藤孝一

初蝉やこれから生命の講義しに/熊谷静石

地に生命あづけ眠りに入る枯野/矢野芳月

富士講のリボンをつけし生命杖/中村春逸

数の子の数ある生命噛みにけり/角川春樹

生命ふと惜しや朝日子暑き日の/下村槐太

生命綱垂らして師走の鉄塔組む/原子公平

物種をにぎれば生命ひしめける/日野草城

白鳥帰る一つ一つの生命にて/加藤瑠璃子

沢の蕗切るや生命の水を吐く/吉田とみを

母瞶め生命をみつめ春夜更く/文挟夫佐恵

砂漠の木の棘は愛なり生命なり/津田清子

いとおしむ生命のあかり棕櫚の花/加藤貞子

春吹雪生命はもろきゆゑ燃ゆる/小松崎爽青

蜥蜴来て喉のしろさの生命かな/下山田禮子

生命つよかりしよ猪の内蔵の湯気/津田清子

生れて十日生命が赤し風がまぶし/中村草田男

破魔矢受くちひさき生命片抱きに/岡本差知子

俳句例:41句目~

生命あるきびしさに鳴け青葉木菟/常盤芙美男

梅酒と麦飯水が生命のたなご見つつ/磯貝碧蹄館

飯食つてゐる生命淋しい鰓のうごき/吉岡禅寺洞

ゆるくゆるく過ぐる病院の一日よ忘れいし生命の速度を思う/高安国世

桜ばないのち一ぱい咲くからに生命をかけてわが眺めたり/岡本かの子

ついに一つの生命も成さず逝きしこと雁来紅燃ゆる季近きかな/永田和宏