薬草に関連した俳句の例をまとめました。
薬草を含む俳句例
薬草の乾く庇や山の秋/芝不器男
薬草もむ婆が一息初蛙/田中英子
薬草売布一枚を日覆に/木下ふみ子
茴香の花一くくり薬草園/吉沢紀子
薬草を鹿に負はせて帰りけり/瀾水
鴉めく薬草掘りの黒支度/後藤一朗
春の土割る毒草も薬草も/岩渕ふみ
宵闇や薬草園の中の蔵/大峯あきら
岩橋や薬草刈の朝ぼらけ/尾崎紅葉
月山の薬草乾く月夜かな/黒田杏子
薬草は吊干し豆は筵干し/島田秋牙
薬草の乾きぬ山は深眠り/柴崎絢子
玉葱も薬草も吊る母の家/国府由子
秋晴や薬草講義谺呼び/和田ゑい子
薬草の一束揺れる神無月/飯田龍太
軒に吊る薬草匂ひ秋の昼/渡辺渓歩
軒下に吊るす薬草原爆忌/直田豊人
首吊の軒薬草のからと鳴り/石寒太
伊吹嶺に雪煙見ゆる薬草屋/後藤和朗
君知るや薬草園に紫蘭あり/高濱虚子
俳句例:21句目～
城内は薬草園や罌粟若葉/今井千鶴子
屋根の上に草茂り居り薬草園/桂信子
薬草を採りぬ西日の伊吹道/傍島弘哉
薬草も花咲く伊吹お花畑/能見矢重子
次の間も薬草の荷か雪明り/友岡子郷
薬草茶いろいろ味見盆休/有澤かりん
陰干しの薬草なじむ勿来跡/加藤憲曠
青き海見ては薬草掘りにけり/松本旭
薬草の大きな袋梅雨に入る/坂井あかり
薬草をつれるとぼそや秋燕/鈴鹿野風呂
薬草を乾して牧舎の百合咲けり/及川貞
薬草園くすりも毒も末枯れて/坂田栄三
薬草園の蛇もしずかに落魄へ/安井浩司
薬草園雨に通草のころがりて/有森一雄
ヂキタリスその他薬草花盛/加賀谷凡秋
初夏の霧薬草園の罌粟に飛ぶ/高濱年尾
毒あるも無きも薬草うらがるる/上村占
老鶯の語尾つまらせて薬草園/塩川雄三
霜除の畝とりどりに薬草園/長屋せい子
薬草として見るときの春の草/稲畑汀子
俳句例:41句目～
買初はささやかなりし薬草茶/中村孝子
八月の山毛欅の木洩れ日薬草に/高澤良一
修験者みち落葉の嵩に一薬草/深野カツイ
薬草の湯に子を浸す炎暑かな/福田甲子雄
梅雨晴間薬草箪笥に残りし香/濱田未過去
いつまでの梅雨か薬草煎じをり/西田孤影
薬草も生草の間のきりぎりす/百合山羽公
吊つてある薬草の束秋澄みぬ/藤田あけ烏
荒れ果てし薬草園に月のぼる/夏井いつき
薬草としてかたくりの花の谷/田畑美穂女
薬草を掘るまなかひに那智の滝/上村英雄
掘つて帰る薬草紫花を開きけり/喜谷六花
薬草の乾ききらずに梅雨に入る/米山きみ子
薬草を干しあげ春を身ごもりぬ/木村あき子
薬草を摘み居れば園の孔雀鳴く/河東碧梧桐
林中に雨後の靄込め一薬草/石原栄子「山火合同句集」
