「メーデー」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「メーデー」について
【表記】メーデー
【読み方】めーでー
【ローマ字読み】mede
子季語・関連季語・傍題・類語など
・労働祭(ろうどうさい:rodosai)
・労働節(ろうどうせつ:rodosetsu)
・五月祭(ごがつさい:gogatsusai)
・メーデー歌(めーでーか:medeka)
・メーデー旗(めーでーき:medeki)
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季節による分類
・「め」で始まる春の季語
・「春の行事」を表す季語
・「晩春」に分類される季語
月ごとの分類
メーデーを含む俳句例
千人が花の息吹の労働祭
千人が花の息吹の労働祭
老守衛口あけ歌ふ労働祭/轡田進
晩餐に豚の耳削ぐ五月祭/石嶌岳
子を守るや雨のあなたのメーデー歌
吊革に顔一つづつ労働祭/奈良文夫
労働祭赤旗巻かれ棒赤し/三橋敏雄
労働祭朝の汚れぬ顔急ぐ/殿村菟絲子
焼跡に垂込め居りし労働祭/石田波郷
巨き船造られありて労働祭/山口誓子
水際に転ぶ風船メーデー歌/木内彰志
馬と人泥田に挿さり労働祭/西東三鬼
メーデーの歌は聞えね雪柳/中村汀女
風の幹攀づ蟻のあり労働祭/伊東宏晃
福相がなぜか旗もつ労働祭/是枝よう子
メーデー歌遠し三尺の紙の鯉/皆川白陀
太陽一つずつ労働祭の水たまり/島津亮
メーデーや子を鷲掴む労働者/辻田克巳
メーデーのデモ先頭を麦粒腫/乾鉄片子
メーデーや親子二代の炭坑夫/河原好枝
俳句例:21句目~
メーデーや中国略字坐り悪し/奈良文夫
メーデーの人形一座通り過ぐ/斉藤夏風
メーデーに加はることに妻不服/川崎克
メーデーを妊る犬と遊びをり/岡田久江
菓子パンを買ふも労働祭の中/齋藤夏風
労働祭汽罐車日浴びつつ憩ふ/藤田湘子
メーデーの前夜救世軍伝道を/山口青邨
メーデーの原宿に来て別れけり/石寒太
メーデーの友に手を振る停年後/柊愁生
メーデー歌雪形の出る岳の街/北沢/昇
メーデー歌うたふ踵に力こめ/菖蒲あや
メーデーの束の風船昇天す/橋本美代子
メーデーの雨の川渦激すかな/皆川白陀
まどろすが丹の海焼や労働祭/山口誓子
雑役の母メーデーの先頭を/坂井まさき
メーデーやあぐる拳に日燦々/南光翠峰
已むを得ず後尾乱るる労働祭/太郎良昌子
メーデーに歩幅正しく義足蹤く/稲富義明
噴水や一刻まへのメーデー歌/百合山羽公
メーデーの一日を墓に遊びをり/石田波郷
俳句例:41句目~
メーデー旗風を孕むを支へ行く/大橋敦子
メーデーの列のをはりに爆心地/古館曹人
労働祭厨夫は船の湯にひたる/米沢吾亦紅
葱苗を提げメーデーの後に蹤く/石川文子
メーデーの歌はざる顔窓に満つ/岡田貞峰
五月祭サンチヨパンサの科白拙/木村蕪城
産声を聞くメーデーを戻り来て/茨木和生
メーデー歌吹き上げ来る天守閣/大橋敦子
労働祭五十路の歌は口あけず/米沢吾亦紅
風船のひとつのしぼむメーデー歌/石寒太
メーデーや我が青春のコッペパン/原昭二
メーデーや文化革命あともなく/若林南山
メーデーや新刊表紙そり身がち/宮坂静生
雨降らば降れメーデーの旗滲む/原田種茅
メーデーの日の空席に本置かれ/森田智子
労働祭前夜の機械いたわり拭く/内藤吐天
メーデーの遂に一人の家路にて/伊丹丈蘭
列緩み後尾事務的にメーデー行く/有働亨
乳母車押しメーデーの列にあり/山崎一角
メーデーを忘じてゐたり働きて/鈴木栄子
俳句例:61句目~
メーデー下黒き洋傘持ちつづけ/萩原麦草
城を見に来てメーデーに無関心/山田弘子
メーデーの風船五彩太陽へ贈る/古沢太穂
踏みしだく芝の青さや労働祭/水原秋桜子
何用もなくメーデーの海へゆく/増成栗人
メーデーの掌に石鹸の泡を盛る/本庄登志彦
メーデーの旗かき分けて風船遁ぐ/右城暮石
メーデーの歌去つて燗つきにけり/石川桂郎
メーデーの細胞いまはつつじ提ぐ/横山房子
メーデーやビルはすこしく傾きぬ/清水昇子
メーデーを太く詠みたし詠めざりし/大牧広
メーデーを待つ芝に坐し芝に立ち/塩川雄三
メーデーの縄を張りゐる巡査かな/岸風三樓
一本の白髪するどしメーデー歌/加藤知世子
下水溝もてメーデーの列と劃す/加倉井秋を
俗吏とし老いメーデーの列にあり/岸風三樓
吹降りのメーデーの旗重きデモ/徳尾野葉雨
歩く子も歩かざる子もメーデーに/中川秋太
白猫の俄か閉ざす目メーデー歌/河野多希女
眼細めてジグザグ行進メーデー歌/右城暮石
俳句例:81句目~
総身の雨にひたぬれメーデー歌/瀧尻/佳子
老いにきと涙ぐみ聴くメーデー歌/下村槐太
五月祭緑のペンキすぐなくなる/田川飛旅子
夫婦してラーメンすする労働祭/坂本登美子
暮れてなほ風樹はみどり労働祭/冨田みのる
メーデーの一兵卒となりにけり/成瀬正とし
メーデーの人往く倉庫の高壁沿ひ/北野民夫
メーデーの列しんがりの明るかり/木村滄雨
メーデーより帰り掻込む茶漬かな/成瀬正とし
ねむき子を負ひメーデーの後尾ゆく/佐藤鬼房
ガスタンクが夜の目標メーデー来る/金子兜太
夜具干して労働祭の水夫かへらず/米沢吾亦紅
メーデーのこゑ無帽こそわが自由/榎本冬一郎
メーデーの列に紅き傘たしかに過ぐ/原田種茅
メーデーの揃ひの帽子どぜう屋へ/立本美知代
メーデーの行くさきざきの赤躑躅/山田みづえ
仮に吾にメーデーの旗担がせれば/加倉井秋を
メーデーや鯉を集めて日暮まで/鍵和田ゆう子
水飲んでさらばかの日のメーデー歌/湯浅康右
メーデーの列の少女とも無縁なり/加倉井秋を