季語/鳥兜(とりかぶと)を使った俳句

「鳥兜」を使用した俳句についてまとめてみました。

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季語「鳥兜」について

【表記】鳥兜

【読み方】とりかぶと

【ローマ字読み】torikabuto

子季語・関連季語・傍題・類語など

・鳥頭(とりかぶと:torikabuto_)

・兜菊(かぶとぎく:kabutogiku)

・兜花(かぶとばな:kabutobana)

季節による分類

・「と」で始まる秋の季語

・「秋の植物」を表す季語

・「仲秋」に分類される季語

月ごとの分類

9月の季語

鳥兜を含む俳句例

仄暗き人妻となり鳥兜/鳴戸奈菜

山くらし山人くらし鳥頭/齋藤玄

心臓の鼓動移りぬ鳥兜/高澤良一

白樺の大露に咲く鳥兜/飯田蛇笏

いつ果つる人と並びて鳥頭/齋藤玄

今生は病む生なりき鳥頭/石田波郷

入口と出口に高く鳥兜/宇多喜代子

常念岳の夜の深さや鳥兜/長沢常良

鳥兜日高アイヌは点在す/嶋田一歩

鳥兜手折れば山の雲迅し/菅原文子

鳥兜都はいつも犇めきて/柿本多映

能面の唇に塗りたし鳥兜/阿部佑介

山裏に山の音せり鳥兜/成沢たけし

目が利きて林の中の鳥兜/鶴田玲子

人嫌ふこと許されず鳥頭/草間時彦

火の山にかぶさる雲や鳥兜/高橋悦男

体にも限界が来て花は鳥兜/堀内一郎

天塩路や霰に残るとりかぶと/齋藤玄

鳥かぶと石の佛に石積んで/関戸靖子

踏み入りし森の深さや鳥兜/伊勢由美子

俳句例:21句目~

ここらまで平家落ち来ぬ鳥兜/高澤良一

しのばるゝその世の古潭鳥兜/横山圭洞

鳥兜毒もちて海の青透けり/加倉井秋を

その話何ンなの何ンなの鳥兜/岡田史乃

白露や花を尽さぬ鳥かぶと/橋本多佳子

とりかぶと夜伽の紐の前結び/伊藤通明

とりかぶと軽便まれの音高し/堀口星眠

とりかぶと霧の奔流湖に消ゆ/堀口星眠

めくら縞むかし着にけり鳥兜/河村静香

十歩入り憩ひし山の鳥かぶと/高野素十

鳥かぶと落石またも霧を裂く/岡田貞峰

方寸に森の日そそぐ鳥かぶと/白岩三郎

色濃ゆし氷河の跡の鳥かぶと/山下智子

蕊秘して後ろに佇てり鳥兜/金箱戈止夫

蜂呑んで日をはじきたる鳥兜/宮岡計次

すでにふかく眠る男ら鳥かぶと/飯島晴子

幾人か敵あるもよし鳥かぶと/能村登四郎

わが中のユダ夕影の鳥かぶと/金箱戈止夫

岬まで濤は地に伏しとりかぶと/古館曹人

荒寥と熊の湯ちかき鳥かぶと/水原秋櫻子

俳句例:41句目~

今以て蝦夷と言はれる鳥かぶと/辻井のぶ

霧の掌に拈華微笑のとりかぶと/加藤楸邨

鬼女祀る堂出て日暮とりかぶと/高澤良一

鳥かぶとすつくと故郷遥かなり/大野悠子

鳥かぶと牧への道の雲と在り/篠田/麥子

鳥かぶと近江商人荷を負へり/磯貝碧蹄館

鳥兜ずたずたに葉の裂けてをり/太田土男

鳥兜人は死なずば生くるのみ/豊長みのる

とりかぶと兜ゆるめて咲きほけぬ/角松石

あざやかに鳥獣保護区とりかぶと/黒田杏子

火曜日の沖へ逃げ出すとりかぶと/坪内稔典

貸馬は駈けず霧飛ぶとりかぶと/小林黒石礁

牧をゆく水ささやきつ鳥かぶと/岡本まち子

とりかぶと霜の一二度にも強し/佐藤多太子

とりかぶと利鎌に載せて来りけり/北澤瑞史

一だんと濃き鳥兜尾瀬にきし/山崎/くに子

鋲抜けてをどる木道や鳥かぶと/大森三保子

とりかぶと雫ばかりを身づくろふ/鳥居美智子

とりかぶと紫紺に月を遠ざくる/長谷川かな女

鳥かぶと背筋のばして咲きにけり/福田甲子雄

俳句例:61句目~

とりかぶとアイヌねぎなど萌えにけり/鈴木洋々子

秋の季語
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