俳句例:101句目～
紙漉きの若水汲んでゐたりけり/坂内佳禰
若水をゆりこぼしゆく坂がかり/青木重行
川霧の宇治に来てをり若井汲む/上野一孝
火の山の神の若井をくみにけり/大山雅由
若水となりて蛇口をほとばしる/高松慶子
若井汲む老母に小雨降りつのり/江口啓子
若水にざぶと雙手やはしけやし/星野立子
若水に松せり出して汲まれけり/佐野鬼人
若水を汲むための井戸波寄する/加藤憲曠
あかつき汲む杉の匂ひの若井桶/つじ加代子
若水のひとくちに身の引き締まり/岡安仁義
若水にはじける空気吸ひにけり/新谷ひろし
若水や映るものみな雪景色/吉武月二郎句集
若水や闇をぬぎゆくはねつるべ/徳永山冬子
若水や父にやさしき娘をばもち/深川正一郎
若水にさますべき酔のこりをり/伊藤三十四
背戸の星ふりかむりつゝ若井汲む/衣川志水
鹿は奈良の若水の灯に啼くもよし/久米正雄
若水をはじきほのぼのたなごころ/野澤節子
沢沿ひにゆくは若水汲む灯かも/白岩てい子
俳句例:121句目～
変若水呑みまた霊加へ荒れ神輿/加倉井秋を
すこやかに生きる若水汲みにけり/倉持富陽女
汲みあぐるほどに湧き出て若井かな/鷹羽狩行
太古よりの山毛欅の若水汲みにけり/阿部風々子
