藁屋に関連した俳句の例をまとめました。
藁屋を含む俳句例
梅藁屋建仁寺垣衡門/正岡子規
落栗や藁屋の夢も醒る程/太無
冬枯の町に藁屋の二三軒/上村占
雀の巣もとの藁屋に帰けり/立独
豆音も聞かぬ藁屋に是や此/嵐雪
木守柿藁屋寄棟造なる/京極杞陽
一八や錦鯉飼ふ大藁屋/吉井莫生
花大根藁家二軒の峡かな/飯田蛇笏
青田風吹く一村の大藁屋/吉光久馬
この村の最後の藁屋鳳仙花/柚口満
大藁屋幕むらさきに春祭/藤岡筑邨
桃林へ已に藁家の桃多し/尾崎迷堂
大藁屋雛も闇を含みけり/橋本榮治
奥谷を守りて藁家の武者幟/原柯城
三階の藁屋の障子山は秋/皆吉爽雨
成木責大藁屋にて子沢山/甲斐遊糸
秋天や覗けば暗き大藁家/松下金鹿
藁屋より蝶出て広き塩害地/飴山實
落人の裔の藁屋の京鹿子/佐藤至朗
初雪の瓦屋よりも藁屋哉/正岡子規
俳句例:21句目～
茶の花や藁屋の烟朝の月/正岡子規
鰯干す宮も藁屋も温かし/前田普羅
海棠や藁屋造りの法華寺/平野木守
雨やんで月に藁屋の軒雫/西山泊雲
藁家の右に傾くふくべかな/正岡子規
お降りや街中にある大藁屋/北野民夫
軒高く藁屋明るし雛かざる/滝井孝作
一藁家に没日の光背親鸞忌/香西照雄
万才の泊るならはし大藁家/大隈米陽
梅さくや藁屋四五軒犬の声/正岡子規
独り尼藁屋すげなし白躑躅/松尾芭蕉
元日や藁屋も見えて山の宿/会津八一
花栗に枕みて大き藁屋なり/三宅句生
堀を左藁家を囲む芥子赤し/会津八一
絵行器の物めく藁屋興深し/尾崎紅葉
立春の雪白無垢の藁家かな/川端茅舎
山吹や藁屋を叩く武者一騎/正岡子規
白梅に藁屋の飛んで来し如く/大串章
暁の富士瓜刻む音藁屋より/吉野義子
簷厚く牡丹を圧す藁屋かな/久米正雄
俳句例:41句目～
年々や藁家もすてず雀の巣/正岡子規
朝霜や藁家ばかりの村一つ/正岡子規
朝顔にまだ月影の藁家かな/中島月笠
大和路の宮も藁屋もつばめかな/蕪村
藁家をめくりて柿の紅葉哉/正岡子規
藁屋より新干瓢に日が烈し/古舘曹人
大藁屋柿をたわわに山の村/福本天心
大名を藁屋にとめる夜寒哉/正岡子規
鉄骨に変る藁屋や小豆干す/福川悠子
夜桜や二階灯りて大藁家/島村元句集
春なれや満月上げし大藁家/川端茅舎
籾干して谷戸一番の大藁屋/高木晴子
朝霜の藁屋の上や富士の雪/正岡子規
水ひろく藁家うつれる芒かな/中島月笠
燐寸しめり帰雁の閑に一藁屋/古舘曹人
生剥に怯えて暗き藁屋の灯/塩田薮柑子
秋ざくら牛も家族の大藁屋/柴田白葉女
竹林の藁屋へ咳の子をかへす/梶/千秋
臘梅や日をたつぷりと大藁屋/磯崎兼久
ながれこむ霧に藁屋の戸を下す/上村占
俳句例:61句目～
藁屋みな櫺子窓あり葡萄垂れ/木村蕪城
不孝者へ崖なす藁家燈の障子/香西照雄
二タ夏炉ありて涼しき大藁屋/西本一都
藁屋一つ祈るかたちの男郎花/丸山海道
蟇鳴いて孤島のやうな大藁屋/成田千空
囀のこぼれわかれて二タ藁屋/橋本鶏二
藁塚や吾も藁屋の子と生れし/右城暮石
春の夜の藁屋ふたつが国境ひ/飯田龍太
長屋門くぐりて秋の大藁屋/高野イツ子
桃咲く藁家から七十年夢の秋/橋本夢道
桑の花奥に大きな藁屋あり/石井とし夫
雲雀鳴く常念仏の藁屋葺き/大阪-芭蒼
青梅や藁屋醒めゆく一つ星/柴田白葉女
梅咲くや大藁家から馬を出す/橋本夢道
鬼ぐるみ除もて藁屋高み持つ/宮坂静生
鯉幟江戸の名残りの大藁屋/藤原伊都子
月おぼろ藁屋にこもる笑ひ聲/幸田露伴
藁塚やわれも藁家の子と生れし/右城暮石
春風の吹いておりたる藁屋かな/倉田紘文
春水にすつぽりうつる藁屋かな/橋本鶏二
俳句例:81句目～
春の日や住まば藁家の小高みに/尾崎紅葉
柿吊つて藁屋にもある手摺かな/橋本鶏二
赤彦忌藁屋しづくの光曳く/鍵和田ゆう子
大藁屋二軒の谷戸の梅咲けり/大場白水郎
近づけば梅も藁屋も大きけれ/波多野爽波
墓枯れて藁屋の雀痩せにけり/広江八重桜
雪の野にところところの藁屋哉/正岡子規
花蕎麦やサイロに藁屋縋り居て/宮坂静生
麦の風光りあつまる藁屋あり/水原秋櫻子
蕎麦の花に月あり藁屋暮れんとす/高浜虚子
しよんぼりと雪の日中の藁家かな/中島月笠
藁家の陰に黒い鶏ゐて秋雨が光る/大橋裸木
藁家解体紅きかまつか弔花とし/文挟夫佐恵
秋の野は藁屋一ッにくれにけり/二葉亭四迷
梅雨の藁家巨岩暮るるに異ならず/香西照雄
素十忌の藁屋に湯気の立ちのぼる/蟇目良雨
夕顔に雑炊あつき藁屋かな/越人「春の日」
桐の実の落ち散らばりて藁屋かな/生田露子
吾妻コート藁屋の霜はあはれまし/尾崎紅葉
初音して湖北藁屋のうすあかり/鷲谷七菜子
