「朝顔」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「朝顔」について
【表記】朝顔
【読み方】あさがお
【ローマ字読み】asagao
子季語・関連季語・傍題・類語など
・牽牛花（けんぎゅうか：kengyuka）
・西洋朝顔（せいようあさがお：seiyoasagao）
・空色朝顔（そらいろあさがお：sorairoasagao）
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季節による分類
・「あ」で始まる秋の季語
・「秋の植物」を表す季語
・「初秋」に分類される季語
月ごとの分類
朝顔を含む俳句例
蕣の花の浮世や斎坊主/立詠
朝顔や明星すめる足盥/亀友
蕣に簀干のも見て過ぬ/白雄
朝顔となりて七八日の蔓/占
朝顔よ一番馬の鈴の音/北空
朝顔に風新しき朝朗/高澤良一
朝顔に島原ものゝ茶湯哉/無腸
蕣や昼は錠おろす門の垣/芭蕉
蕣の蔓朔日の風抱ふ/高澤良一
蕣や梢に垣の這ひあまり/杉風
妊るか朝顔の雨松の雨/齋藤玄
鵯や昼の朝顔花細し/子規句集
蕣の油ぞ瓦灯明けにける/調鶴
露深く朝顔の花の並び哉/聞詩
休暇はや白朝顔に雨斜め/汀女
僧朝顔幾死に返る法の松/芭蕉
暁の紺朝顔や星一つ/高浜虚子
蕣に箕干のも見過ぬ/加舎白雄
土に這ふ朝顔は猶哀なり/闌更
細格子朽ちて朝顔紺深し/林翔
俳句例:21句目～
朝顔や夢の浮橋かけ渡し/北枝
朝顔や夕の人のなき便り/支考
朝顔や団扇は縁に宵の儘/也有
ひやひやと蕣のさく垣根哉/士朗
山里の蕣藍も紺もなし/正岡子規
逆上の人蕣に遊ぶべし/子規句集
袖垣の朝顔大破一夜風/高澤良一
床ずれに白粉ぬりぬ牽牛花/木歩
朝顔の莟かぞへむ薄月夜/田上尼
蚊屋ごしに蕣見ゆる旅寝哉/士朗
蕣や相敬し住む老夫婦/岩木躑躅
蕣や十日戻らぬ小商人/子規句集
朝顔に暁天の色映りけり/柴浅茅
朝顔や昼は鎖おろす門の垣/芭蕉
朝顔にしばし胡蝶の光り哉/其角
蕣の花を見たさの丸寝かな/亀女
朝顔や漏斗置きたる石の上/紅緑
何を得し夏ぞ朝顔いろ深し/林翔
朝顔の庭より小鰺届けけり/龍男
朝顔や横たふは誰が影法師/一茶
俳句例:41句目～
朝顔も辻番持か神の垣/中村史邦
朝顔のぱつと開きし濃紫/星野椿
朝顔や松の梢の花一つ/子規句集
蕣の咲くや親にも叱られず/智月
蕣に鴬見たりくれの秋/高井几董
朝顔に煤が降る月島に住む/正雄
朝顔や紫しぼる朝の雨/子規句集
末枯の朝皃小さし葉も花も/青々
朝顔に皿まで喰らう耳男/仁平勝
茅舎亡き朝顔に露石に露/森澄雄
朝顔の瑠璃に愕く燕かな/原石鼎
朝顔の生粋の紺母の紺/村中登子
朝顔や天を仰ぎて漱ぐ/福田蓼汀
秋風や朝顔松の上に咲き/龍岡晋
朝皃や髪結がしる花盛/井原西鶴
朝顔の裂けてゆゝしや濃紫/石鼎
朝皃や夜明の蜻蛉一つ飛ぶ/龍雨
朝皃や六郷さまの臼窓/増田龍雨
朝顔の紺に山風疾走す/萩原麦草
朝皃にうすきゆかりの木槿/蕪村
俳句例:61句目～
土近く朝顔咲くや今朝の秋/虚子
朝顔の百花登校誘ひあふ/長田等
朝顔や同じ工場へ姉妹/田村了咲
朝顔や衰へて妻の前通る/岸田稚
塵塚に蕣さきぬくれの秋/炭太祇
朝顔や町の中なる舟着場/大串章
夏近し朝顔形の白き雲/京極杞陽
朝顔や露もこぼさず咲ならぶ/樗良
朝顔がのぼりて候竹の垣/椎本才麿
朝顔や静かに霧の当る音/鈴木花蓑
朝顔や飯焚き乍ら汲み乍ら/原月舟
朝顔や飼ひ鶯にかゝる蛇/久米正雄
朝顔や鮒子の遊ぶ池の側/小澤碧童
朝顔を煽ぎて遊ぶ扇かな/前田普羅
きぬ～や朝顔はさむ額髪/尾崎紅葉
朝顔のみな空色に日向灘/川崎展宏
朝顔を草と見るまで秋闌けぬ/成美
この頃の蕣藍に定まりぬ/正岡子規
朝顔と赤坊の瞳と暁涼し/福田蓼汀
朝顔にうすきゆかりの木槿哉/蕪村
俳句例:81句目～
朝顔鉢郵便局の屋後かな/松藤夏山
梅の後蕣のはなの一輪ぞ/松岡青蘿
浜に住んで朝顔小き恨みかな/漱石
朝顔にけふ日曜で予定なく/隈柿三
ふるさとに朝顔の紺海の紺/有働亨
朝顔にしばし憩へり吾心/高木晴子
減り行くや月と酢瓶と朝顔と/乙二
朝顔の二つ赤しや草の中/岸本尚毅
点鬼簿の夕顔朝顔昼顔よ/高柳重信
朝顔の二輪重なり紺深し/福田蓼汀
熊野の如朝顔の如金かな/京極杞陽
皺のばす朝顔の種つつむ紙/桂信子
種あつめゐて朝顔の色忘る/飴山實
朝顔の種採る後姿かな/八木林之介
老が命その朝顔の幾鉢ぞ/尾崎紅葉
蕣に今朝も手水をわすれたり/酔滴
朝顔に今生の海集まりぬ/櫂未知子
蕣に垣ねさへなき住居かな/炭太祇
朝顔に口笛ひよろと夏休/中村汀女
蕣に鳴や六月ほとゝぎす/榎本其角
