季語/春着(はるぎ)を使った俳句

俳句例:201句目~

春著の妓はや酔うてゐる手をつかへ/高濱年尾

からたちの垣に沿ひけり春著の子/加藤三七子

深夜放送ジヤズばかりなり春着縫ふ/越水照子

春著縫ふ心もとなき眼となりぬ/阿部みどり女

母の手の冷えきつてゐる春著かな/大木あまり

春著の子まるぽちやの手を膝の上に/高澤良一

つゝましく羽織著なせる春著かな/久保田万太郎

あらたまの春著に着かへ用のなき/久保田万太郎

春著きて人めなければ泣きしとふ/久保田万太郎

つれだつとより寄添へる春着かな/久保田万太郎

春著ひらりと来て去る無力な虎の眼に/伊丹公子

百舌鳥すゞめばかりの里の春著かな/百合山羽公

はや~と著かへてさむき春著かな/久保田万太郎

春着の句羽子の句毬の句なりけり/久保田万太郎

春着の妓近づき来小きざみに小ばしりに/星野立子

ぜいたくのありたけつくす春著かな/久保田万太郎