会釈（あしらい）に関連した俳句の例をまとめました。
会釈（あしらい）を含む俳句例
会釈して金壷眼冬木伐/森澄雄
会釈して通る国境夏薊/赤尾恵以
枯深し光と見しは遠会釈/岡本眸
春泥に歩きなやめる遠会釈/立子
大仏の境内梅に遠会釈/高浜虚子
麦踏の姿勢崩さず遠会釈/本庄初代
美しき会釈雨上りの展墓/辻田克巳
緑蔭に会釈鷹揚老貴族/成瀬正とし
朝涼し僧の会釈と白芙蓉/角川春樹
学童の会釈優しく草紅葉/杉田久女
会釈して影の縮まる彼岸婆/岸田稚
会釈して杖の人行く青嵐/一瀬恒徳
春あさき人の会釈や山畑/飯田蛇笏
会釈して水口祭の峠神/大井戸/辿
門通る人に会釈や糸繰女/高橋淡路女
行合ひし尼の会釈や萩の道/菊地由恵
会釈したき夜明の人よ夏柳/渡邊水巴
短日や賎が会釈の羞かしく/飯田蛇笏
捩花や少女の会釈大人びて/関口湖舟
目と目遇ふ甚平同志軽会釈/高澤良一
俳句例:21句目～
あるかなし会釈の別れ夕牡丹/谷口桂子
すれ違うリフトの会釈夏帽子/高松政子
竹皮を脱ぐ太陽に会釈して/青木よしを
笑みと云ふ無言の会釈暖かし/田中暖流
袋掛けする手は止めず遠会釈/楢原清子
観菊や芝生の人に御会釈/長谷川かな女
遠会釈しつつ吹くなり鉾の笛/西田栄子
草いきれ女童会釈してゆきにけり/蛇笏
人違いらしき会釈の冬帽子/谷原おさむ
遮断機の向かふの会釈黄水仙/中山咲枝
会釈してかへりみらるる夕桜/大石悦子
会釈してわが影縮む寒すずめ/根岸善雄
会釈して夏の限りの水を撒く/川崎展宏
鉢巻をとつて会釈や大根引/高橋淡路女
会釈して海苔船の行く玉津島/大北/穆
遠会釈して合格の母子かな/永田耕一郎
八乙女の遠くの一人より会釈/小畑一天
暖に笑ひこぼるゝ会釈かな/高橋淡路女
月の隈逢瀬の会釈こぼしけり/野村喜舟
会釈され思ひ出せぬ名赦免花/川村紫陽
俳句例:41句目～
深雪晴誰にも会釈したくなる/長谷川春
片蔭や会へば妻にも会釈して/黒木夜雨
病室へ妻会釈して春着きて/鳥居おさむ
目会釈をして道中の女かな/楠目橙黄子
焚火離る誰にともなく会釈して/鈴木鷹夫
なまはげや婆に会釈しあと猛る/藤原嶺人
夏帽子共に脱がざる会釈かな/涌喜摩耶子
ふらここの会釈こぼるるや高みより/太祇
スキーの子バスに会釈や追縋り/川端茅舎
乳母の子に会釈せられぬ麦の秋/野村泊月
塩袋積む会釈かなあまどころ/鳥居美智子
花の袖見知らぬ人と会釈せり/加地二小枝
苺買ふなじまぬ人に会釈して/柴田白葉女
涅槃西風声とはならず遠会釈/池上於菟吉
目があへば会釈涼しく返り来る/星野立子
訪はねども厄出て会釈名草の芽/星野立子
迎へ火や知らぬ門にも会釈して/伊藤静代
遠会釈日傘の色におぼえあり/室町まさを
御慶ともなく交されて佳き会釈/椋/砂東
餅つきに会釈の僧のちやん～こ/河野静雲
俳句例:61句目～
初音してどちらからともなく会釈/小出秋光
覚えなき会釈にあえり春シヨール/鈴木三伸
ねんごろに会釈しあうて富士講者/沖/鴎潮
会釈したき新雪の富士麦を蒔く/粟飯原孝臣
会釈して母の見知りや鬼やんま/猪俣千代子
近よれぬあたたかき眸に遠会釈/稲垣きくの
会釈する冬の帽子に憶えなし/長谷川かな女
春シヨール肩すべらせて会釈かな/相川洋子
野は豊年見知らぬ人と会釈して/北原志満子
吹き散るはヨット部員の会釈かな/茂里美絵
鵙に逢う人々のみな会釈して/長谷川かな女
春シヨール会釈のひまを滑り落つ/赤松ケイ子
木苺かげの会釈透きくる女王の国/平井さち子
会釈の皓歯田植の笠にすぐをさめ/上田五千石
遠会釈するも芥子の緋の一杯に/阿部みどり女
鵜をさばくひまの会釈をくれにけり/皆吉爽雨
そのまゝといはれ会釈しコートぬぐ/星野立子
端居僧緋鯉真鯉に会釈して/座光寺亭人「流木以後」
遠会釈まくなぎをうちはらひつつ/富安風生「冬霞」
