乾風(空風涸風)を使用した俳句

乾風(空風涸風)に関連した俳句の例をまとめました。

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乾風(空風涸風)を含む俳句例

空風や練馬の駅の大泉/石塚友二

隧道に空つ風抜け新任地/岡島鈴子

強乾風浦の葬列人まばら/田中耕蝶

遮れる何物もなく空つ風/豊田光世

赤城山までがこの村空つ風/岸善志

故郷は火の見櫓と空つ風/児玉岳陽

胸中に抱く珠あり空ッ風/富安風生

空ッ風鼻から耳の底へ孔/神谷瓦人

空風や湾口に泛く荷物船/飯田蛇笏

文明も鬼城も育ち空っ風/中澤茂子

日の光まぜつ返して空つ風/檜紀代

空つ風濁りし胸の打診音/村本畔秀

清教徒着きし岬の空つ風/仙田洋子

空風の東京夫と別行動/橋本美代子

空つ風埃吹き上げ慈善鍋/高野素十

産土の砂が砂擦る空つ風/三橋敏雄

百獣の王寝てばかり空つ風/高澤良一

棺覆ふ乾風の木叢禽啼ける/松村蒼石

空つ風拓地に多き火傷の子/宮坂静生

空風に煽られ煽られ我家に/蛯名玄浪

俳句例:21句目~

空つ風忘れて過ぎし菊屋橋/石川桂郎

井の中の星まで傾ぐ空つ風/佐藤玉鴻

空風にガサツな歩き方通す/高澤良一

空つ風に抗ふかたち森北高/大熊輝一

鯔網に冬ふかみつつ空つ風/飯田蛇笏

空つ風瞽女宿ありし野道かな/渡辺梓

中心に火の如きもの空つ風/根本成子

牛は生涯大空を見ず空つ風/宮武寒々

退路なし追剥めける空つ風/笠原ひろむ

すがれたる蔓の蔓打つ空つ風/高澤良一

ぼろ市の旗よろこばす空つ風/日野口晃

上州の空つ風さへなく晴れて/稲畑汀子

人間の嘘生きはしる空つ風/能村登四郎

信濃より音曳いてくる空つ風/廣瀬直人

八束亡く憂き世仮の世空つ風/小出秋光

手の空や蝉殻の空風が過ぐ/櫛原希伊子

東京に疲る空風に髪吹かれ/橋本美代子

物売りの声のとぎるる空つ風/貴田将子

空つ風たつた一人の戸を叩く/高橋イネ

目に耳に又空風が余るなり/相生垣瓜人

俳句例:41句目~

空風となるか葬花の脚くくる/大沢淳子

空風にご幣ひらひら道祖神/斉木うた子

空風に場所を置き去る靴磨/百合山羽公

空風の道ゆくは野良人ばかり/太田鴻村

竹藪の日を踊らせて空つ風/福田千栄子

翔ちし鷺吹き戻されし空つ風/永井善郎

路鋲ふむ靴のあらたに空つ風/飯田蛇笏

追ひ打ちのごと上州の空つ風/宮田藤仔

乾風吹くこのはふり路忘れめや/松村蒼石

空つ風の吹き広げたる空と思ふ/石井紅楓

空風に乾びてゐたり氷下魚売/金箱戈止夫

空風に園児吹き飛ばされしとか/川井梅峰

秩父囃止めば泣くよな空つ風/斎藤千代子

牡蠣殻の山空風と馴れ合ふよ/百合山羽公

空風は青空の日を支へたる/阿部みどり女

山が山呼んで暮れゆく空つ風/千代田葛彦

空風や吹き分れたる石たゝき/島村元句集

吹けば憂し吹かねば淋し空っ風/定方英作

空風や鎖骨に触るる主治医の手/高澤良一

空風を繰り出して山何もなし/百合山羽公

俳句例:61句目~

自販機の明るき路地の空つ風/佐倉あさ子

空風も詰めだるま籠真ッ赤なり/宮津昭彦

ふうの木に棲みついてゐて空風/両角玲子

空ツ風に髪吹かれ東京に疲る/橋本美代子

空つ風六区は塵をとばすばかり/千葉玲子

釜の湯のうまくなる夜ぞ空つ風/落合水尾

市はここ人まばらなる乾風かな/津田一鳳

飛花たかく瑠璃空風は濁りけり/西島麦南

蕎麦食ひに出て父の忌の空つ風/奈良文夫

空つ風どんと吾が家を衝きにけり/高澤良一

空ッ風にわかに玲瓏となるときも/金子兜太

空風に逆らふ睫毛もてあます/長谷川かな女

空ッ風餅搗く音のどこよりか/久保田万太郎

空ツ風にわかに玲瓏となるときも/金子兜太

二タ七日身ぬちすぎゆく空つ風/瀬野美和子

おでんやの湯気吹き飛ばす空ッ風/高浜虚子

吹き寄せられてゆく東京の空つ風に/高澤良一

空つ風の刺されし毛穴持て歩く/斉藤きよう子

空風にかなしき胼のきれにけり/阿部みどり女

風の無い夜は厭だと空つ風に死にゆけり/石橋辰之助