マリア/マリヤ）に関連した俳句の例をまとめました。
マリア/マリヤ）を含む俳句例
水馬マリヤの姿乱れざる/森田峠
初蝶を御手より放ちマリア像/堤京子
爽かにマリア讃美の稿起す/景山筍吉
噴水の中心マリア像めける/藤田輝枝
朝焼や聖マリヤの鐘かすか/山口誓子
新涼のマリアに灯す燭七つ/景山筍吉
聖マリヤ像に立てかけ捕虫網/岬雪夫
霜月や手燭の翳のマリア像/倉田春名
おぼろ月あげ潮騒のマリア像/朝倉和江
水中の枯葉あかりにマリア佛/宮坂静生
牛の虻マリア地蔵にまつはれり/辻桃子
水の音マリアの声となる月夜/朝倉和江
御手には実柘榴一つ聖マリア/高島筍雄
恋雀マリアは両手ひろげ立つ/朝倉和江
灯されてマリアは白し露の中/秋篠光広
春愁のマリヤすらりと立ち給ふ/青陽人
マグダラのマリアの涙鳥帰る/古見史子
柿紅葉マリア灯篭苔寂びぬ/水原秋桜子
春陰に膝立ち祈る漁婦マリヤ/桂樟蹊子
臘涙しげく元日のマリヤさま/山口青邨
俳句例:21句目～
草餅やマリア観音秘めらるる/野村喜舟
霞む島畑マリヤ足摺る子を曳きて/原裕
露けしや和服姿のマリア像/多賀谷節子
マリヤなりしや冬の星座の街角に/三谷昭
片目ほど扉をあけマリア春惜しむ/森田廣
灯籠の棹にマリアや右近の忌/加藤三七子
桃の昼納戸マリアの眉みゆる/宇多喜代子
マグダラのマリアに似たり雪女/馬場駿吉
朝ざくらマリアは常に仰ぐもの/朝倉和江
秋なすびマリアも売られ朝の市/対馬康子
絵ガラスのマリアにふれて桜散る/杉本寛
綿虫とぶ石のマリアの後向き/橋本美代子
吾とマリア映しルルドの水温む/景山筍吉
聖母祭近き玻璃拭くマリア園/古賀まり子
春嵐足ゆびをみなひらくマリヤ/飯島晴子
苔の御手蜻蛉とゞめて露坐マリア/及川貞
海呼ぶよに冬青き苔隠しマリヤ/宮津昭彦
薄紅葉マリアの像を島うらに/飯塚樹美子
銀杏花敷く雨きき隠しマリア仏/古沢太穂
マリア地蔵首欠け子欠け昼の虫/中村明子
俳句例:41句目～
マリア像白夜におはす窓辺かな/岩崎照子
さくら散る青山墓地のマリア像/浦野慶子
青葉光窓いつぱいのマリアさま/新馬立風
飛ぶ蛍マリアの顔を照らしけり/有馬朗人
昔踏まれし木版マリア黴てけり/糸山由紀子
春の雨マリアの沓に沁みゐたり/鳥居美智子
梅雨冷の耶蘇名をマリヤてつの墓/長谷川双
橋のない川の向うに立つマリア/田島たつほ
したたりやルルドの窟の聖マリア/石塚友二
ばら咲くやひとみの深きマリア像/奥山光子
イエスよりマリアは若し草の絮/大木あまり
マグダラのマリア恋しや芥子の花/有馬朗人
マリアさまと悲しい彩について話す/成島狗
マリア老いて近頃人からは見えぬ/池田澄子
マリヤには遠し枯野に赤子置く/八木三日女
マリヤ観音面輪愁ひて枇杷青し/水原秋櫻子
万緑やマリアのごとく子を抱き/日比野睦子
薪燃ゆるマリアの像の燃ゆるほど/対馬康子
初彌撒の木彫りのマリア足小さき/岡本恵子
句じるまみだらのマリアと写楽り/加藤郁乎
俳句例:61句目～
咲き闌けしダリヤに露のマリヤ像/石原舟月
地にうすきかすみ路傍のマリア椽/塚原麦生
子の声も紫陽花がくれマリア園/古賀まり子
惜別やさやか日すぢのマリア像/高橋せをち
高々とマリアに捧ぐる古巣とも/大木あまり
真冬日のマンシヨンに棲む聖マリア/平田栄一
不遜なりマリヤの頭なる子蜘蛛どち/大橋敦子
マリヤの前母亡きわれの背に冬日/成瀬櫻桃子
柳絮とぶマリア讃美の日なりけり/下村ひろし
マリア観音まことや冱てし竹筒に/下村ひろし
昏らい羽根ひろげる椎茸マリアの裏/伊丹公子
放置マリアおおう草むら陽の粒のせ/伊丹公子
落葉掻く農婦もマリア児を背負ひ/有馬ひろこ
身にしむや踏絵のマリヤ頬ひかり/岡部六弥太
辻マリアしぐれにともる誰が祈る/文挟夫佐恵
隠しマリアに夕べは蒼む白牡丹/鍵和田ゆう子
マリアの母はつねにうつむき蜂二匹/夏石番矢
アマリリス耶蘇名マリアの墓多き/古賀まり子
したたりの暗がりに立つマリヤ像/大村摩耶子
首欠けマリアの胸がききをり時鳥/加藤知世子
俳句例:81句目～
ざらにいるマリアはあんがい雨女/横須賀洋子
マリア現れよ芝生の幹々夕焼けたり/赤城さかえ
マリア像影したまへり蟻地獄/水原秋櫻子「蓬壷」
四百年黴の納戸にマリア秘め/村松紅花「破れ寺や」
マリア観音面輪愁ひて枇杷青し/水原秋櫻子「残鐘」
童貞聖マリア無原罪の御孕りの祝日と歳時記に/正木ゆう子
マリア月地球は一つなのに銃/呉羽陽子「鴎座合同句集翔」
ふくらはぎマリアに見せて脚気なり/平畑静塔「月下の俘虜」
サンタ/マリア/グラーツェ大寺舊食堂「最後の晩餐」覆はれ了んぬ/高橋睦郎
