俳句例:101句目～
巣立鳥垣根つづきの講の宿/皆川/盤水
卯の花や妹か垣根の朝ほらけ/正岡子規
去年の蔓に蕣かかる垣根かな/山口素堂
灰捨てて白梅うるむ垣根かな/野澤凡兆
蒲公英の垣根とばかり上根岸/正岡子規
葉のかれて鬼灯もゆる垣根哉/正岡子規
垣根ごし餅つく杵の高く見え/高木晴子
垣根なく山と地続き雉の声/みやおか秀
草枯るゝ賤が垣根や枸杞赤し/正岡子規
山吹に木瓜のまじりし垣根哉/正岡子規
木の芽吹く垣根伝ひの禿や誰/尾崎紅葉
桃折れば牛の面出す垣根かな/梅本塵山
垣根破るその若竹を垣根かな/山口素堂
山雀が垣根を越えて渓に去る/小沢晴堂
山吹の外向いて咲く垣根かな/正岡子規
殘菊のしどろに妹が垣根かな/正岡子規
泥川や卯の花垣根結ひつゞく/正岡子規
長雨の垣根に差され若布刈鎌/千田一路
雪柳どつと垣根の顔となり/藤原りくを
露けさに犬の起き行く垣根哉/尾崎紅葉
俳句例:121句目～
鳥の巣にあてがうておく垣根かな/一茶
妹が垣根古下駄朽ちて落葉哉/正岡子規
妹がりや荒れし垣根の蠣の殻/正岡子規
草の戸の低き垣根やつげの花/村上鬼城
垣根越のドームの屋根や薮柑子/石井耕美
海苔粗朶の垣根の中の真水井戸/田中冬二
朝顔や野茶屋の垣根まばらなり/正岡子規
干潟見に下りし垣根や秋の蝶/金子せん女
木の芽ふく垣根つゞきや牛の声/正岡子規
田の中に垂る垣根のすぐりかな/矢野奇遇
種ふくべ垣根の闇にもつれけり/正岡子規
稲かけて菊かくれたる垣根かな/村上鬼城
築地行けば垣根の薔薇や冬の花/正岡子規
紅梅や咲き満ちて垣根弛びたる/長谷川櫂
素通りの知人の垣根茱萸紅し/長谷川貴枝
茶の花のひとつ咲きたる垣根哉/星野麦人
葉生姜も末枯れてゐる垣根かな/高浜虚子
蕗すこし生ひし垣根や土用浪/大峯あきら
蕗の葉に転けた手を拭く垣根哉/尾崎紅葉
家ともり垣根の雪もくれてゆく/清原枴童
俳句例:141句目～
さむうなりし道の垣根や草の花/渡邊水巴
ざくろ咲く垣根に隔つ娘の暮し/脇田絹子
辛夷咲く垣根もありて家まばら/正岡子規
迷ひ来し子猫垣根にそひ逃げる/高木晴子
遊女老いて茅花まじりの垣根哉/正岡子規
とぎ水の師走の垣根行きにけり/木山捷平
雑煮すんで垣根の霜を惜みけり/渡辺水巴
雪凍てて垣根のへりに残りけり/室生犀星
何の木としらで芽を吹く垣根哉/正岡子規
投げ出したやうに垣根の絲瓜哉/正岡子規
卯の花にふじを結ひこむ垣根哉/正岡子規
風鈴の垣根涼しく曲りけり/阿部みどり女
駐在の垣根めぐらすお茶の花/高山真智子
鬼灯の垣根くぐりて咲きにけり/村上鬼城
新らしき垣根つゞきや風かをる/正岡子規
卯の花はまはりこくらの垣根かな/炭太祇
波しぶきあげて小春の垣根かな/西山泊雲
又荒れた垣根やたけて花つばな/野澤凡兆
垣根より竹継ぎたされ通草熟る/斉藤葉子
垣根より雨ぬれ初むる根分かな/矢島沙木
俳句例:161句目～
おほらかに垣根つくらず蕗の薹/中山まり子
語をかはすお茶の花咲く垣根ごし/横田昌子
手うつしに螢もらひぬ垣根越し/高橋淡路女
越して来て垣根つくらず千日紅/船坂ちか子
垣根より摘んでもてなす五加飯/滝沢伊代次
都めく垣根となりぬ落葉降る/長谷川零餘子
荒れてなかなか虎が垣根のつぼ菫/山口素堂
菊枯れて牡蠣捨ててある垣根かな/室生犀星
スヰトピー垣根なで来て立ち話/渕野なぎさ
落花掃き居れば友来し垣根かな/高橋淡路女
土用芽のみどり垣根にみづみづし/今西幸代
向日葵の射る目がふたつ垣根越し/酒井光代
洪水名残り照らす垣根の螢かな/金尾梅の門
ほろほろとぬかごこぼるゝ垣根哉/正岡子規
蝶々にゆれかはりつゝ垣根かな/阿部みどり女
夕方やとほき垣根に雪見えて/飛鳥田れい無公
草を摘む子にあるとなき垣根かな/楠目橙黄子
垣根より溢るる枸杞を摘みにけり/斉木うた子
山の田の垣根刈りある添水かな/菅原師竹句集
手すさびに尼のつくろふ垣根かな/阿波野青畝
俳句例:181句目～
子雀や薔薇の垣根にちよろちよろす/正岡子規
犬が覗いて行く垣根にて何事もない昼/尾崎放哉
昼がほや子を運ぶ鼬垣根より/召波「春泥発句集」
きのふ見し妹が垣根の花あやめ/暁台「暁台句集」
ひさしぶりに掃く垣根の花が咲いてゐる/種田山頭火
チューリップ抱いてゆく青い垣根の鱒二の家/橋田サカエ
菜の花や垣根にはさむわらじ銭/一茶/文化十一年甲戊
